"[Essay 海外便り ~from Brisbane~]海の向こうの学校で
青年海外協力隊員・音楽教員 奥野歩
英語-教室の窓Vol.9
東京書籍 2007年1月発行
[本文より]
私は今,中米のベリーズという国で音楽を教えています。JICA(国際協力機構)の事業の1つである青年海外協力隊員として派遣されています。「ベリーズ」と聞いても,ほとんどの日本人が首を傾げることでしょう。無理もありません。イギリスから1981年に支配を免れた,独立して間もない国なのです。グアテマラの東,メキシコの南に位置する四国ほどの大きさしかないこの国は,イギリス統治の影響で中米では唯一,公用語が英語ということも大きな特徴です。私の住んでいる街は,ベリーズの西に位置するサン・イグナシオ市。人口8,000人のこぢんまりとした小さな街です。住民のほとんどはメスチソ*,そして隣国グアテマラまで車で20分と国境近くなので,公用語の英語よりもスペイン語のほうが通じやすいところです。
青年海外協力隊員/音楽教員 奥野 歩