将来の夢は「石ころ」――。高校の卒業アルバムに書いた言葉を問われ、彼はそう答えた。「ろくなことがないだろうということです」。45歳となったいまの自分についても「生きているべきでは...
2026年1月22日
「冬が来た」と題した詩を、高村光太郎が編んでいる。それは〈きつぱりと冬が来た〉と始まる。〈八つ手の白い花も消え/公孫樹の木も箒になつた〉。ご存じの方も多いだろう。あの有名な詩〈僕...
2026年1月21日
論語を読む。はるか遠い昔に生きた孔子の言葉なのに、どうしてか、いまの世にも通じる何かを感じる。時空を超え、人とは所詮(しょせん)、似たような愚行を繰り返すものなのか。天命を知り、...
2026年1月20日
「常識」とはやっかいな概念である。むやみに常識を振りかざす人とは、建設的な議論がしにくい。「これは常識だから」と言われると、そこで止まってしまう。あなたは非常識で思慮分別がない人...
2026年1月19日
アイルランド出身のノーベル賞作家、サミュエル・ベケットは、晩年に書いた散文作品で印象的な言葉を残した。「やってみたか。失敗したか。かまわない。もう一度やってみよ。もう一度失敗せよ...
2026年1月18日
あの夜、現地に入って最初に向かったのは、確か火災の取材だった。1995年1月17日。あやしいオレンジの炎を噴き上げ、家がまるごと燃えていた。近づくのを遮る警察官も消防士もいない。...
2026年1月17日
〈ラムネびん煌(きら)めく花火をビー玉にとじこめたくてびんかたむける〉中1十和田美波(とわだみなみ)。青春の一コマを三十一文字(みそひともじ)の中に凝縮させた「現代学生百人一首」...
2026年1月16日
YESにあたる返事を、お隣の韓国の言葉では「ネー」と言う。そう習った詩人の茨木のり子さんはびっくりした。母方のふるさと、山形県庄内地方で何度も耳にしたのと「まったく同一だったから...
2026年1月15日
ついたあだ名は「番組つぶしの久米」。TBSの新人アナウンサーだった久米宏さんが関わると、なぜか番組は終わってしまう。ラジオの生放送では、緊張で舌がもつれてしゃべれない▼その人が、...
2026年1月14日
結末で明かされる犯人に目をむく。慌てて初めの方をめくり返し、巧妙な伏線が張られていたことに驚嘆する。推理小説の醍醐味(だいごみ)だ。「意外な犯人」のパターンは無数に考案されてきた...
2026年1月13日