教科書の単元から資料を探すページです。
ニューサポート高校「社会」vol.38(2022年秋号)より。本稿では、少ない年間授業時数を前提にして、どのようにすれば生徒たち自身が探究する歴史学習に転換することができるのか、「問い」の設定の仕方という点から迫っていきたい。そして、上記のような授業担当者の悩みや欲求不満感が少しでも解消されることを願っている。
東京学芸大学附属国際中等教育学校教諭 山本勝治
高校社会の授業では、共通テストや大学の過去問を授業や課題で取り扱うことがあります。こうした入試演習も、ICTを活用すれば時間と労力をより効率化・省力化できます。空欄補充・選択式問題だけでなく、論述問題についてもICTを活用するワザ(一例)を具体的にご紹介します。
愛媛県 愛光中学校・高等学校 和田誠
センター試験が終了すると、その設問を授業で取り上げ、いくつかを例示しながら、センター試験に臨む際の参考にさせることが多くなります。2013年「日本史B」センター試験の全てを分析しましたが、その中から、いくつかの設問についての指導実践例を紹介します。 センター試験「日本史B」問題の全てを分析した結果の感想は、本校で使用している教科書「新選日本史B」と、教科書から導き出されることに取り組む授業を合わせた「教科書+授業」により、90点以上は狙えるのではないかということを感じました。
秋草学園高等学校 関秀雄
授業で使用している教科書「新選日本史B」と実際の授業内容が,「センター試験日本史B」にどのように関連しているかについての研究分析を,ここ数年継続してきました。その動機は「新選日本史B」を使用している者として,その良さを実感してきたことにあります。しかし,その良さを感じたと言っても,それが個人的なものに過ぎないものか,客観的な事実を反映してのことなのかについては,それを証明しなければ,あくまで個人的印象に過ぎません。そこで,2013年に「センター入試日本史B」を取り上げて,「新選日本史B」との照合分析を試みたのが最初でした。
多摩大学講師 関秀雄
ニューサポート高校「社会」vol.27(2017年春号)より。出題数,配点は昨年度と同じ。史料を用いた問題(3題)と地図を用いた問題(1題)は昨年より減少したが,写真・図版を用いた問題(4題)と統計表を用いた問題(1題)が増加した。
お茶の水女子大学附属高等学校 玉谷直子
ニューサポート高校「社会」vol.29(2018年春号)より。出題数は例年通りで,大問が6,小問は 36 問。 原始・縄文時代に関する設問は見られず,現代 史は 1960 年代までが出題された。昨年文化史の 出題はやや減ったが,今年は例年並みである。 各分野から万遍なく出題されている。
女子学院中学校・高等学校 金井聖子
「ニューサポート高校「社会」vol.33(2020年春号)特集:センター試験分析・共通テストへの展望」より。大問・小問数,配点の変更はなく,出題範囲も各時代・分野にわたる例年通りの内容であった。昨年出題のなかった写真や図版を活用した問題も復活したが,表・グラフの活用問題は見られなかった。過去問演習を積めば確実に得点できる取り組みやすい問題だった。
國學院大學栃木中学・高等学校 北川嘉則
ニューサポート高校「社会」vol.35(2021年春号)より。初の大学入学共通テストであったが,大問構成や難易度に大きな変化はなかった。しかし,出題形式は思考力・判断力を問うものに大きく舵が切られ,各大問で多様な資史料が扱われた。いずれの大問でもテーマ設定が明確化され,学習活動の場面設定が意識されている。出題形式については,正文選択問題が大幅に減少し,関連事項の組み合わせ問題が倍増した。また,小問数が32題に減少し,それに伴って4点配点の設問が生じたことにも注意が必要だ。
宮城県仙台第一高等学校 千葉 博幸
ニューサポート高校「社会」vol.37(2022年春号)より。共通テスト 2 年目となる今年は、数学の平均点が大幅に下がり受験生に衝撃を与えたが、日本史Bも昨年に比べて10点以上平均点を下げ(52.81 点)、センター試験時代も含めて過去最低点となった。長いリード文(会話文)や数多くの史資料の丁寧な読解を前提とした設問が増えたことも、難化の一因と考えられる。
東京都立調布北高等学校 鳥羽顕司
歴史総合は平成30年度改訂の学習指導要領で置かれた必修科目であるが、学習指導要領解説によれば、近現代史の事象について、特に現代的諸課題との関わりの中で、歴史的な見方・考え方を働かせることができる学習内容を計画することが求められている。そこで、筆者は歴史総合初年度の取り組みとして、「プロジェクト歴史総合」と銘打った一連の課題を計画した。本稿でその実践報告を行いたい。
雲雀丘学園中学校・高等学校 鳥原悠人
ニューサポート高校「社会」vol.39(2023年春号)特集:大学入学共通テスト分析、より。分野別では、共通テストの2年間で出題の多かった社会・経済史の割合はやや減少したが、政治史を中心に経済史・外交史・文化史と幅広く出題された。さらに分野横断的な設問も多く総合的な理解が求められた。
栄光学園中学校・高等学校 川越順
ニューサポート高校「社会」vol.39(2023年春号)特集:大学入学共通テスト分析、より。2022年度より、全国の高校でも一人1台端末の導入が本格的に始まった。私の勤務校(私立中高校一貫校)では6年前から ICT 教育を開始し、小学校では一人1台 iPadを、高校では一人1台 Chromebookを導入し、授業や課外活動、学級活動、校務などで活用している。また私は2017年にロイロ認定ティーチャー、2019年に Google 認定イノベーター、2021年に Google 認定トレーナー、2022年にロイロ授業デザイントレーナーなどの資格を取得し、 ICT教育に関する実践を重ねてきた。
愛光中学・高等学校教諭 和田誠
教科書「新選日本史B」と実際の授業内容が,「センター試験日本史B」にどのように関連しているかについての分析研究を,ここ数年継続してきました。その結論としては,教科書としての「新選日本史B」の内容は,「センター試験日本史B」で高得点が期待できるものであるというものでした。この教科書は教師が教室で生徒に授業を展開する際には,現場での教師の工夫を導き促すようにした編集の試みを感じて,ある意味控えめな要素を感じますが,それはこの教科書を使用して「日本史」を生徒に伝えようとする教師を尊重しようということが,そこにあるのではと思考しています。
