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2018年10月11日

◎児相と警察の連携強化=8府県が全件共有―虐待事案に早期対応

 子どもの虐待通告や子育てに関する相談など児童相談所が持つ情報を、警察とすべて共有している自治体が、全国で8府県に上ることが時事通信のアンケートで分かった。うち6府県は今年に入ってから全件共有を開始。東京都目黒区で5歳女児が虐待を受け死亡した事件など、深刻な事案が依然相次ぐ中、子どもの命を守ろうと児相と警察の連携強化を目指す動きが広がっている。
 調査は都道府県と政令市、児相設置市の計69自治体を対象に、8月下旬から9月中旬にかけて実施。全自治体から回答を得た。警察との全件共有を行っていると回答したのは、茨城、群馬、埼玉、岐阜、愛知、大阪、高知、大分の8府県。全件共有のメリットとして、虐待の見落とし防止や危険なケースへの早期対応、重篤化防止につながることを挙げた。
 ◇複数の目で漏れ防止
 目黒区での虐待死事件を受け政府が7月にまとめた緊急総合対策では、児相と警察の連携強化が打ち出された。外傷やネグレクト、性的虐待があると考えられる事案などについて、情報共有を徹底すると明記。その一方、全件共有に関しては、「警察に相談内容を知られることで、保護者や関係機関が相談を控える恐れがあるといった指摘もある」(加藤勝信厚生労働相)ことから対策には盛り込まれなかった。
 全件共有を実施している自治体からは、「複数の目で事案を確認することで漏れを防ぐことができる」(愛知県)といった意見が聞かれた。さらに、通告を受けた児相が情報を抱え込むことなく、警察と情報共有して早期の安全確認や重篤化の防止につなげられるとの指摘も多かった。
 4月から全件共有している愛知県では、街中での虐待通告があった際、車のナンバーしか手掛かりがなかったが、警察と情報を共有したところ、家庭の特定につなげることができたという。担当者は「危険なケースではなかったが、警察と連携することで子どもの安全確認につなげることができた。未然防止にも効果がある」と話した。
 ◇警察の初動迅速化
 虐待の重篤化防止のほかに、子どもの命に関わるような危険なケースで、迅速な対応につながることも期待されている。
 高知県では、児相が月1回、虐待情報の一覧表を警察に提供している。「随時共有しているため、警察に援助を求める際にもスムーズに協議できる」。大分県も同様で、担当者は「比較的軽微な事案が重篤化した際、一から説明することなく、警察がすぐに動ける。初動対応が迅速になり適切な事件化措置が講じられるようになった」と意義を強調した。
 ◇オンラインで共有
 警察との情報共有をめぐっては、独自のシステム構築に乗り出す自治体もある。三重県は児相と県警本部の少年課をオンラインで結び、リアルタイムで情報を共有できる仕組みづくりを検討。子育て相談などを除いた虐待情報を、警察が迅速に把握可能とすることで、早期の対応が期待できるという。
 現在は、子どもの一時保護を解除した事案を警察に提供しているが、この範囲を大幅に拡大。心理的虐待など緊急性が高くないケースも共有する考えだ。担当者は「すぐに共有しないと情報が陳腐化する可能性もある。年度末までにシステムを整備したい」と話している。

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