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2021年5月13日

超新星爆発「引き金」解明=ニュートリノが周囲加熱―日米チーム

 理化学研究所や京都大、米航空宇宙局(NASA)などの日米研究チームは、超新星爆発の残骸「カシオペヤ座A」をチャンドラX線天文衛星で観測した成果を発表した。理研の佐藤寿紀基礎科学特別研究員(現立教大助教)は「超新星爆発は素粒子のニュートリノによる加熱が引き金になるという有力な理論の証拠を、初めて観測でつかんだ」と話している。
 質量が太陽の10倍以上ある恒星では、内部で次第に重い元素の合成が進んで鉄の中核が生じ、最終的に重力でつぶれて原始的な中性子星ができる。有力な理論では、この中性子星に向かって周囲の物質が一気に密集した後、反動で跳ね返って衝撃波が外側へ向かい、超新星爆発を起こす。この際、大量に放出されるニュートリノの一部が周囲の物質を加熱すれば、爆発のきっかけになると考えられるが、観測で裏付けられていなかった。
 カシオペヤ座Aは1680年ごろに超新星爆発を起こし、さまざまな元素が放出されて周囲に広がっている。佐藤さんらは鉄が外側に飛び出るように分布する部分に注目し、観測データを詳細に解析。その結果、この部分には鉄よりやや軽いクロムやチタンも多く含まれ、ニュートリノによる加熱が起きていないとこうした組成にならないと結論付けた。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2016年に高性能なX線天文衛星「ひとみ」を打ち上げたが、間もなく壊れたため、後継機を打ち上げる予定。佐藤さんは「超新星爆発の残骸の詳細な観測と理研のスーパーコンピューター『富岳』によるシミュレーションを組み合わせれば、元素の起源の解明が進む」と語っている。

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