多摩大学客員教授 関秀雄
筆者は2013年以降、東京書籍「新選日本史B」と「センター試験日本史B」の関連を分析してきた結果として、「新選日本史B」の内容だけで十分高得点を取れることを証明してきました。では、2021年1月に初めて実施された大学入学共通テストではどうだったか。本稿では、2021年「共通テスト日本史B」との関連を詳細に分析します。
多摩大学客員教授 関秀雄
筆者は2013年以降、東京書籍「新選日本史B」と「センター試験日本史B」の関連を分析してきました。本稿は、2020年「センター試験日本史B」の詳細な分析結果です。本分析が「新選日本史B」への信頼を高め、「新選日本史B」を使う授業の参考となれば幸いです。また生徒の皆さんが、2021年から始まる「大学入学共通テスト」でも「新選日本史B」で万全の対策をとり、自信を持って挑戦することを願ってやみません。
多摩大学客員教授 関秀雄
教科書「新選日本史B」と実際の授業内容が、「センター試験日本史B」にどのように関連しているかについての分析研究を、高校で「日本史」を担当していた2013年から継続してきました。この分析研究が「新選日本史B」教科書への信頼を増し、高校現場で「新選日本史B」教科書を使って授業する際への参考になり、生徒のみなさんが「新選日本史B」教科書を使って授業を受け「日本史B」の実力を高めることへ自信を持って臨むことに役立てれば幸いです。
多摩大学客員教授 関秀雄
教科書「新選日本史B」と実際の授業内容が、「センター試験日本史B」にどのように関連しているかについての分析研究を、実際に高校の教室で日本史を担当している教師の時から、ここ数年継続してきました。どの教科書にしろ、その教科書で学習する生徒の実力を養うことができるかどうかを秘めているかを確かめるのは、その教科書を使う側に立った時に必要な事だと感じています。さらに、その教科書が網羅的でもなく百科事典的でもなく、教室で生徒に日本史を伝える教師の工夫を促すように編集されているかも大切な要素だと感じています。そうした考えに立って、「センター試験日本史B」を材料にした分析研究をしてきました。
多摩大学客員教授 関秀雄
ニューサポート高校「社会」vol.41(2024年春号)「特集:大学入学共通テスト分析」より。大問数や問題数は昨年と同様だったが、受験生にとって難易度は昨年よりも上がったと思われる。その原因の一つは受験生の学習がおろそかになりがちな文化史の知識が求められる問題が昨年度は 2 問程度だったところから 8 問程度と大きく増加したこと。そしてセンター試験から共通テストになって増加した「史料から正確に情報を取得し、日本史の知識を踏まえてそれを解釈して正答を選ぶ問題(いわゆる歴史的思考力を問う問題)」が、数は 11~12 問程度とほとんど変わらなかったものの、史料読み取りの難度(解釈ではなく情報取得のレベル)が上がったことで正答を選びにくくなったことによる。
札幌第一高等学校 秋野遼太郎
ニューサポート高校「社会」vol.36(2021年秋号)より。新教育課程の全面実施を目前にし、高校歴史学習の「変わること」がますます注目されている。各種新設科目、「アクティブ・ラーニング」「カリキュラム・マネジメント」「コンテンツ・ベースからコンピテンシー・ベースへ」といった用語や概念など、まるで新課程がはじまったとたんに教室の風景が一変するような印象さえ受ける。しかし、新学習指導要領(新課程)は現行学習指導要領(現行課程)の「改訂」であり、引き継がれている点も多い。新課程、新科目に向き合う前に、現行課程までの歴史学習を振り返り、「不易」の部分を確認することも必要ではないだろうか。そこで本稿では、筆者による最近の日本史 B 実践を振り返りながら、歴史学習で「変わらないこと」に着目し、新課程、新科目への向き合い方について、課題(懸念)も含めて考察した。
東京都立立川高等学校教諭 武藤正人
ニューサポート高校「社会」vol.37(2022年春号)より。2022(令和4)年となり、新学習指導要領(平成30年告示)の全面実施を迎えた。各学校がカリキュラム・マネジメントの視点で教育課程を編成し、実施することになる。学校現場は、引き続き新型コロナウイルス感染症の対応をしつつ、状況に合わせてオンライン授業や対面授業等を組み合わせて実施しているところである。
東京都立武蔵高等学校・附属中学校教諭 峰岸久枝
ニューサポート高校「社会」vol.35(2021年春号)より。センター試験より大問数は1問増えて5問,設問数は2問減少して34問であった。地域は西ヨーロッパと東アジアからが多く,ラテンアメリカ,東南アジア,アフリカからはほとんど出題されなかった。年代のバランスは考慮されていたが,近現代史の比重がやや大きかった。政治史が多く,文化史は若干少なめであった。
豊島岡女子学園中学校・高等学校 西田 博
ニューサポート高校「社会」vol.37(2022年春号)より。設問数は昨年と同様に34問であった。出題地域はアジアからの出題が半分を占め、対してヨーロッパからの出題は 3 分の 1 程度に抑えられた。東南アジア・アフリカに関連する出題が多く、オセアニアからも 3 問出題された。年代のバランスは近現代史の比重がそれ以前の時代に比べて多く、特に古代史からの出題は少なかった。また、政治史が多くを占め、文化史からの出題は 1 問だけであった。
茨城県立水戸第一高等学校 田中亮
ニューサポート高校「社会」vol.28(2017年秋号)より。メキシコでは、1910 年に革命が起こったとき、国を挙げての壁画制作活動が行われた。それがメキシコ壁画運動である。その一例として、メキシコ国立自治大学には、シケイロスが制作した「人々から大学へ、大学から人々へ」という壁画がある。この壁画では、大学の教育は、大学内部のみならず、人々と大学の相互交流によって成り立つことが伝えられている。
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻[中南米] 新津厚子
ニューサポート高校「社会」vol.39(2023年春号)特集:大学入学共通テスト分析、より。理解が要求される単語のレベルは教科書の本文に記載されるような基本事項が多数であるものの、知識を直接的に問う単純な問題が減少した。その代わりに、多数な資料やリード文をしっかり読み取り、必要な情報を的確に捉える力が求められる問題が多かった。以下では、今年の問題で特徴的な設問を精選して分析を試みたい。
