アフガニスタンで人道支援を続けた中村哲(てつ)さんが銃撃されて亡くなってから、あすで5年になる。22年前に初めて会ったとき、「途上国のあらゆる悩みが集まったのがアフガンです」と言...
2024年12月3日
牛を飼ってもいないし、ブドウを作ってもいない。なのに私たちがステーキやワインにありつけるのは、肉屋や酒屋の善意のおかげではなく、それぞれが利益を追求した結果だ。「見えざる手」を説...
2024年12月2日
かつて東京・浅草の近隣では紙すきが盛んだった。細かくちぎった原料を冷たい水にさらしておく。その間、職人たちは近くの吉原へ行った。とは言っても、店の外から遊女を眺めるだけ。「冷やか...
2024年12月1日
政治家にとって、握手は大事な商売道具である。信じがたいほどの数をこなす人も過去にはいたようで、20世紀初頭の米大統領セオドア・ルーズベルトは1日で8513人と握手したとされる。国...
2024年11月30日
金曜日といえば、「太陽にほえろ!」という時代があった。言わずもがなだが、あの刑事ドラマである。1972年から86年まで718回続き、最盛期には視聴率40%を記録した。当時の子ども...
2024年11月29日
彼と会ったのは、いつだったか。手元のメモ帳を見ると、4年前、2020年の12月の日付が記されている。区諾軒(アウノックヒン)さん。あのときはまだ33歳で、香港から来日し、東京大学...
2024年11月28日
四国・高松市の川根由美子さん(67)が、どっしり重い段ボール箱を受け取ったのは今年2月だった。中身は200冊の本。初めて自費出版した彼女の小説である。最初は少し、怖かったそうだ。...
2024年11月27日
真夜中の午前3時のことだ。電話が鳴った。眠りから覚まされ、受話器を取ると、部下の声が響いた。「米国に向け、ソ連から220発のミサイルが発射されました」。反撃すべきかどうか。すぐに...
2024年11月26日
何歳までが禁止対象になるのか。もうオンラインゲームもできないのか。2カ月前にオーストラリア政府が「SNS禁止法案」の成立を目指すと表明してから、子どもたちは戦々恐々だったらしい。...
2024年11月25日
織物の魅力に引き込まれてから、四半世紀になる。赴任先のフィリピンで、パイナップルの葉の繊維を使った「ピーニャ」と呼ばれる布の織り手を訪ねたのがきっかけだった。半透明でふわりと軽い...
2024年11月24日