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学校が守る命-四国版

巻頭言

これからの学校防災への提言

防災において,過去の災害を教訓として,今を対応することが重要である。特に,東日本大震災では,被災地のみならず被災地以外での対応でも,多くの教訓を残している。また,各地域で発生した各種災害について,当時の対応については,重要な資料となっている。ここでは,南海トラフ巨大地震を中心に,四国内での学校での防災の取り組みを紹介している。学校防災を考える上で,是非参考にして欲しい……【続きを読む】(Eネット会員への登録が必要です)

徳島県牟岐町

三連動地震・津波から子どもの命を守る~児童一人一人がたくましく主体的に取り組む防災学習の在り方~

(徳島県牟岐町立河内小学校 中村亨)

 本校の位置は牟岐川河口から2.3km上流にあり,津波は想定外のことであった。しかし,この度の東日本大震災の甚大な被害状況にかんがみ,牟岐町全体を生活圏と捉え,地震・津波にいつ・どこで遭遇するかもしれないという認識のもと,子ども達の命を守るため,できることから始めようと,これまでの防災教育や防災管理,防災に係る組織的な活動の在り方を見直した。

高知県安芸市

南海地震から命を守りぬく児童の育成を目指した防災教育~『日本一危険な条件にある学校』という共通認識のもとで~

(高知県安芸市立伊尾木小学校校長 濱口真人)

本校は,高知県東部に位置し,目の前には大きく太平洋を望むことができ,校舎敷地の南側からわずか約80メートル先に海岸線が迫っています。2階の教室からは,弧を描いた美しい水平線を眺めることもできます。しかしながら,ひとたび南海地震による津波が発生すると,全てが一気にのみこまれてしまう場所でもあります。幾重もの危険を併せ持っている日本一危険な立地条件にある学校と言っても過言ではありません。

高知県南国市

確かな防災教育をめざして~自分で判断し,命を守れる子どもに~

(高知県南国市立大湊小学校長 岡田兼治)

南海トラフ巨大地震が危惧されるなか,子どもたちに「災害時に自分で判断し,行動する力」を育てることは,本校にとって急務の課題である。幸いにも,本年度,高知県実践的防災教育推進事業を受けることができ,緊急地震速報システムの導入や県外講師招聘による教職員の研修も実施できた。1年間という限られた期間での取り組みであったが,下記の地域の現状を踏まえつつ,防災学教育の実践を進めてきた。

高知県高知市

生きる力をつける防災教育の実践

(高知県高知市立潮江中学校 宮田龍)

 生徒が,「自分の生命は自分で守る」意識を持つためには,防災に関して正確な知識と行動を指導する必要がある。本校では,生徒が修得した知識をもとに,地域活動に生かす地域貢献型防災教育を目指している。本稿は,その実践の報告である。

高知県須崎市

災害時に自分で判断し,最善の行動がとれる子どもの育成

(高知県須崎市立須崎小学校 山岡彰彦)

 須崎市は東日本大震災において西日本唯一で津波の被害を受け,昭和南海地震時にも多数の犠牲者が出ている。地震・津波等の「防災」「減災」は当市にとって喫緊の課題である。  本年度本校は「平成24年度実践的防災教育推進事業」を文部科学省及び高知県教育委員会から受託し,より実践的な防災教育活動を保護者や地域,自主防災組織,行政と一体となって行ってきた。その概要を今後の各組織の防災教育推進の一途となるようここに紹介したい。

高知県四万十市

災害から身を守り,助け合う子どもに

(高知県四万十市立具同小学校)

昭和の南海地震から今年で68年が経過した。地震発生の周期として,南海地震はいつ起きてもおかしくないと言われ,今を生きる私たちにとって避けては通れない課題となっている。これまでは,防災マニュアルを作成し,諸災害を想定した防災学習や避難訓練などに取り組んできた。3・11の「東日本大震災」以降は,「その時」に「自ら考え,的確に判断し,主体的に行動して,自分の命は自分で守る人間に」との思いが強くなった。 本稿は,実践の紹介である。

徳島県小松島市

命を守り,仲間をつなぐ防災教育をめざして~地域との連携を図り,実践力を培う教育活動の在り方を求めて~

(小松島市坂野小学校 山本栄)

本校では,学校教育の中で防災教育は特別の教育ととらえるのではなく,全教育活動 の中で,進めるべき内容だと考えて取り組んできている。全教職員の共通理解のもと, 児童の実態・地域性をふまえ,系統だった防災教育内容の実施と,地域の主体性を重視 し,地域とともに取り組みを行うことで,児童に実践力を培うことをめざした。

徳島県阿南市

生まれ育った郷土に誇りを持ち,自他の生命を大切にして生きる力の育成-三連動地震さらにはそれに伴う津波から命を守る,地域の特性に応じた防災・減災教育のとりくみ-

(徳島県阿南市立橘小学校長 宍戸正典)

 本校では,平成24年度新学年がスタートしてすぐに,近い将来の発生が危惧される「南海・東海・東南海の三連動地震」への対応能力の育成をこれまで以上に重きをおいて学校教育に位置づけ,公民館・地域自主防災会などの関係諸機関と連携を図りながら進めてきた。本稿は,その取り組みの紹介である。

