教科の広場
本稿は,東京書籍『数学B Advanced』(令和5年度発行)で発展として扱ってある「3項間の漸化式」をさらに発展させた「4項間の漸化式」の一般項の求め方について,3次方程式の解と係数の関係を意識させ,等比数列に還元して求めるという求め方の基本を理解させる一考察である。
山口県立徳山高等学校 西元教善
今回提案させていただく教材は、地域の資源を活用した上で、数学と社会科の内容を両方とも含有する教材である。とりわけ、地理は数学と強い結びつきがある。中学校地理および高校地理で必ず扱うといっても過言ではない、国土地理院が発行している地図データを用いた数学の教材を提案する。
北海道網走あばしり桂陽けいよう高等学校 阿部卓朗
1年生の授業の図形と計量の単元において「正弦定理・余弦定理」を指導する機会があった。教科書では定理そのものを習いたてのこともあり、定番の問題を用いた演習を繰り返し行った。正弦定理と余弦定理の使い分けについての指導程度でこの単元の授業は終了した。そこでまさに「正弦定理」「余弦定理」のみの問題だけでなく、「円周角の定理」や「方べきの定理」などを活用できる総合的な図形の問題の作問に挑戦した。
栃木県立栃木・佐野高等学校 非常勤講師 宇賀神 忠靖
東京書籍『数学Ⅲ Advanced』(令和5年度発行)p.118 例題10 の解法には、2つの意味がある。1つは導関数(第1次,第2次)が求めやすくなること,もう1つは漸近線の方程式が求められることである。生徒からの質問をきっかけに曲線y=xa/x-2(α=-1,0,1/2,1,3)の概形について考察してみた。
教科書の例題の中には,学習内容の先取り説明として,あるいは後日に学習する内容の問題として再活用できるものが少なくない。1つの問題を多角的に深く考察させることには学習効果がある。本稿ではそのような問題として,東京書籍『数学Ⅲ Advanced』(平成30年度版)p.175の例題6を考察してみる。
数学Ⅱの図形と方程式の問題で、円上の点と定直線の点の距離の最大値と最小値を求める際、周知の図形の性質を使うものの混乱して行き詰まる生徒が少なくない。ここで問題となるのは、数学A「図形の性質」で学習した数学的事実をその証明を含め深く理解できているかどうかという点である。本稿では、筆者が実際に授業で取り扱った問題を引いて、本来どう指導すべきであったかを考察してみたい。
2010年本サイトで、「座標」を用いてメネラウスの定理を、「ベクトル」を用いてチェバ・メネラウスの定理をそれぞれ証明するという内容の投稿を行ったことがある。これらに引き続き、本稿では「座標」を用いてチェバの定理を証明してみたい。
同じ問題であっても、異なった分野の内容を使って解いたり証明したりできることがある。特に図形の場合は、数学A「図形の性質」と数学Ⅱ「図形と式」、つまり初等幾何あるいは解析幾何として解く(証明する)ことができる。例えば、問題の分野の出自を明かさず「大小2つの円が交わっているとき、2つの円の共通接線の2つの接点をA、Bとする。このとき、2つの円の共通弦の延長線は線分を2等分することを証明せよ。」という問題を生徒に与えたら、生徒はどのように取り組むであろうか。本稿で考察してみたい。
以前も述べた通り、問題集の解答編は紙面の都合もあり、かなり圧縮して書かれている場合がある。また、解答編はあくまでも解答例であり、もっとわかりやすい別解が存在していることもある。本稿では、解答編に記載されている解答がわかりにくいと言った生徒に別解を提示したところ、「説明がよくわかった」と評価された解答、さらにその問題を一般化した問題・解答をお示ししたい。
nCr、nPr、nrは、それぞれ異なるn個のものを取り出す組合せ・順列・重複順列の個数である。本稿では、n個の中の特定の1個に着目して場合の数を求め、式に表してみたい。