埼玉県立草加西高等学校 大野直知
ニューサポート高校「社会」vol.41(2024年春号)「特集:大学入学共通テスト分析」より。大問数は 4 問、設問数は 33 問と昨年より 1 つずつ減った。また、会話形式のリード文が 10 から 4 に減った。一方で、資料そのものから内容を読み取るという形の問題が 3 から 6 に倍増した。これらの変化は身につけた基礎的な知識をもとに資料を自ら活用するという、新学習指導要領で強調されている指導内容により適合する変化と考えられる。あわせて適切なテーマを設定し、それをめぐって思考するという色合いが鮮明となった。すなわち令和 7 年度の新課程問題への移行を強く意識した問題といえよう。そこで、大問ごとにテーマを示し、特徴的な問題に言及したい。
東京農業大学第二高等学校 間々田功
ニューサポート高校「社会」vol.22(2014年秋号)より。教科書の全頁カラー化,美術作品の利用,拓けてきた可能性について述べる。
東京大学史料編纂所助教 藤原重雄
今まで日本史の授業を行う上で、活用していたものは、教科書、資料集、パネルなどを使い、興味関心を持たせるために、日本史の裏話を話したり、VTRなどを見せたりすることがほとんどであった。しかし、それは毎回の授業で使えるものではなく、ほとんどの授業は、板書して説明するといったオーソドックスな授業であった。今回、実践した授業は、生徒の学習意欲を高め、思考力、判断力を高めるため、プロジェクターを使った授業である。漫画や資料をいかに効果的に見せることにより、歴史を教科書の文字だけでなく、歴史の流れや背景をつかませることをならいとした。
北海道北広島西高等学校 中島康晴
[本文より]日本史Bの学習指導要領「(1)歴史の考察(ア)歴史と資料(イ)資料にふれる」では,文化財保護の重要性を理解させるために,博物館や地域の文化遺産を扱うことになっているが,「文化財は,博物館以外にも無形文化財や史跡・景観として保存されていることが多い。これらの調査・見学をもとに考察する学習は,歴史的な見方や考え方を育てる上で有効である」(『高等学校学習指導用要領解説 地理歴史編』文部省,1999年)とされる。しかし,授業時数も限られており,実際に見学を取り入れた授業を展開するのは難しい面もあるだろう。
埼玉県立幸手高等学校 島村圭一
研究者(遅々としていますが)と高校教員。二足のわらじを履く中途半端な私ですが,だからこそ「歴史研究と高校の授業をつなぐこともできるのでは?」と考えました。そして,暗記に終始するのではなく,高校生として必要な知識を身につけながらも,「考える」「繋ぐ」「評価する」ということを念頭に,物事を批判的に見ていける力をつけていきたいと思って作った授業用プリントです。
北海道立命館慶祥高等学校教諭 斎藤忠和
ニューサポート高校「社会」vol.29(2018年春号)より。全般的には,昨年度よりも易しかった。そして正文選択問題が25問と大幅に増加(昨年は18問)し,平均点も高くなった。
東京都立向丘高等学校 小畠一基
「ニューサポート高校「社会」vol.33(2020年春号)特集:センター試験分析・共通テストへの展望」より。本年度の大学入試センター試験は,来年度からの大学入学共通テストへの移行を前に注目を集める試験となった。結果的には,本年度も大問4題,出題形式の変更も見られなかった。地図問題は1題,グラフ問題は1題であった。
東京都立三田高等学校 粕谷栄一郎
ニューサポート高校「社会」vol.31(2019年春号より。2 年後の大学入学共通テストへの移行を控え,2 回の試行調査で示された方向性がいかに反映されるかが注目された。結果的には大問構 成,小問数,出題形式とも従来型が踏襲され,過去の傾向をもとに学習してきた受験生は力を発揮できたと思われる。大学入試センター発表の平均点は,昨年よりやや下がったものの例年並みであった。
市川中学校・高等学校 太田竜一
ニューサポート高校「社会」vol.39(2023年春号)特集:大学入学共通テスト分析、より。私の専門は中国近現代史である。この領域は、歴史教育や歴史認識の話題と不可分である。そのため私は、縁あって東京書籍『世界史 A』と『歴史総合』の編集委員を務めることになった。幸いなことに、私は高校生と直接対話できる機会をこの数年間に何度もいただいてきた。その際に、一人の中国研究者として、なぜ歴史教育が必要なのかを高校生と一緒に考えてきた。
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授 中村元哉
ニューサポート高校「社会」vol.30(2018年秋号)より。いま,地理歴史科・公民科(〈社会科〉)は, 戦後最大の改革を経験しようとしている。この とき,われわれが改めて問うべきことがある。 「 21 世紀において,〈社会科〉は何のために 存在するか。」
東京大学准教授 加藤晋
ニューサポート高校「社会」vol.28(2017年秋号)より。次期学習指導要領の改訂により,高等学校の地理歴史科・公民科が大きく変更されようとしており,諸資料を活用した学習の充実が求められている。当館としても所蔵する歴史公文書等を効果的に利用に供していく方途について模索していく必要を感じている。本稿では特に「日本史探究」にしぼって筆者の私見を述べたい。
国立公文書館統括公文書専門官室 上席公文書専門官 梅原康嗣
ニューサポート高校「社会」vol.24(2015年秋号)より。消費という側面に切り込もうとする新たな研究潮流が盛り上がりつつあり,その新たな潮流は,「消費から歴史をみる」という,歴史像そのものの捉え直しに向かう志向をもっている。消費という視点からみると,これまでの日本史教科書叙述はどうみえるのか。
北海道大学大学院経済学研究科准教授 満薗勇
ニューサポート高校「社会」vol.31(2019年春号より。歴史学習における資料の活用や問いの設定は,歴史研究の基礎といえるものである。とはいえ,資料を読んで正確に理解すること,ましてやそれをもとに問いを立てることは簡単ではない。もちろん,教員がサポートするわけだが, 当然ながら問いの設定はできるかぎり生徒が自分自身の力で行えることが望ましい。
聖心女子大学教授・「新選日本史B」編集委員 土田宏成