高知県高知市

命をつなぐ学校としての取り組み

(高知県高知市立旭中学校教頭 竹崎優子)

本校は海抜44.9mの高台にあり,海岸からも直線距離にして約10kmほど離れた自然豊かな環境に囲まれた学校である。高知市内の中学校としては2番目に新しく開校した学校で,本年度は創立30周年を迎える。現在,高知市では,近い将来必ず来るであろうと考えられている南海大地震に備えて,さまざまな施策が行われている。本稿では,本校の取り組みを紹介する。

愛媛県愛南町

愛南町防災教育の推進・南海大地震から子どもたちの命を守る!

(愛媛県愛南町教育委員会学校教育課 中尾茂樹)

 愛媛県最南端,高知との県境にある愛南町は,太平洋にも近くリアス式海岸特有の地形から成り立っており,気象災害や大地震といった自然災害に脆弱な地勢と言ってもいいでしょう。防災教育は,学校現場で欠かすことのできない重要実践課題となっています。愛南町及び愛南町教育委員会では,「愛南町における防災教育の推進に関する協定(愛南町・愛南町教育委員会・国立大学法人愛媛大学防災情報研究センター・国土交通省四国地方整備局大洲河川国道事務所)」が策定されています。この中で,子どもたちを主役としたいくつかの実践を紹介します。

徳島県北島町

「連携」から始まる「防災教育」

(徳島県防災人材育成センター 田村浩康)

 「防災教育」は,子どもたちの命を守る教育である。そして子どもたちを起点として家族を守り,地域の人々を守る教育である。学校も教員も,単身で「防災教育」に向き合うのではなく,周りとの繋がりの中で進めていくことが何よりも必要である。以下,県の危機管理部に新設された人材育成担当の職に就いて見聞をした様々な防災活動実践事例の中で,「連携」という観点から,今後「防災教育」を推進するうえでのヒントとなる取り組みについて紹介をしたい。

徳島県四万十町

地域と共に歩む防災教育の実践

(高知県四万十町立興津小学校校長 北岡義彦)

 本校は,教育活動の大半を地域と共に歩んできている。特に,防災学習は,地域に呼びかけ,地域の方も自然に参加していただけるように声かけを続けてきている。学校での学び(防災学習の成果)を共有することで「意識の防波堤」の構築を目指している。

徳島県三好市

学校における防災対策と防災教育について

(徳島県立池田高等学校 西谷和美)

本校は,平成24年度徳島県教育委員会の『地域防災スクール推進事業』に指定された。この事業の目的は,「高校生のボランティア活動を推進し,地域と連携した防災活動を通して地域防災の即戦力となる人材を育てる」ことである。本稿は,その実践の紹介である。

徳島県阿南市

自分の命を自分で守る力をつける防災教育の実践

(徳島県阿南市立富岡小学校)

 防災教育で身につけさせるべき力とは,まず何をおいても,「災害から身を守る力」である と考える。つまり,「自分の命を自分で守る力」を全ての児童に身につけさせることである。そのためにも,我々教職員が確かな知識を身につけるとともに,率先垂範して防災意識を高めていくことが不可欠で,教職員と児童が一体となって,防災に向けた知識・判断力・行動実践 力を高めていくことが重要である。本稿は,本校での実践の報告である。

香川県三豊市

学校で学んだ児童が,家庭・地域を変える

(香川県三豊市立仁尾小学校校長 山下昌茂)

 これまでの防災教育の在り方を全校的に見直すことにした。特に,6年生においては,全校的に行っている防災教育と関連して,総合的な学習の時間を核とした防災学習を位置付けた。防災学習の合言葉を「自分の命は自分で守る」とし,児童自ら危険を察知し,時と場に応じた危険回避の行動がとれる能力を育てることを目標とした。また,児童が学んだことを保護者や地域に発信することで,学校や地域の人たちの防災に対する意識が高まり,危険を回避する知恵や工夫が地域の文化として広がることをねらいとした。本稿は,その実践の紹介である。

香川県丸亀市

本校の防災教育について~地元川西自主防災会との連携を通して~

(香川県丸亀市立城辰小学校長 平田貴久)

 城辰小学校では,川西地区自主防災組織の全面的な協力のもと,5年生の2月に第1回目の防災訓練を行い,6年生になってから4回,計5回の防災に関する研修を行っている。防災訓練の内容は,年度ごとに変更したり加えたりするなどの工夫をしている。本稿は,実践の紹介である。

愛媛県西条市

学校・地域で思考力,判断力を育てる防災教育

(愛媛県西条市立丹原小学校校長 安藤宏幸)

 平成16年度,台風の被害で愛媛県内で29名,西条市で5名の尊い命が犠牲になった。この台風被害を契機に,西条市では「逃げろ,死ぬな,助けろ」をキーワードに,市民自らが参加し実践する防災体制の構築と防災教育に取り組んできた。本稿ではその取り組みについて紹介する。