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学びの実感をもたせる国語科授業づくり─個別最適な学びと協働的な学びの充実を目指して─(特別課題シリーズ 114)2023年3月発行より。本実践では、「対話」をキーワードとして授業展開を行った。「対話的な学び」は「他者との対話」「作者との対話」の活性化を図ることが重要であると指摘している。「他者との対話」では、児童一人一人がお互いの知っている知識や考え方の共通点や相違点を明確にしながら対話をすること、そして「作者との対話」では、児童が、教科書や本に書いてある内容を自分の経験と結び付けて考え、自分自身と対話することが大切だと考える。本実践では、『海のいのち』という物語の内容を、自分自身の生活経験や知識につなげて考え、自分の言葉で表現することで「個別最適な学び」を展開し、そして、個人の考えを表現するために「対話」を取り入れていくことで、必然的に「協働的な学び」へとつなげていくことを中心とした。
東京教育研究所
(仙台発)新しい国語 役立つ評価事例集(2021年10月作成)より。学習経験や読書経験を振り返って学習課題を確かめ、学習の見通しを持って、粘り強く文章を読んで理解したことに基づいて自分の考えをまとめ、伝え合おうとしている。
仙台発「新しい国語」役立つ評価事例集 編集委員会
「新しい国語 役立つ評価事例集」(2021年10月)より。物語が自分に最も強く語りかけてきたことを考え、考えたことを文章にまとめることができる。物語を読み、考えたことを伝え合う。
東京書籍(株) 国語編集部
「育成する資質・能力を明確にした国語科授業づくり─児童に学びの実感をもたせるために─」(特別課題シリーズ99)2021年4月発行より。育成する資質・能力の中心を「文章を読んで理解したことに基づいて,自分の考えをまとめること」に焦点化し,自己決定とフィードバックを大切にすることで,児童が自身の変容を自覚し,学びをつくることができるようにする実践。
東京教育研究所
国語科における 「主体的・対話的で深い学び」(東研・特別課題シリーズ 70)2018年4月作成より。なぜ、太一は、瀬の主を殺さないのか。この作品の大きな謎である。授業で は、各登場人物の生き方や人物に対する太一の心情を明らかにし、その学びを 生かして、太一が瀬の主を殺さない理由を広く深く考え合うことを目指した。
東京教育研究所
「思考スキル」を育む実践プラン集(新学習指導要領に向けて)(2017年10月)より。物事のゴールを明らかにしてから,そのゴールに至る道筋を考えるとい う思考は,課題解決に向けてとても大切です。物語の山場では,登場人物の生き方や考え方が大きく変化します。それ は,人物に影響を与えるものと向き合う場面だからです。その山場の変化 を先に読んで「なぜ,そのような変化が起こったのか」という課題を持っ て物語を読む学び方があります。ゴールである山場の変化を学習後,設定 部分の人物像がどのように変化していくかを読み取ります。本単元では,最初に山場部分を捉えることで,「ゴールから考える力」 を身に付ける学習を行います。
東京書籍(株) 国語編集部
『「確かな表現力」を育てる指導の探究』東研研究報告No.3(2014年1月)より。「海のいのち」という基本教材でのミニ読書会,座談会,「立松和平のいのちシリーズ」の読書会という段階を踏まえた言語活動の場を設定した単元構成の工夫を通して,度分の思いや考えを豊かに表現できる児童を育成しようとした実践である。
広島県廿日市市立大野東小学校 曽根芳子
国語科教育では,言語力育成の基盤を担う教科として,生きて働く言語の力を身に付けさせるこ とが求められている。そのために,言語活動を充実させていくことが重要となる。相手の立場や考 えを受けて返す双方向の言語活動を通して,思考・判断・表現する力をはぐくんでいくことが大切 であり,そこには,相手の思いを察し,考えを理解するコミュニケーションの力が欠かせない。本校国語科部では,対話状況をつかみ,友達とやりとりをしながら自らの考 えを深める子どもを育てたいと考え,本目標を設定し,実践に取り組んできた。
佐賀県佐賀市立本庄小学校 廣瀧由紀子
「海のいのち」(『新しい国語 六下』 東京書籍)に託した思いを,立松和平は次のように述べている。「自然と向き合い,自然の恵みにつねに感謝を忘れず,祈るような気持ちで生きている人の物語を書きたかった。」これに寄せられた異論を視野にいれながら,「海のいのち」に即して教材研究を試みたい。
高知大学教育学部教授 渡辺春美
「伝え合い」を“出し合い”に終わらせないためには,相手の話を「受けて返す」(応じる)力を身に付けなければならない。応じ方は文脈によってさまざまだが,その中心に位置づくのは紛れもなく「き(聴・訊)く」である。「海の命」(立松和平)の授業を例に述べる。
前お茶の水女子大学教授 村松賢一
国語の学習を楽しく~対話ゲームから多面的な思考力や豊かな想像力,言語感覚を養う~。本稿は,物語文教材「海のいのち」で,多面的な思考力や豊かな創造力,言語感覚を養う「対話ゲーム」を取り入れた実践例である。
