ロバート フック (Robert Hooke),英国,1635-1703,科学者人物誌―生物。フックは生物学では細胞の発見者として著名である。そして弾性に関するフックの法則の発見者として物理学でもよく知られている。彼が生きた時代はヨーロッパに近代的な自然科学が定着し始めた時代で,まだ物理学・化学・生物学・地学などが分化する以前であったため,一人の人物が天文の研究から物理・化学・生物など,何でも手がけた時代だったのである。その中でもフックはとくに幅広く,いろいろな研究に手を下し,それなりに価値ある成果をあげた人として,目立った存在である。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司