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ニューサポート高校「社会」vol.29(2018年春号)より。問題構成は,大問6問,小問35問と昨年通り。問題は33ページで,おおよそ1問1ページの配分であり,数多くの図表が用いられている。全体としては,前年に比べて易化したのではないかと考えられる。
筑波大学附属高等学校 中村光貴
ニューサポート高校「社会」vol.31(2019年春号より。プレテストと比較して新傾向として目立つものはあまりなく,従来通りの出題傾向が踏襲されたといえる。ただ,第 6 問の問 5 は,シイタ ケの生産地を推測させるような「生活知識」を必要とする問題であった。2015 年度東京大(第 2 問 設問B)でも,日本の生鮮野菜の輸入が題材となっている。スーパーの野菜・水産物の産地に着目させるなど,日頃から机上の学習だけではない学びも大切であると感じる。
鷗友学園女子中学高等学校 吉田裕幸
「ニューサポート高校「社会」vol.33(2020年春号)特集:センター試験分析・共通テストへの展望」より。センター試験の地理では思考力を問う良問が出題されており,共通テストになっても引き継がれることを期待したい。単なる「傾向と対策」的な問題演習にはせず,解答の背景にある自然・社会現象に思いを馳せることにこそ,地理の魅力は詰まっている。木を見て森も見ることが重要であり,マルチなスケールで社会的事象を捉える姿勢は,重要な地理的コンピテンシーの一つである。受験生には,初見の資料と対峙したとしても,良質な推理小説を読み解いていくようなスリルを味わいつつ,普遍的な地理的な見方や考え方を習得させたい。
公文国際学園中等部・高等部 齋藤亮次
ニューサポート高校「社会」vol.35(2021年春号)より。第1問世界の自然環境,第2問資源と産業,第3問都市と人口,第4問アメリカ合衆国の地誌,第5問京都府宮津市周辺の地域調査というテストの内容構成だった。
宮崎県立高鍋高等学校 菊野 秀則
ニューサポート高校「社会」vol.37(2022年春号)より。地理的事象の仕組み・原理を理解しているか、それを応用できるかを図表との関連から問う近年の傾向がさらに強まった。また、誤文判定が昨年(二つの文のうち誤りを含むものの組み合わせを選ぶ)から変化し、試行調査で見られた三つの文の正誤の組み合わせ(8択)が複数出題されたが、選択肢は増えたものの、問題の難易度は昨年の誤文判定よりかなり易しかった。
暁星中学・高等学校 村上慧
現在の「高等学校学習指導要領」(平成30年告示)総則では ①知識・技能の習得、②思考力・判断力・表現力等の育成、③学びに向かう力,人間性等の涵養 が目標として掲げられています。しかし、高校の授業でこれらが偏りなく実現できているかと問われると、私個人は「不完全」だと言わざるを得ません。そこで今回、「ロイロノート」を活用して思考力を鍛えるための授業をデザインし、実践しました。
愛媛県 愛光中学校・高等学校 和田誠
ニューサポート高校「社会」vol.39(2023年春号)特集:大学入学共通テスト分析、より。地理的な事象を様々なスケールで捉え、主題図や表・グラフなどの資料から読み取りながら、学習内容と関連させる問題が目立った。資料や文章の読み取りの量は多いが、地理的な事象の背景を理解することで十分に対応できる問題であった。
城北中学校・高等学校 小嶋俊介
21世紀中盤の社会を中心で担い、22世紀世代を育てていく責任を負う現在の高校生には、全体の利益に資する判断が的確にできる社会の形成者に成長することを期待したい。複雑化する世界の中で求められるのは、普遍的な力や姿勢であり、すなわち論理的思考力や本質を捉える力のほか、他者への共感力や多様な価値観を認める姿勢である。これらの資質を身に付けさせることを目標に据え、その方法として、高等学校・地理Bの授業における実践を行った。
栃木県宇都宮高等学校教諭 安達常将
ニューサポート高校「社会」vol.41(2024年春号)「特集:大学入学共通テスト分析」より。 昨年と同様、大問数は 5 問、設問数は 30 問だったが、マーク数は 30 と一つ減った。大問ごとの出題テーマもほぼ同様であった。すべての設問で図表か写真が使用されており、思考力・判断力が問われた。ただし、新傾向の複雑な問題形式や、題意の分かりづらい設問が少なく、さほど時間に追われず取り組むことができる。以下では、各大問の中で特徴的な設問を取り上げ、分析を行う。
ドルトン東京学園中等部・高等部 高木佑也
(教室の窓)社会版・機関誌 社会科・地図 NEWSLETTER 第6号[2018年]より。新学習指導要領では,「諸事象を捉える視点や 思考の枠組み」として各教科において「見方・考 え方」が重視され,社会系教科教育においても,小・ 中・高一貫性という観点から社会的な見方・考え 方の育成が重視されている。社会的な見方・考え 方について,新学習指導要領では,「社会的事象 等の意味や意義,特色や相互の関連等を考察した り,社会に見られる課題を把握してその解決に向 けて構想したりする際の視点や方法」と定義され, 「課題把握→課題追究→課題解決」のプロセスに よって構成される学習活動の軸として位置づけら れる。