ニューサポート高校「社会」vol.30(2018年秋号)より。新しい指導要領が発表されました。各処で新 課程への準備が始まっていることでしょう。新 指導要領では,「主体的な学び」や「探究」が 歴史教育のキーワードとなっています。「歴史 的思考力」という言葉もよく耳にします。
北海道大学大学院文学研究科准教授 橋本雄
ニューサポート高校「社会」vol.27(2017年春号)より。分野別では,文化史が3問と大幅に減少(昨年は9問),政治史から出題が中心であった。地域別では,アフリカが昨年よりも増加したが,全地域萬遍なく出題された。
東京都立国分寺高等学校 増元良英
高校生を対象としていますが,もう一度歴史を学んでみよう,ちょっと世界史を覗いてみたいという方にも役立つ高校社会科の資料です。「より知りたい」と思う生徒が「しっかり」学びうるよう内容の充実をはかり,topicsに「資料」や「コラム」的なものを配して,興味関心を喚起することに努めています。
北海道立命館慶祥高等学校教諭 斎藤忠和
平成20年3月に告示された学習指導要領では,「言語活動の充実」が各教科で導入されることとなった。これまでも,地歴科の言語活動の先駆とも言うべき,調べ学習や討論学習など様々な実践に基づく授業方法が紹介されてはいるが,これらの大部分は,地方の進学校の実態にはそぐわないものが多い。地方の進学校は,高校の授業で大学受験に必要な内容を全て取り扱わなければならず,限られた単位数の中で,調べ学習や討論学習などイベント的な授業をする余裕は全くないためである。では,地方進学校において,どのように言語活動を授業の中で実践していくことができるのであろうか。本校のように,大学受験に対応できる学力の育成を目標とした授業形態を取りつつも,言語活動を導入した授業とはどのようなものになりうるのか。本論では,現在の勤務高における授業の一試みを紹介する。
静岡県立韮山高等学校 美那川雄一
本校では、1年次に全員が世界史Aを履修する。ここで世界史支持者を増やしたいところだが、これがなかなか難しい。近現代史を中心とした授業をどう組み立てていくかについて、特に導入時の授業では毎年神経を使う。学びの入り口に立たせることができるか、入門の意志を閉ざしてしまうか、ここが正念場なのである。本校での取り組みを紹介する。
長崎県 佐世保南高等学校 山西善雄
現任校は2015年度にSGH校の指定を受け、国際コース(文系のみ、長期留学を実施する)の生徒(1年生)を対象に、Active Learning(以下、AL)型授業を各教科・科目で取り入れています。 筆者は、必ずしもALに賛同するものではありませんが、一方、歴史学研究の成果を踏まえた学問的なAL型授業は有意義であると考えています。本稿では、昨年から実施している1年生国際コース世界史の授業でのAL型授業について、その概要を紹介しておきたいと思います。
京都学園高等学校 齋藤忠和
ニューサポート高校「社会」vol.30(2018年秋号)より。2018 年 3 月,ついに新しい学習指導要領が 告示された。現行の指導要領から約10 年ぶり の改訂である。今回の指導要領では,高等学校 地理歴史科・公民科において新科目が設置され, その内容も含めて,戦後歴史教育の大転換だと いわれている。特に新科目「歴史総合」は,日 本史と世界史を統合し,近現代に絞ってテーマ 史的に教えるという全く新しいコンセプトの科 目である。また,「世界史探究」「日本史探究」 という探究科目も設定されたが,これらの科目 についても今回の告示によってようやく全容が つかめたという状況である。 本稿では,新指導要領を意識したいくつか の大学入試問題を検討しつつ,世界史の授業を どう変革していくべきなのかを考えてみたい。
東京都立青山高等学校指導教諭 角田展子
現任校の国際コースは、2年生の秋から翌年にかけて海外留学が行われます。そのため、2年生の前期に配当される世界史の授業は、授業進度にとらわれず、比較的自由な授業を展開することができます。これまでも、通常の通史型授業では行えない授業実践を試してきました。今年度は、海外留学先に焦点を当てたイギリス史を軸に、アクティブラーニング型授業を行おうと計画しています。
京都学園高等学校 齋藤忠和
今年度は新型コロナウイルスの感染拡大と政府の非常事態宣言を受け、全国の学校がさまざまな対応を迫られ、学校現場はその対応に追われ続けています。いずこも同じでしょうが、十分な準備もできないまま、5/11(月)から「オンライン授業」が始まり、混乱しつつも何とか授業らしいものを行っています。本日(5/15)、1週間を乗り切ったところで、私の現状とこれまでの取り組みについて、簡単に記しておきたいと思います。
京都学園高等学校 齋藤忠和
教員は、学ぶために本を読まねばなりません。しかし、本を読んでも、読んで終わりではすぐに忘れてしまいます。私がこの20年ほど現在まで続けているのが、「カード型データベースソフト」による文字史料・資料のデータベースの構築です。データベースを構築しておけば、必要な資料をいつでも取り出し、教材や論文の作成にと、大いに役立てることができます。今回は、私の「資料と思考の整理術」をご紹介しようと思います。
京都学園高等学校 齋藤忠和
現任校はSGHに指定されており、アクティブラーニング(以下、AL)についても推進が奨励されています。しかし、その実践はなかなか難しく、現場教員も大いに混乱しているように思います。本稿は、現任校において2017年3月に開かれたSGH研究発表大会で筆者が用いた資料です。時間のない中、準備したものであり、不充分な点も多々あろうかと思いますが、ALに対する一つの考え方を示し、その実践事例を紹介しているもので、現場の先生方の参考になる点もあるかと思います。
京都学園高等学校 齋藤忠和
本研究では、「主体的・対話的で深い学び」を実現するべく、いわゆるアクティブ・ラーニング(以後、ALと称する)型授業を展開しながら、より“深い学び”を追求する授業を提示する。
大阪高等学校 池田靖章
昔の人は短命だった。我々は単純にこう考えているのではないでしょうか。確かに、総体的にはその通りだと思います。しかし本当にそれだけで片付けてよいのでしょうか。本稿では、こうした感覚が何処まで正しいものかを検証してみたいと思います。
京都学園高等学校 齋藤忠和
