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最近は東大や京大においても、受験生の基礎力をはかるため定積分の計算をストレートに出題してきていると感じる。関数をうまく評価して、定積分の値を不等式で表現させる入試問題もよく見かける。本稿では、今年東京工業大学で出題された入試問題を題材に、定積分における関数の評価について考察してみたい。
栃木県立栃木高等学校 宇賀神 忠靖
平成23年度に「実験的数学教材による授業展開」として,その年度に作成した教材を紹介する機会を得た。そのレポートを東書ネットで発表させていただいた。今回はその第2弾となるレポートである。今年度を振り返って,自分の中で印象に残っている教材と,その授業の周辺とをお知らせしたい。
鹿児島県鹿児島中央高等学校 堂薗幸夫
∫ab dx/f(x)=1/∫ab f(x)dxつまり∫ab f(x)dx∫ab dx/f(x)=1と間違えてしまう生徒がいたことから,本稿では,a≦x≦bで連続であり,正の値をとる関数f(x)について考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
オイラーの定数γというのがある。その値は0.57721 56649・・・であり,それは現在のところ有理数とも無理数とも証明されていない。生徒は円周率 ,虚数単位 ,自然対数の底 についてはそれなりの知識と馴染みを持っているだろうが,進んだ生徒に,このγにも興味を思ってもらえないだろうかと思ったのがこの小論を書くきっかけであった。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/downloadfr1/htm/cms68851.htm
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
関数を偶関数と奇関数の和に分解することで、生徒にとって非常に興味深い「定積分」の計算問題をつくることができる。本稿でくわしく考察してみたい。※文中の数式は、「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには、「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら
栃木県立栃木高等学校 宇賀神 忠靖
定積分を使って不等式を証明する問題は,①不等式の中に定積分がある場合と②不等式の中に定積分がない場合に大別される。①の場合では,積分する関数と積分区間からその方針が立ちやすいが,②の場合にはまずそれが定積分を利用して証明できる問題であることやそのために積分すべき関数を見出さなければならない点がネックになる。本稿では,生徒にとってわかりやすい,つまり解決の糸口が見つけやすい指導を考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら→https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/login/newenter.php?wurl=/detail/40776/
山口県立高森高等学校教諭 西元教善
ある関数を定積分するときに,三角関数に置き換えると求めやすくなる場合がある。それは三角関数の相互関係や2倍角・半角の公式等が定積分をする上で奏功するような関数である。本稿では,三角関数の相互関係が重要な役割を果たす定積分について考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立高森高等学校教諭 西元教善
定積分を求めるとき,いろいろな方法がある場合がある。その方が面白い。決まり切った1つの方法しかないようではつまらない。 本稿では,まず Ia, b=∫π0(asinX+bcosX +X)2dXとするとき,I1, 1=∫π0(sinX+cosX +X)2dX について①被積分関数を展開して求める方法② 三角関数の合成を使って被積分関数を変形して求める方法③t=x-π/2とおき,∫a -a(奇関数)dx=0,∫a -a(偶関数)dx=2∫a 0(偶関数)dxを活用する方法の3通りで求め、その比較から効率のよい求め方でIa, b=∫π0(asinX+bcosX +X)2dXを求めその結果からIa, b=∫π0(asinX+bcosX +X)2dXの最小値を求めることを考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立高森高等学校教諭 西元教善
本稿では,xαとlogxで作られる関数xαlogxの定積分 を利用していくつかの不等式を考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立高森高等学校教諭 西元教善