東京書籍(株) 社会編集部
この実践例は,地理Bにおいて,地理認識調査からはじめた2年間の多様な教育を通じて地理観の育成について試みた概要の一端です。[事例]『観光と高冷地農業の村・岐阜県高鷲村』 ・『黒部川扇状地―灌漑と客土で水田地帯』・『アボリジニの村に滞在して』・『タイ・森の農園』
愛知県立春日井高等学校 原眞一
「ニューサポート高校「社会」vol.34(2020年秋号)特集:感染症」より。授業を構想する際は,生徒の実態を踏まえるために,まず中学校の教科書を読んでほしい。以下,中学校の地理学習の概要を述べるが,新学習指導要領に基づく教科書の使用は来年度からで,2023 年度高校入学者までは現行学習指導要領によることに留意する必要がある。中学生は,1 ~ 2 年生で地理的分野と歴史的分野を並行して学ぶので,特に世界地理を学習する時は,歴史や公民の知識は限られている。
東京学芸大学特任教授 荒井正剛
本校は、「『自主・自律』の精神と幅広い『職業観』を養い、目的意識を持った進学の実現により、将来、実社会で活躍できる人材を育成する」という教育理念のもと、2017年度以降教員・生徒が一人1台タブレット端末を持つICT教育に注力している。タブレット端末は授業以外にも、各種連絡や資料等の配布など多くの場面で利用されている。本稿では、地理B授業でのタブレット端末利用の実践事例について考察したい。
大阪府 常翔学園中学校・高等学校 中村彰
本校では、3年2学期まで地理Bを終わらせる授業計画となっている。また、本校の1時限の授業時間は45分で授業の効率化が必須である。一方、本校は「<ruby>グローカル<rt>・・・・・</ruby>リーダーの育成」を掲げ、ローカル・グローバル両面で活躍する人材の育成を図っている。この点から、本校の実践事例をご紹介したい。
箕面自由学園高等学校 松尾淳一
教室の窓「小学校・中学校 教育情報」Vol.55 2018年9月発行より。2020年度から大学入試センター試験廃止に伴う「大学入学共通テスト」が実施されることにより,従来のような一つの解を当てはめる“知識詰め込み型の授業” から,多様な選択肢を見つけ,“最適解を探究する創造型の授業” へと転換する契機が訪れている。そこで,大学入試改革に伴い,小・中学校で身につけるべき資質・能力について示すとともに,筆者の中学校における授業実践に基づき,「地理総合」への接続を意図した中学校社会科地理的分野の授業づくりを提案する。
東京都板橋区立赤塚第二中学校主幹教諭 岡部誠
ニューサポート高校「社会」vol.29(2018年春号)より。伊能社中:電子地図をベースに画像・動画などのコン テンツを組み合わせた新しい学習スタイルを提案して いる特定非営利活動法人。私たち地理好きは冒険の匂いに引きつけられ て地理好きになりました。暗記科目と言われた 地理も,ツールを活用するだけで知的好奇心を くすぐる人生でかけがえのない教科に生まれ変 わります。
特定非営利活動法人 伊能社中 理事長 田村賢哉
ニューサポート高校「社会」vol.32(2019年秋号)より。校の新科目「地理総合」や「地理探究」では,地理的技能の一つとして,国土地理院のWeb地図サービス「地理院地図」の活用が予想される。本稿ではこの地理院地図を取り上げ,その仕組みと従来の紙の1/2.5万地形図(以下「地形図」とした場合,紙の1/2.5万地形図をさす)との違いをみていきたい。
埼玉大学教育学部教授 谷謙二
教育現場へのICT導入にともない、現在、地理の授業のあり方は大きな変革期を迎えている。現行の「地理A」「地理B」においても、そして次期学習指導要領で地理歴史科の必履修科目に位置づけられる「地理総合」においても、「地図や地理情報システム(以下GIS)などを用いる汎用的で実践的な地理的技能の修得」が主たる育成項目とされている。本稿は、これらの教育的潮流をふまえ、「地理A」授業での地図ソフトGoogle Earthの使用実践について報告するものである。
大阪府立伯太高等学校 杉本健太
ニューサポート高校「社会」vol.30(2018年秋号)より。いま,地理歴史科・公民科(〈社会科〉)は, 戦後最大の改革を経験しようとしている。この とき,われわれが改めて問うべきことがある。 「 21 世紀において,〈社会科〉は何のために 存在するか。」
東京大学准教授 加藤晋
私は,「政治・経済」「日本史」「世界史」「倫理」のどの授業にも,必ず時事問題を取り入れる。授業では,あくまで事実を話す。そのことについて,善悪を判断するのは彼らである。新聞を読むこと,世界に関心を持つことの大切さを繰り返し授業で取り上げる。その時,理解しやすいように具体例を挙げる。すると,だんだんと自分で考えるようになる。(1) 歴史を知ること(2) 社会を知ること(3) 哲学を知ること(4) 自我意識の拡張
茨城県水戸葵陵高等学校 菊池美佐江
