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2019年7月11日

◎「りゅうぐう」に2回目着陸=世界初の地下物質採取―「はやぶさ2」

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」は11日午前10時すぎ、小惑星「りゅうぐう」に2回目の着陸を行い、成功した。試料採取のための弾丸が発射されたことも確認された。着陸場所は4月に作った人工クレーターの周辺で、JAXAは世界初となる小惑星地下からの物質採取にも成功したとみている。
 JAXAによると、津田雄一プロジェクトマネジャーが管制室で、「タッチダウン(着陸・試料採取)は成功です。また新たな歴史をつくった」と成功を宣言した。
 りゅうぐうには約46億年前の太陽系誕生当時の水や有機物が存在するとみられる。地下の物質は太陽熱や放射線による影響が少なく、地表よりも当初の姿をとどめている可能性が高い。試料を回収することで、太陽系の成り立ちや地球の生命の起源を探る手掛かりになると期待される。
 今回の着陸目標は、りゅうぐうの赤道付近にあり、人工クレーターの中心から約20メートル離れた半径3.5メートルの領域。人工クレーターを作った際に噴出した地下物質が堆積し、採取できる可能性が高いという。
 はやぶさ2は10日午前、高度約20キロの定位置から降下を開始した。高度約500メートル以下は自律制御で降下を続け、5月に投下した目印をカメラで捉えながら位置や姿勢を調整。最後は機体下部にある筒状の試料採取装置を接地させて弾丸を発射し、舞い上がった砂を取り込む。
 2014年12月に打ち上げられたはやぶさ2は、昨年6月にりゅうぐうに到着した。今年11~12月にりゅうぐうを離れ、20年末ごろ地球に帰還、試料の入ったカプセルを投下する。
◇安全と挑戦、葛藤も
 さまざまなトラブルに見舞われた先代と比べ、順調にミッションをこなす探査機「はやぶさ2」。既に着陸・試料採取(タッチダウン)を一度成功させながら、さらに危険を冒して2回目を行うべきか。プロジェクトチームは「安全」と「挑戦」のはざまで葛藤する中、リスクを慎重に見極めて決断を下した。
 タッチダウンは、一歩間違えれば小惑星に衝突するなど、地球帰還が困難になるリスクがつきまとう。機体内のコンテナには1回目のタッチダウンで得た貴重な試料があるとみられ、このまま持ち帰るのも一つの考え方だ。
 1回目のタッチダウンの際、細かい砂などが巻き上がり、自律制御で降下するはやぶさ2の「目」となるカメラに付着。受光感度が低下するなど必ずしも万全な状態でないという。
 ただ、小惑星の地下物質や複数箇所からの試料採取に成功すれば世界初となる。科学的、技術的に価値の高い成果であることは言うまでもない。
 プロジェクトチームは、観測データから作成した着陸目標地点の3次元マップを使い、一つ一つ岩の高さを推定。感度が低下したカメラなどは、事前の低高度観測で性能を再確認した。さまざまな条件を変えた降下シミュレーションは10万回に上り、失敗が一度もないところまで突き詰めた。
 津田雄一プロジェクトマネジャーは「冷静な評価を行い、技術は十分あると判断した。技術がある以上、挑戦をしない選択肢はない」と言い切った。

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