定積分∫1/√3 0 dx/x2-1の値を求めるには,被積分関数 1/x2-1をと部分分数に分解して計算して求める。一方,定積分∫1/√3 0 dx/x2-1の値を求めるには x=tanθと置換して計算する。ここで,被積分関数の違いは符号だけである。「部分分数に分解して求める」方法から,「x=tanθと置換する」方法へと大きく様変わりする。これは生徒にとっては大いに困惑する違いである。x2-1=0の解はx=±1であり,これよりと変形して,部分分数に分解される。すると,x2+1=0の解はx=±iでありることから,部分分数に分解することができるので,そこから∫1/√3 0 dx/x2+1の値が求められないだろうか,そのほうが同一の方法で求めるという統一感があるという考えを持つ生徒も出てくるはずである。 本稿では,このような発想を持つ進んだ生徒のために,少々粗い議論になるが,複素数まで拡張した指数関数や対数関数を使って考察させることを考えてみたい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立高森高等学校教諭 西元教善
数学Ⅲで無理関数の定積分を扱うが,これを使えば円の面積が求められる。一般的な扇形の面積も0<a<bのとき、定積分∫ba√a2+b2-x2 dxは原点を中心とし、半径が√a2+b2の円と考えることで無理関数の定積分で求められる。本稿では,(0<a<bのとき、定積分∫ba√a2+b2-x2 dxの値を逆正接tan-1で表し,そこから逆正接についての性質を導くことにする。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら→https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/login/newenter.php?wurl=/detail/40776/
山口県立高森高等学校 西元教善
ex=Σxn/n!であることは高校では扱わないが,e=Σ1/n!であることは教科書で参考として扱うこともある。対数関数log(1+x)(-1<x≦1)のx=0におけるテーラー展開はΣ(-1)n-1xn/nであり,特に,log2=Σ(-1)n/nである。なお,自然数Nの自然対数logNは,定積分とはさみ打ちの原理を利用して,logN=Σ(1-1/N)n/nのように級数表示することもできる。そこで,本稿では,logN=Σ(N-1)n/nNn(Nは自然数)であることを証明したい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら
山口県立光高等学校 西元教善
ある生徒が(定積分に関連した)不等式の証明ができず,解答・解説を読んだが理解できないと質問に来た。「模範解答のようには書けません」と悲壮感を漂わせる。模範解答のように書けないと,自分に数学の力がないと考える生徒もいる。しかし,数学的思考の流れと数学的記述は必ずしも一致しないのであり,模範解答を読んでもわからなくても悲観することはないのだ。これについて,その理由も含めて本稿で考察してみたい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら
山口県立光高等学校 西元教善
高校数学においては,「広義積分」は範囲外である。なので,教える必要はないというのが一般的であるのかもしれない。しかし,よくよく大学入試や他教科(物理)の発展的な内容を見ると,広義積分が使われていることがある。従って,ハイレベルな生徒には話題にしてみることで,積分と極限の考えが同時に使われる場面を提示できる良いきっかけになるのではと思い,話をすることがある。今回は,まず簡単に広義積分の定義の確認をした後に,2012年度の大学入試における広義積分の考え方の出題例,他教科において現れる例について述べたいと考えている。
立教女学院中学校・高等学校数学科教諭 小澤頌
区分求積法とは,和の極限として面積や体積を求める方法で、定積分で求めることが出来ることがある。しかし、定積分を使わなくても求められることがある。本稿では、定積分と区分求積法に関わる和の極限値について,あえて定積分を使わないとどのような解法があるかについて考察した。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
ニュートン,オイラー,ラグランジュの時代(17~18世紀)は,関数といえば具体的に式で表される関数や解析関数を指しており,特に,運動方程式(微分方程式)を解くときに,解析関数を使っていました。解析関数に限定して,「偶関数,奇関数」の考察を進めていくと,・偶数ベキからなる(解析)関数ということから偶関数・奇数ベキからなる(解析)関数ということから奇関数と名付けられたのではないかと,7年位前に東京大学大学院数理科学研究科の牛腸徹先生からご教示いただきました。大変おもしろく,興味深い話でしたので,特に,高等学校・高等専門学校の先生方の教材研究に役立つと思い,ここに紹介させていただきます。
新潟県立新津南高等学校 本望英明
定積分を通じて、決してよい評価とは言えないが、評価ができることは生徒の興味を引くのではないかと思う。もし,精度を高めてみたら,入試問題でも使えるのではないかと思い考察してみた。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