香川県 国語と他教科の関連を図る研究グループ
[本文より]太一は,父のかたきを討つために,瀬の主を追い求めてきたわけではない。「海のいのち」は,父を殺された息子が一人前になり,かたきと対決するという成長=復讐譚ではないのである。このことを肝に銘じておかないと,いたずらな混乱に陥りかねない。なぜなら,この小説のクライマックスシーンで太一が出会った瀬の主は,ほんとうに父を破った瀬の主なのかという疑問が,読者の胸の内に必ずや生じるからである。太一は父の最期を仲間の漁師から聞かされただけで,瀬の主を直接に見たことがない。事故からもそうとうの年月がたっている。彼が出会った瀬の主に,父のもりの付けた傷跡が残っていたわけでもない。なにより「これが自分の追い求めてきたまぼろしの魚,村一番のもぐり漁師だった父を破った瀬の主なのかもしれない」というように太一自身,確信を持てないことが明示されているのである。
弘前大学教育学部国語教育講座准教授 山本欣司
徳島県三加茂町立三庄小学校の国語教育実践紹介です。【研究主題】生きる力が育つ国語科授業の創造-主体的・自覚的にことばを学ぶ子どもを育てる学習指導と評価-。表現の細部に注意して読むことができるように,一つ一つのことばの意味をとらえさせ,常に前の表現を振り返り,読みを深めさせていきたい。そして,この作品の主題である「いのち」について,叙述に根拠を置いた考えをもち,それぞれの気づきを認め合い,学び合うことができるようにしたいと考える。
徳島県三加茂町立三庄小学校
東研情報 教室の窓 小学校71 国語(東京書籍2002年9月発行)より。1年間に扱う数ある教材の特性を一つ一つ吟味し,「この教材だからこそ経験させたい読み方・つけられる力」を思い切って限定し,読書の働きを内蔵した単元構想を提案したいと考える。
東京都文京区立明化小学校 八戸理恵
「海のいのち」を朗読したカセットテープに,作品から学んだことを書いた文集を添えてカセットブックをつくるという活動を通して,朗読を工夫しながら読み味わったり,読むことと書くことの関連を図りながら読み深めたりする。さまざまな書く活動の中から自分に合った方法を選んで表現することによって,互いに学び合い,子どもたち一人ひとりが存在感を持って意欲的に取り組めるようにする。
東京書籍(株) 国語編集部
小学国語 指導のヒント「複式国語科指導案」(2023年11月)より。本時は、5・6年生とも物語の学習の導入の時間である。この学習は、5年「世界でいちばんやかましい音」6年「風切るつばさ」の学習でもおこなっておくことが可能である。物語を学習材とする授業においてくり返しおこなうことで、学習の仕方を定着させていくことができる。物語を学習材とする授業での準備として、5・6 年生が一緒に学ぶ時間とする。
高知大学教育学部附属小学校 田中元康
小学国語 指導のヒント「複式国語科指導案」(2023年11月)より。本時は、5年「注文の多い料理店」6年「海のいのち」の学習の2時間目である。5・6年生とも、前時で本文をおおまかに読み、意味調べをして物語を学習する準備をしているという状況である。本時の目標は、5年生は、「注文の多い料理店」の最初と最後の場面を比べて、変化を見つけ、作品の特徴について考えることである。また、6年生は「海のいのち」の中心人物の変化を読み、一文でまとめる活動を通して、その変化をもとに、物語の全体の流れについて考えることである。5・6年生とも変化を見つけて、解説文を書く(5年)ことや感想をまとめる(6年)ことの準備をしていく。
高知大学教育学部附属小学校 田中元康
『確かな言葉の力を育む授業づくり~学びの「つながり」で保障する言葉の力~』(2013年10月発行)より。①その学年でつけたい言葉の力の確かな保障ができるように教材を配置する,②その教材でつけたい言葉の力を一つに絞って簡潔に示す,③つけたい言葉の力の関連を明確にして,既習教材とのつながりを明らかにする,④言葉の力の他教科へのひろがりを促す,⑤日本の伝統文化,言葉の役割,機能への意識を重視する,について述べる。
東京書籍(株) 国語編集部
『「確かな表現力」を育てる指導の探究』東研研究報告No.3(2014年1月)より。古典にふれ,読み方を教材文「枕草子」で習得させ,その力を活用して自分も季節の素晴らしさを紹介するミニ古文を創作するという言語活動の場を設定した。
広島県広島市立長束小学校 新宅祐子
教室の窓「小学校・中学校 教育情報」Vol.37 2012年9月号より。小学校から中学校までの古典学習のカリキュラムをどのように構想し,学習指導を展開するかが,これからの課題になる。本稿では,この課題に応えるために,いくつかの視点を提供していきたい。
千葉大学教授 寺井正憲
2024~2027(令和6~9)年度用小学校教科書「新編 新しい国語」に準拠。先生が語る!「新編 新しい国語」(5)。令和6年度版「新編 新しい国語」の編集に携わった先生方が、新教科書の内容について動画でご紹介いたします。「次」を見据えて編集された教科書の特長から、日々の授業のヒントを見つけていただければ幸いです。第5回は、国士舘大学の山室和也(やまむろかずや)先生です。どうぞご覧ください!
国士舘大学教授 山室和也