教科の広場
学校には特別な支援を必要とする児童生徒がおり,すべての教職員は特別支援教育の目的や意義,障害に関する知識や配慮などについて理解するとともに,一人一人の障害の状態や特性に応じた配慮や指導の工夫を行っていく必要がある。では,実際の学校においてどのような配慮をしていけばよいのだろうか。 本冊子では,まず学校で教員が出会う具体的な事例,場面を取り上げ,次に子どもたちの声を紹介している。支援・配慮を行うためには,まずその子どもの理解を深めることが大切である。そうした子どもの思いや願いを前提として,合理的配慮等のポイントを示した。また,多くの学校で試行錯誤しながら対応している保護者とのかかわりについても取り上げている。(東研研究報告 No.305)
東京教育研究所
現在,配慮を必要とする児童・生徒への対応が学校教育の中で大きなエネルギーをかける課題の一つとなっている。児童・生徒を支えるためには,保護者を支え,教員を支えていく「インクルーシブ教育システム構築」が必要となる。しかし,現実には配慮を要する児童・生徒への対応に追われ,負担感だけが大きく,指導の充実・改善に結びついていないのが実態ではないだろうか。本書では,各小・中学校が,どのようにシステム構築を推進していくことが良いのか分かりやすく解説するとともに,実践事例を12例挙げ,実践事例では児童生徒のプロフィール,学校の合理的配慮,経過,成果と課題,の流れで構成している。(東研研究報告 No.293)
本冊子は,通常の学級で特別支援教育を推進していくことに焦点を当て,子供への直接的な指導・支援,保護者とのかかわり,校内の連携や関係機関等とのかかわりについて,典型的な事例を通してその対応を紹介しています。また,特別支援教育の基本的な事項や昨今の動向などにも触れています。事例を中心に構成していますが,「これならできるかもしれない」「ちょっと試してみようか」と感じていただけるような取り組みを挙げてみました。(東研研究報告 No. 282)
促音(小さい「っ」)や長音(「ばあ」など),拗音(「しゃ」など)といった特殊音節の読み書きは,つまずく児童が多い学習の一つ。児童にとって学びやすい特殊音節の指導法を実演でご紹介します。 反復練習で経験的に身につけることを期待するだけでは,定着は不安定で,つまずきが高学年まで継続してしまう可能性があります。是非一度,ご覧ください!・監修:国立特別支援教育総合研究所 主任研究員 海津亜希子・指導実演:東京都公立小学校主任教諭 栗原光世 ※データの改変や複製,公衆送信を行うには,東京書籍株式会社並びに著作関係者の許諾が必要です。 ※ご紹介している指導法は,元々,読み書き障害を抱えた児童を支援する指導モデル(「多層指導モデルMIM」)の一環として開発されました。特別な支援を必要とするしないに関わらず...
本冊子は、通常の学級に在籍する特別な配慮を必要とする子供たちへの支援の充実 を図っていくことを目的として、教育委員会ではどのような取り組みが可能なのか、小 学校、中学校ではどのような実践が行われているのかなどを中心として、特別支援教育 にかかわるいくつかの課題を取り上げ紹介しています。 学校や教員が生き生きと取り組んでいくことが、子供たちの意欲につながります。こ の冊子が、各学校などでの取り組みの一助になれば幸いです。(東研研究報告 No. 280)
本書は「学校づくりにおける社会関係資本形成の意義」について探究している(「社会関係資本」とは「人間関係が生み出す力」のこと)。 本研究では、「つながりの力」を「人間関係が生み出す力」と捉え、人間関係を意識した学校づくりの具体例を紹介している。取り上げた5事例は、 ①「人間関係づくりを土台にした学校経営」小学校の教職員、児童、保護者・地域と学校間の人間関係 ②「保・幼・小・中」連携に根ざした11年間にわたる一貫教育 ③「特別支援教育の推進と学校経営」における小学校と大学教員とのつながり ④「教科センター方式」中学校と大学との連携を重視して進められた学校づくり ⑤生徒指導の困難校が見事にたち直っていく際の「さまざまな人とのつながりと広がり」 である。 格差社会・分断社会の進行が不安視される中で...
東研・特別課題51シリーズ(No.273)「小中連携、一貫教育の推進と 生徒指導-地域の教育活動と連携して深める生徒指導-」(2016年2月発行)より。研究テーマ:小中連携教育の利点を積極的に生かした学校教育の実践。小中学校の教科間連携や特別支援教育、また、地域の子ども会活動等と連携すること で可能となった細やかな児童生徒理解など、小中連携教育の利点を積極的に生かした学 校運営を実践している、川崎市立宿河原小学校・稲田小学校・稲田中学校の例。
公立中学校の校長です。人間関係対応能力が低く,発達障害と推測される生徒Aが本校の通常の学級に在籍していました。その生徒は,入学当初から,乱暴な言動のために周囲の生徒とトラブルを頻発させていました。学校では,その度に事実関係を把握し,当事者の生徒たちに具体的な指導を行うとともに,関係保護者にもその都度説明してきました。 そんなある日,特別支援学級の生徒とトラブルを起こし,相手の生徒に手をつかまれて引っ張られた際に,Aが小指を剝離骨折する事態が生じました。そのときは,互いの保護者に事情を説明し,特段の問題とはなりませんでした。そして,徐々にトラブルも減少し,学校生活では活躍がみられるようになり,3年生となった春の体育祭では応援団のリーダーにもなりました。体育祭の終了後は,私に「感動的な体育祭を...
東京教育研究所 教育法規事例研究委員会
今年度は,テーマ「学校風土と校長としてのリーダーシップの発揮」に視点を当てて研究を行った。本書の特色として,序章では「校長としてのリーダーシップ発揮」を学校経営の基本とし,校長は, ①リーダーとしてビジョンを描く ④リーダーとして決断する ②リーダーとして話を聴く ⑤リーダーとして任せる ③リーダーとして話す・語る ⑥リーダーとして前向きに考える の視点で解説している。合わせて序章と第一・第二章の教育実践の視点を関連づけている。 現代学校経営シリーズ 序章に続く第一章の概論「学校風土の構築に向けて」で三つの小学校の教育実践を紹介し,第二章は,「校長としてのリーダーシップの発揮」の具体例として,「特別支援教育」,「キャリア教育」,「校内研究」といった諸課題への対応を...
白梅学園大学大学院教授 無藤隆,東京教育研究所
本誌は,東京書籍が発行する小学校・中学校の教育情報誌です。今回は,インクルーシブ教育システムについて特集しました。弊社でも,特別支援教育の研究成果や,ユニバーサルデザインの観点を取り入れた教科書紙面作りに取り組んでおりますが,必然的に「誰にでも分かりやすい」紙面を追求することとなり,教科書や授業というものの原点を見つめ直す機会にもなっています。また,座談会では「科学の甲子園ジュニア」をテーマとしました。競技の形態をとっているからこそのワクワク感や感動,そして本来の目的である教育的効果がしっかりと感じられるイベントとなったようです。そのほか,教育界の動向や最新の教科情報をまとめました。
東京書籍(株) 編集局