これまで中学校社会の「公民的分野」,「地理的分野」,「歴史的分野」と高等学校「世界史」の接点を探求し,少なからずの解説を試みてきました。その中で,小学校ではどのような学習をしてきたのかが気がかりになりました。そこで,5・6年生の社会科の教科書をめくってみると,刺激的な内容に驚きました。5年生では日本の産業や国土について,6年生では歴史的分野と公民的分野を学習します。世界史を学習する際,わかりやすく,丁寧で適切な表現を使わねばならない状況になった時,小学校の教科書から多くの示唆を得ることができるのではないかと考え,小学校の学習内容と世界史の接点を探求し,高校で世界史を指導しておられる方々へ是非紹介しておきたいと本稿を記すことにしました。
東京教育研究所 岸田理
ニューサポート高校「社会」vol.23(2015年春号)より。現代の歴史の書き方の原点ともいうべき明治期の歴史書編纂事業の経緯についてふりかえってみる。
慶應義塾大学経済学部准教授 松沢裕作
ニューサポート高校「社会」vol.35(2021年春号)より。昨年(2020年)10月18日に,歴史総合と入試科目の組み合わせ(案)が報道された。この結果,歴史総合を各探究科目の中に内容的に組み入れた,5単位(標準単位設置の場合)通史「講義」では受験対策上無理なことがはっきりした。歴史総合と各探究科目は,目的とする内容と方法論が異なるから違う科目なのであって,同じ近現代史を扱うにしても,扱う視点が異なってこなければならない。つまり「近現代史は先に歴史総合でやるから世界史探究は前近代史(18世紀くらいまで?)」というやり方はできないと思われる。このことを分析するためにも,本年度(2021年1月)から行われる令和3~令和6年度までの4年分の大学入学共通テスト「世界史B・世界史A・日本史B・日本史A」の本試験・追試験問題分析が欠かせないⅰ。この4年分の本試験と追試験の問題を分析して,予備校などの模擬試験は作成され,さらに言うまでもなく,受験の前に新科目の学習が始まるからである。
北海道有朋高等学校[通信制]教諭 吉嶺 茂樹
ニューサポート高校「社会」vol.36(2021年秋号)より。今次学習指導要領で導入された新科目、「日本史探究」「世界史探究」では、「資料」の活用が重視されていることは周知のことに属しよう。そこで言われる「資料」とは、たとえば「日本史探究」の、学習指導要領「内容の取扱い」で、「日記、書簡、自伝、公文書、新聞、統計、写真、地図、映像や音声、生活用品の変遷などの資料」と記されている。つまり、ここで活用されるべき「資料」は、歴史と同時代に作成された文献や遺物を指していると一応は理解できる。ただし、これに続いて、「それらを基に作成された資料」という文言があり、その範囲はあいまいである。
慶應義塾大学教授 松沢裕作
「ニューサポート高校地歴・公民 2003年5月発行」より。見方を変えれば,人類の歴史は戦争の歴史であると同時に,戦争を回避しようとしてきた歴史,あきらめずに戦争を克服しようとする不断の努力の歴史でもある。そして,もしも私たちがその努力を継承しようとするのならば,現代と過去の戦争というものの真の姿を理解して,次の世代に確実に伝えなければならない。そのためには,私たちは,戦争を歴史のなかでどのようにとらえ,教えていったらよいのだろうか。
明治大学文学部教授 山田朗
ニューサポート高校地歴・公民Vol.6(2006年秋号)より。高校での世界史授業改革の動きは,平成6(1994)年度の学習指導要領改訂による世界史必修化に始まる。それは,冷戦体制崩壊後の新たな国際秩序の模索や地球環境問題,インターネットの普及や市場経済のグローバル化等を背景としている。
石川県立小松高等学校 向出研司
本資料は、2009 年度世界史(高1)授業の導入用に準備したものであり、世界史プリントの巻頭となる。かつて「現代国際社会理解」の授業で試みた「質問法」も取り入れつつ、本論に入る前に、世界史学習の動機付けと興味・関心を喚起するための資料として準備した。2~3時間の予定。
北海道立命館慶祥高等学校 斎藤忠和
高等学校に入り世界史を学習しようとする時,中学校でどのような内容を学習し,世界史に必要な基礎知識を習得してきたかを確認することが大切だと思います。それが,世界史学習にどのように活かしていけるのかを考え,関連する用語や事項を「公民的分野」の中から抜粋し,解説や留意点を述べました。
東京教育研究所 岸田理
中学校「地理的分野」では,叙述されている世界の国々の現状,すなわち産業や経済,文化などと世界史の接点について紹介します。世界の現状を知り,世界史を学習することによって,その歴史的背景を知ることが大切であることは言うまでもありません。気候や第一次産業の叙述は世界史では簡潔に述べられていますので,「地理的分野」の学習内容がわかるように紹介します。中学校「歴史的分野」での叙述が少ない,アフリカ,オセアニア,南北アメリカなどの引用は多く,できるだけ丁寧に解説しました。
東京教育研究所 岸田理
中学校「歴史的分野」は,世界の中の日本の位置を考えようという視点に立っています。日本と関係の深い東アジアだけでなく,グローバル化の進む中で世界との関係から日本を捉えようとしています。特に近現代史では,国際関係の中で日本を位置づけています。中学校の学習内容を知っていただき,世界史の指導や展開に利用していただければと考えました。
東京教育研究所 岸田理
平成17年3月,全国歴史教育研究協議会が編集・発行した「全歴研研究紀要第41集」をもとに,『21世紀に生きる歴史教育の創造 ―生徒の主体性を高める授業実践―』をテーマに発表された,各分科会の提案内容を,紹介させていただきます。
群馬県立富岡高等学校教諭 飯塚勇一
本校では特進ADVANCEDコースが3週間のイギリス研修旅行を実施しています。また国際コースに関しては7ヶ月または10ヶ月のイギリス留学を行っています。こうした生徒のため、筆者は、現任校に赴任した2015年以来、事前学習を担当し、スライドを見せつつ、「イギリス史概観」と「大英博物館」についての授業を実施してきました。本稿では「大英博物館」の授業用パワーポイントデータを紹介したいと思います。
京都学園高等学校 齋藤忠和
私は,「政治・経済」「日本史」「世界史」「倫理」のどの授業にも,必ず時事問題を取り入れる。授業では,あくまで事実を話す。そのことについて,善悪を判断するのは彼らである。新聞を読むこと,世界に関心を持つことの大切さを繰り返し授業で取り上げる。その時,理解しやすいように具体例を挙げる。すると,だんだんと自分で考えるようになる。(1) 歴史を知ること(2) 社会を知ること(3) 哲学を知ること(4) 自我意識の拡張