ニューサポート高校「社会」vol.27(2017年春号)より。「教育課程の構造転換と社会系教科教育」「小・中学校社会科の改訂のポイント」「高等学校地歴史,公民の改訂のポイント」について述べる。
元国立教育政策研究所 工藤文三
(教室の窓)社会版・機関誌 社会科・地図 NEWSLETTER 第6号[2018年]より。地図は何のために使うのでしょうか? 近年,カー ナビやスマートフォンの普及により,便利な世の中 になりましたが,地図を見て考える前に,悲しい かな人間が機械に使われているようでもあります。 この辺で本来地図のもつ役目とは何かを考えてみ たいと思います。
株式会社 平凡社地図出版 取締役 水谷一彦
ニューサポート高校「社会」vol.26(2016年秋号)より。2015年8月の「論点整理」をふまえて2016年7月まで審議が行われた中教審教育課程部会の「社会・地理歴史・公民ワーキンググループ」および「高等学校の地歴・公民科科目の在り方に関する特別チーム」において、高校の新課程(地理歴史科・公民科)の新科目案が示された。それについて解説する。
東京書籍(株) 社会編集部
「教育情報誌『NEW Shakalka』第3号の発刊に寄せて」 高校の新教育課程の実施まで、残すところ1年余りとなりました。年明け早々に第1回となる大学入学共通テストの実施が予定されておりますが、つい先日には、新課程における同テストの教科・科目の検討案も報じられたところです。 また現在はコロナ禍によって生活のあらゆる場面で新たなスタイルが求められており、学校教育は今まさに、様々な面で「歴史の転換点」を迎えていると言えます。 今号の「教えて! シャカイカ先生」でも「18歳市民力」について言及しておりますが、これからの社会を担う高校生の充実した学びのために、私どもも教科書を通して少しでも寄与していきたく存じます。
東京書籍(株) 社会編集部
「教育情報誌『NEW Shakalka』第2号の発刊に寄せて」2022年度からの新課程実施に向けた取り組みがますます本格化するはずだった今年度ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で全国的に臨時休校の措置が取られるなど、学校現場は未曾有の事態に追い込まれています。しかし歴史を紐解けば、人類はこれまでにも幾度となく同じような苦難と向き合い、その先に現在の社会を築いてきました。山積する課題に取り組むため、地理歴史科・公民科の学習は、今後さらに重要性を増していくに違いありません。新しいʻ社会科ʼの学びを、これからの時代を担う高校生たちとどのように展開していくか。今起きている事態を見つめつつ、共に考えていければと存じます。
東京書籍(株) 社会編集部
「教育情報誌『NEW Shakalka』の発刊に寄せて」2022年度から実施される新学習指導要領下で,三つの必履修科目が新設される地理歴史科・公民科は,今まさに大きな変革に直面していると言えます。科目構成の再編だけでなく,学習と指導の方法という中身の部分においても,「主体的・ 対話的で深い学び」の実現など,大きな転換が求められます。この新しい冊子は,新課程に関する情報を「短く」「見やすく」「読みやすく」お伝えし,先生方の日々のお授業と数年先に向けたご準備に資することを目指して編集いたしました。高校生たちの数年先数十年先の人生の実りを願いつつ,これからの地理歴史科・公民科のあり方を,共に考えていければと存じます。
東京書籍(株) 社会編集部
近頃の高校生は,日本語力・計算力など総合的な学力が低下したといわれている。もちろん,地理的分野においても例外ではない。筆者は,地理の最初の時間に地理常識テストを実施しているので,その変化を実感することができる。テストの内容は,県名および県庁所在地,首都名,地球の大きさ,世界・日本・郷土の人口等である。
長崎県立長崎西高等学校 永田信孝
「地理探究」(地探701)令和5~8(2023-2026)年度用教科書の、年間指導計画例です。単元ごとに学習項目、学習のねらい、主な学習活動などを表にまとめました。
東京書籍(株) 社会編集部
「地理探究」(地探701)令和5~8(2023-2026)年度用教科書の年間指導計画にもとづく評価規準例です。単元ごとに評価の具体的な内容および学習のねらいを表にまとめました。
東京書籍(株) 社会編集部
COVID-19の拡がりは地理的に一様ではない。メディアが繰り返し報道しているように、国による感染者・死者数の差は大きく、また日本国内でも、感染拡大が顕著な大都市圏とそれ以外のように、地域差が顕著にみられる。こういった地域差の要因には未解明の部分も大きい。しかしいずれにしても、広い意味での環境(人口が密集する都市環境など)が影響していることは間違いない。人類と感染症の戦いには、媒介動物の生息域から不衛生な都市環境に至るまで、常にその舞台となる地理(環境)が存在した。この意味で COVID19 は、疾病や健康が地理的な問題であることを改めて浮き彫りにしたものといえる。
東北大学大学院環境科学研究科 准教授 埴淵 知哉