被積分関数1/(1+tan2x) のtanxの次数を変化させたときその値はどのようになるか,さらに,一般的に αを実数とするときの定積分について考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
√r2-x2の被積分関数で,積分区間が[rsinα,rcosα](0<α<π/4)である積分についてどのような結果になり,それには図形的な意味があるであろうか。本稿では,このことについて考察したいと思う。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
本稿では,自然対数log n,log (n+1)(nは自然数)に関わる不等式について考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
本稿では勤務校で実施している「大学入試問題研究」について紹介したい。これは,本校進路指導部の管轄のもとで,各教科(国・地歴・数・理・英)の教員が自己研修を兼ねて夏季休業中に研究するものである。平成17年度から始まり,最近は,東大,センター試験,進学希望の多い広島大あるいは山口大の問題を対象にしている。ここでは,筆者の担当した東大の問題について,考察したい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
数学Ⅲで,主に無限等比級数であるが,無限級数の和を扱う。また,これは発展になりますがe=∑1/n!という興味ある無限級数の和にも触れる機会がある。これを活用すれば,e=lim(1+1/n)nが無理数であることも証明できる。本稿では∑1/nnについて,評価や近似値を中心にして考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
数学Ⅲの「定積分と不等式」では,例題として 1+1/2+1/3+…+1/n>log(n+1)(nは自然数),問いとして1/2+1/3+…+1/n<logn(nは2以上の自然数)(東書数学Ⅲp.150)を扱う。本稿では,オイラーの定数を用いて,1+1/2+1/3+…+1/nとlognについて考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
定積分で置換積分と部分積分と言えば、現行の教科書では、その計算方法のみに焦点をあてているように見える。高校数学として完結するだけならそれでも良いが、置換積分と部分積分は、大学の微積分学の入り口と考えられる大切な場所でもある。もう少しだけでも掘り下げて指導した方が、良いのではないだろうか。今回は、生徒側の疑問に答える形で、置換積分の定積分について考察した。
埼玉県立豊岡高等学校 五十嵐英男
数学Ⅲの定積分では,a>0として∫a 0 √a2-x2 dxや∫a0 dx/a2+x2という定積分を扱う。数学のよくできる生徒から不定積分∫√1+x2dxはどのように求めればよいのかという質問を受けた。恐らく,x=tanθとおいて計算すればよいのであろうという見当はついているようであったが,求められなかったようである。本稿では,この質問に対する解答を試みたい。 ※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立高森高等学校教諭 西元教善
本稿では,⑴ 数列{n!}を漸化式で表すこと,⑵ mを自然数とするとき, Lim n→∞1/nn√{(m+1)n}!/(mn)!を求めることを通じて,n!を考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら→https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/login/newenter.php?wurl=/detail/40776/
山口県立高森高等学校教諭 西元教善
不等式の証明には,“この方法で証明するのが一般的である”というような通念がある。「そうするのが当然」というような「思い込み」である。生徒が別のやり方で証明しようとすると「その証明はそのような方針ではなくこのようにするのだ。」とストップをかけ,生徒の成長の芽を摘んでしまってはいないだろうか。本稿では,不等式の証明がうまくできず質問に来た生徒と,数学的帰納法で証明した生徒の話をご紹介したい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら
山口県立光高等学校 西元教善
「高校数学ニューサポートVol.1(創刊号2004年4月発行)」より。「複素数平面の周辺」現在の高校2年からはじまる新課程で,複素数平面は姿を消す。ひとつ前の課程の1次変換と入れ替えで約30年ぶりに復活した項目であったが,結局わずか10年の命で再び1次変換にその座を明け渡すこととなった。「グラフと定積分」高校の教科書で積分を導入するのに,区分求積法によって定積分の意味づけを行うのではなく,微分の逆演算として不定積分を定めるところから始めるのが主流になって久しい。それに伴って,積分の面積としての意味は薄くなり,求積は定積分の本質に関わる問題ではなく,単なる積分の応用のひとつにすぎなくなってしまったように感じる。
開成高等学校教諭 井出健宏