茨城県水戸葵陵高等学校 菊池美佐江
ニューサポート高校「社会」vol.31(2019年春号より。新学習指導要領の告示に伴い,新科目「歴史総合」の内容が公表されてから1 年が経過した。筆者を含め高校教員をはじめとした教育関係者は,昨夏に出された解説も読み込み,来るべき2022 年から始まる「歴史総合」の内容, 教育方法を理解し,授業構想を思案し始めている状況ではないだろうか。
東京学芸大学附属高等学校教諭 加藤将
ニューサポート高校「社会」vol.32(2019年秋号)より。指導と評価の一体化」の重要性が指摘されて久しい。本稿もこの立場に基づき,評価活動は独立せず,教育・学習活動のための評価というスタンスを取る。従って,まずは,新学習指導要領で新たに強調されるようになった歴史教育の特質を提示し,それを踏まえて評価のあり方を検討したい。
広島大学大学院准教授 川口広美
「ニューサポート高校「社会」vol.33(2020年春号)特集:センター試験分析・共通テストへの展望」より。筆者は令和元年9月13日~15日に新潟で開催された日本社会科教育学会第69回全国研究大会において,「資料の読み解きによる多面的・多角的な考察を行う学習」というテーマで公開授業と課題研究発表を行った。念頭にあったのは新学習指導要領の「世界史探究」である。また,新科目「歴史総合」を意識した実践や,新学習指導要領でますます重視される資料活用に取り組んだ実践も,少しずつ積み重ねている。本稿ではこれまで筆者が取り組んできたものを,一部紹介したい。
新潟県立新潟高等学校教諭 鈴木健一
「ニューサポート高校「社会」vol.34(2020年秋号)特集:感染症」より。新型コロナウイルスの拡散防止のため,2020年の春はほぼ全国的に臨時休校の措置がとられた。長いところでは 3 月から 5 月まで 3 か月以上授業が行われず,生徒の学びの場を確保するために,先生方も悩み苦労されたことと推察する。拙稿では,第二波・第三波のウイルス感染も含めた緊急時に対応すべく,将来的な歴史授業について僭越ながら整理したい。
東北学院榴ケ岡高等学校教諭 多々良穣
歴史を応用させる授業をするにはどのような方法を取れば良いのでしょうか。ここでは、解決法の生成を促す目的で歴史を応用させることに焦点を当て、筆者の研究成果をもとに簡単に授業で使える方法を紹介したいと思います。
東京大学大学院情報学環特任助教 池尻良平
世界史授業における音楽教材の活用―ヨーロッパ・イスラーム史を中心に―神奈川県立厚木高等学校教諭 大久保敏朗2005年5月平成17年3月,全国歴史教育研究協議会が編集・発行した「全歴研研究紀要第41集」をもとに,『21世紀に生きる歴史教育の創造 ―生徒の主体性を高める授業実践―』をテーマに発表された,各分科会の提案内容を,紹介させていただきます。
神奈川県立厚木高等学校教諭 大久保敏朗
本校での、歴史総合の実践例と、教師の働き方に関する可能性をご紹介したい。
兵庫県立播磨南高等学校 妙見健太郎
歴史学研究と歴史教育を接続することは、私にとって、また、歴史担当教員諸氏にとって、重要な課題であると発言し続けてきました。ある先生が次のような発言をされました。「歴史というのは3つある。最先端の研究、学会の常識、高校以下の中等教育の歴史、つまり、教科書だ。」 確かに、それぞれが異なった歴史認識を提示し、特に前二者と教科書レベルの歴史は、乖離が大きく、両者の乖離は、ますます開いているのかも知れません。教科書が新しい研究を摂取しにくい原因はさまざまありますが、小稿では、こうした3つの歴史の中で、私たち高校教員の立ち位置、ないしは、私たち高校教員の学びとは何なのか、改めて整理してみたいと思います。
京都学園高等学校 齋藤忠和
ニューサポート高校「社会」vol.32(2019年秋号)より。「歴史総合」の開始を3年後に控えた今年度から,本校では高1の「世界史A」を世界史2人,日本史2人の教員で受け持ち,新科目についての研究と実践を進めている。稿では,「歴史総合」の大項目「B 近代化と私たち」より,「(3)国民国家と明治維新」に関する実践を紹介したい。
市川中学校・高等学校教諭 太田竜一
本稿では、北宋軍事力の根幹たる禁軍と西欧近世の傭兵・常備軍とを比較することで、宋という時代の近代性(先進性)の一端を示してみたい。なお、本稿では近代性という題名を附したが、古代・中世・近世・近代・現代という時代区分法に関しては、これまでに様々な視点からの考察が行われ、私が勉強してきた東洋史学の分野でも、激しい議論が繰り広げられた時期があった。近年は、時代区分論は活発ではないが、やはり歴史研究者の意識化には常に存在し続けている課題であると思う。
北海道立命館慶祥高等学校教諭 斎藤忠和
ニューサポート高校「社会」vol.23(2015年春号)より。外国語の地名や人名をどうやってカタカナで表現するかという問題。ここでは,アラブ・イスラーム史を例にして,外国語の固有名詞を表記することの難しさについて報告したい。
大東文化大学国際関係学部准教授 高野太輔
我々が住んでいる地球の姿を理科の分野には,あまり立ち入らずに把握し,現代国際社会が抱える様々な問題に向かって進んでいくことを目標に作られた教材です。今回は我々が住んでいる地球を大きな視点から眺めています。
立命館慶祥高等学校 斎藤忠和
(教室の窓)社会版・機関誌 社会科・地図 NEWSLETTER 第6号[2018年]より。地図は何のために使うのでしょうか? 近年,カー ナビやスマートフォンの普及により,便利な世の中 になりましたが,地図を見て考える前に,悲しい かな人間が機械に使われているようでもあります。 この辺で本来地図のもつ役目とは何かを考えてみ たいと思います。
株式会社 平凡社地図出版 取締役 水谷一彦
