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新しい国語 2(日本語の調べ)落葉松 (北原白秋)

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  • 名文章に思うこと
    2003年05月14日
    • 国語
    • エッセイ
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    名文章に思うこと

    東京書籍2003年5月作成昔,国語の時間に詩を暗誦〈あんしょう〉させられた。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」,高村光太郎の「千鳥と遊ぶ智恵子」などである。北原白秋の「落葉松〈からまつ〉も覚えているので,教室で何度も読みあげさせられたのだろう。よく考えてみれば(よく考えなくても),教室以外のところで覚えたはずの詩はみなうろ覚えである。三好達治の「甃〈いし〉の上」や中野重治の「しらなみ」は完璧に覚えているのに(これらは短い!),私の好きなはずの中野重治の「雨の降る品川駅」は,李と金ともう一人の金(李だったか?)の順番がよくわからなくなるし,三好達治の「牛島古藤歌」は「何をうしじま千とせ藤/はんなりはんなり」のリフレインしか出てこない。暗誦や暗記は肉体的訓練であり,頭脳労働とは少し違っていることを実感せざるをえないのである。

    法政大学教授,文芸評論家 川村湊

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