アルキメデス(物理学者)
東京書籍作成
Archimedes
イタリア,前287-前212
科学者人物誌―物理
東京書籍2003年6月作成
ヘレニズム時代の数学者・技術者。現在のイタリアのシチリア島のギリシャ人植民地シラクサに生まれる。父親は天文学者であった。当時の学問の中心であったエジプトのアレクサンドリアで数学を学んだ。後にシラクサに戻り,当地の王家と関わりを持ったことがアルキメデスの著作からわかる(王家と親戚であったとも言われる)。同時代には数学者としてよりは技術者として知られ,第2ポエニ戦争でのローマ軍によるシラクサ包囲の際,アルキメデスの軍事機械が活躍したことが記録に残っている。結局その戦争はローマの勝利に終わり,ローマの将軍マルケッルスは兵士を派遣してアルキメデスを呼び寄せようとしたが,誤ってその兵士がアルキメデスを殺してしまった。一説に,兵士が,研究中のアルキメデスの邪魔をしたために叱責され,それに腹を立てて殺害した,と言われている。
東京大学大学院総合文化研究科講師 岡本拓司