21世紀を迎えた今も,世界各地で起こっている紛争は,おさまる気配を見せない。我々は,例え断片であったとしても,ニュース映像をはじめ様々なメディアによって伝えられる紛争の姿を日々目の当たりにしている。それらが,我々に与える衝撃は大きい。そして,憎しみの連鎖がもたらす悲惨な結果に心を痛める人も多い。本節では「現代の地域紛争」を取り上げる。ただし,それは単に紛争(戦争)がもたらす悲惨さを,浅薄なヒューマニズムに訴えて慈悲の心を育てようとか,世界史や政治経済など既存科目のように,羅列的に事実関係を知ろうとするものではない。ここでは,本科目のコンセプトに従い,現代国際社会が抱える紛争の実情と,そのメカニズムを学び,分析的視点を養うことが主眼である。そのため,まず,20世紀における紛争の解析と質的変化の考察を行い,次いで紛争の具体例を概観する。
立命館慶祥高等学校 斎藤忠和
高校生を対象としていますが,もう一度歴史を学んで見よう,ちょっと世界史を覗いてみたいという方にも役立つ高校社会科の資料です。「より知りたい」と思う生徒が「しっかり」学びうるよう内容の充実をはかり,topicsに「資料」や「コラム」的なものを配して,興味関心を喚起することに努めています。
立命館慶祥高等学校 斎藤忠和
本校では特進ADVANCEDコースが3週間のイギリス研修旅行を実施しています。また国際コースに関しては7ヶ月または10ヶ月のイギリス留学を行っています。こうした生徒のため、筆者は、現任校に赴任した2015年以来、事前学習を担当し、スライドを見せつつ、「イギリス史概観」と「大英博物館」についての授業を実施してきました。本稿ではその際に用いた「イギリス史概観」のパワーポイントのデータを紹介したいと思います。
京都学園高等学校 齋藤忠和
中学校の歴史的分野の改訂が行われたことにあわせ,授業展開で発問する際に中学校の学習内容を知っておけば,言葉の豊かな授業展開ができるのではないかと考え,この論考を記しました。生徒との質疑応答によって,生徒の興味・関心を広げていくことに役立ていただければと思います。
東京教育研究所 岸田 理
日本の世界史教育において,「中国とは?」と歴史的視線から問いかけることは,いかなる場面においても必要である。もしこの問いが高校の世界史教育の現場で発せられなければ,日本の中国理解が深まることはないだろう。日本の世界史教育には大きな社会的責任があると同時に,新たな日中関係を切り拓く人材を輩出するという相当に大きな醍醐味があることを,社会全体で認識できれば幸いである。
津田塾大学学芸学部国際関係学科准教授 中村元哉
ニューサポート高校「社会」vol.26(2016年秋号)より。2015年8月の「論点整理」をふまえて2016年7月まで審議が行われた中教審教育課程部会の「社会・地理歴史・公民ワーキンググループ」および「高等学校の地歴・公民科科目の在り方に関する特別チーム」において、高校の新課程(地理歴史科・公民科)の新科目案が示された。それについて解説する。
東京書籍(株) 社会編集部
本稿では,中学校社会以外の教科書に世界史に関連する人物とその業績がどのように紹介されているのか,また歴史的事項に関連することがどのように叙述されているのかを紹介します。
東京教育研究所 岸田理
ニューサポート高校「社会」vol.27(2017年春号)より。「教育課程の構造転換と社会系教科教育」「小・中学校社会科の改訂のポイント」「高等学校地歴史,公民の改訂のポイント」について述べる。
元国立教育政策研究所 工藤文三
ニューサポート高校「社会」vol.35(2021年春号)より。COVID-19パンデミックで,これまでノーマルだったことがそうでなくなり,新しい枠組みに対応できる力,そして,できなくなったことではなく,今できることは何かを考えるようなメンタリティが改めて問われています。大学教育も遠隔・オンラインと対面指導のハイブリッド化が一気に促進され,さらに決められた時間に授業を受けるという学び方だけではなく,オンデマンドで提供される学習材を用いて,自ら計画的に時間設定して学ぶこととの組み合わせが可能となる学び方が一層拡充されるでしょう。そのような変化の中で,将来教員として活躍する人を養成する大学が,どんな力を入学試験で求めるのかについて考えたいと思います。
兵庫教育大学理事・副学長 吉水 裕也
「教育情報誌『NEW Shakalka』第3号の発刊に寄せて」 高校の新教育課程の実施まで、残すところ1年余りとなりました。年明け早々に第1回となる大学入学共通テストの実施が予定されておりますが、つい先日には、新課程における同テストの教科・科目の検討案も報じられたところです。 また現在はコロナ禍によって生活のあらゆる場面で新たなスタイルが求められており、学校教育は今まさに、様々な面で「歴史の転換点」を迎えていると言えます。 今号の「教えて! シャカイカ先生」でも「18歳市民力」について言及しておりますが、これからの社会を担う高校生の充実した学びのために、私どもも教科書を通して少しでも寄与していきたく存じます。
東京書籍(株) 社会編集部
「教育情報誌『NEW Shakalka』第2号の発刊に寄せて」2022年度からの新課程実施に向けた取り組みがますます本格化するはずだった今年度ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で全国的に臨時休校の措置が取られるなど、学校現場は未曾有の事態に追い込まれています。しかし歴史を紐解けば、人類はこれまでにも幾度となく同じような苦難と向き合い、その先に現在の社会を築いてきました。山積する課題に取り組むため、地理歴史科・公民科の学習は、今後さらに重要性を増していくに違いありません。新しいʻ社会科ʼの学びを、これからの時代を担う高校生たちとどのように展開していくか。今起きている事態を見つめつつ、共に考えていければと存じます。
東京書籍(株) 社会編集部
「教育情報誌『NEW Shakalka』の発刊に寄せて」2022年度から実施される新学習指導要領下で,三つの必履修科目が新設される地理歴史科・公民科は,今まさに大きな変革に直面していると言えます。科目構成の再編だけでなく,学習と指導の方法という中身の部分においても,「主体的・ 対話的で深い学び」の実現など,大きな転換が求められます。この新しい冊子は,新課程に関する情報を「短く」「見やすく」「読みやすく」お伝えし,先生方の日々のお授業と数年先に向けたご準備に資することを目指して編集いたしました。高校生たちの数年先数十年先の人生の実りを願いつつ,これからの地理歴史科・公民科のあり方を,共に考えていければと存じます。
東京書籍(株) 社会編集部
「2014年センター試験日本史B」を、日ごろ行っている授業内容に関連させながら、新課程として使用する教科書がどのように対応しているかについて、新課程用「新選日本史B」内容と照合・分析してみました。
秋草学園高等学校教諭 関秀雄
「2015年センター試験日本史B」を、日ごろ行っている授業内容に関連させながら、教科書がどのように対応しているかについて、「新選日本史B」内容と照合・分析してみました。
秋草学園高等学校教諭 関秀雄
世界史A教科書の構成に準じて,一問一答形式の問題を,ワードファイルとPDFファイルで掲載しました。それぞれのファイルは、問題1ページ、解答1ページの2ページ構成になっています。ご指導の中でご活用ください。
東京書籍(株) 社会編集部
生徒用プリント6ページと、解答2ページで構成した授業プリントなどで利用できるワークシートです。「キーワード]高校・中学校・歴史・地理・自習プリント・日本史の重要語句・できごと・人物名・人名などの表記・ひらがな・漢字・全600項目
群馬県明和県央高等学校 石坂雅志
世界史の授業でご使用いただける世界史B,世界史A対応の穴埋め形式のプリント「つくる世界史」です。生徒に出す課題プリントとしてもご利用いただけます。WORD,PDFともにB4判横1ページにまとめられています。
京都府大谷高等学校 熊木哲
高校生を対象として,授業の中身を豊かなものにする読み物,文も平易に記述してあります。かって中国に纏足という風習があった。これは宦官とともに中国の二大奇習であった。宦官は古代ローマでも、ペルシア・インド等の国でも行なわれたが、纏足は中国だけの奇習であった。私は中国に行って街を歩いているとき、纏足の人はいないか、宦官はいないかと注意をして見ていたが、宦官については知ることができなかった。
名古屋市立向陽高等学校 野田隆稔
高校生を対象として,授業の中身を豊かなものにする読み物,文も平易に記述してあります。某大学の校歌に「進取の精神、学の独立」という歌詞がある。進取というのは「進んで事をなすこと。積極的に物事に取り組むこと」という意味である。この言葉の語源は進士を取ることからきている。進士とは科挙に合格した者で、将来の出世が約束されている人のことである。そこから進士を取ることが積極的な男の生き方を意味するようになった。
名古屋市立向陽高等学校 野田隆稔
高校生を対象として,授業の中身を豊かなものにする読み物,文も平易に記述してあります。T.Vドラマで「奥様は魔女」、漫画で「魔法使いサリー」、映画で「魔女の宅急便」などの作品があるように、今でも魔女はしばしば物語の上で登場してくる。今の魔女たちは人間に害を及さない可愛い魔女として描かれているが、グリム描くところの魔女は、あるいはヨーロッパの小説に登場する魔女は悪魔の使いとして、人間に災厄をもたらす者として極悪非道に描かれている。今時、魔女の存在を信じる人はいない。しかし、今から三百年前ぐらいには魔女の存在は信じられ、魔女裁判が行なわれ、多くの無辜の民が魔女として処刑されていった。
名古屋市立向陽高等学校 野田隆稔
高校生を対象として,授業の中身を豊かなものにする読み物,文も平易に記述してあります。宦官とは何か。中国史で必ず登場し、大きな役割を果たした宦官とは何か?宦官の歴史、様々なエピソードを書いてみる。
名古屋市立向陽高等学校 野田隆稔
「詳解歴史総合」(歴総702)令和4~7(2022-2025)年度用教科書の、年間指導計画例です。単元ごとに学習項目、学習のねらい、主な学習活動などを表にまとめました。
東京書籍(株) 社会編集部
「詳解歴史総合」(歴総702)令和4~7(2022-2025)年度用教科書の年間指導計画にもとづく評価規準例です。単元ごとに評価の具体的な内容および学習のねらいを表にまとめました。
東京書籍(株) 社会編集部
ニューサポート高校「社会」vol.25(2016年春号)より。平成29年度改訂では,ネット空間を中心に展開する学問的な蓄積と あまりに隔たった言説が,無視できない力を持つこととなった。こうした時代状況を踏まえ,ナショナリズムをどう捉えるかを全章通じての共通テーマとし,生硬な定義ではない形でその様相を各時代で記述した。
東京都立昭和高等学校教諭 小澤千里
私たちが日本の近現代のうちに「誇りうる歴史」を求めるとするならば,それはどのようなものであろうか。もちろんそれは独善的であってはならず,世界史的にみて評価しうる/されうるだろうことを前提としてである。
千葉大学文学部教授 三宅明正
現在の日本の歴史研究は,大部分の大学や研究機関,また個々の研究者の頭のなかでも,日本史,東洋史,西洋史と三つに分かれて行われている。一方,高校の歴史教育は,日本史と世界史の二本立てであるが,そこでの世界史は,現実には,西洋史と東洋史の組み合わせである。
イスラーム史研究者 後藤明
漢高祖劉邦は,『史記』には「姓劉氏字季」とあるのみである。『漢書』でも「姓劉氏」で,やはり「邦」の字はみられない。『漢紀』に至ってようやく「姓劉氏諱邦字季」とある。なんと生まれてから約400年後に劉邦という名前が完成したのである。東アジア世界・中華帝国の誕生・秦漢帝国。
山形中央高校 加藤亨
唐宋八大家の一,また書家として宋代四大家の一に列せられた蘇軾の年表。東アジア世界の変容・唐帝国の崩壊と東アジア・五代から宋へ。
山形中央高校 加藤亨
北京オリンピックが近づいている。国際大会でいつも気になることは,国名表記である。オリンピックではJAPAN表記であるが,最初に参加したときにはNIPPONであった。いったい,我々が住む国は,NIPPON,JAPAN,どちらなのだろう。近世のヨーロッパ・オランダの繁栄と英仏の追いあげ・イギリスの内乱-ピューリタン革命。
山形中央高校 加藤亨
大学の発祥は,司教座聖堂・修道院の付属学校として始まり,4学部7自由学科は,よく知られているところである。西欧では,12世紀に存在した大学は6大学でイタリアのサレルノ・ボローニャ・レッジョ,フランスのパリ・モンペリエ,イギリスのオックスフォードである。ヨーロッパ世界の成立と変容・中世ヨーロッパ文化・スコラ学と大学。
山形中央高校 加藤亨
歴史の転換点にある現代において,時代の転換を見通す目をいかに子どもたちにつけることができるのか。そのような歴史教育はいかにして可能になるのだろうか。以下では,そのような問題意識の下,同じく時代の転換点にあった戦前において,同じような問題意識を持っていた羽仁五郎の歴史教育論から学び直してみることにしよう。
東京大学准教授 小国喜弘