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確率はその事象の場合の数と起こりうるすべての場合の数の商として求めるので,場合の数が求められることが前提になります。場合の数を求めるために順列nPrや組合せnCrなどの便利な計算法を学びますが,それをいかに運用するかが問題です。つまり,それらを使って求められるような事前分析力が必要です。また,得られた結果から別の求め方がひらめくこともあります。本稿では,京大の入試問題からある組合せの問題についてそのような考察を行いました。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
「n個からk個取る組合せが何通りあるのかを求めるときはk!で割る」という作業は、生徒は良く覚えています。しかし「なぜそのようにするのか」をしっかり説明できる生徒は多くはなく、理由も考えず暗記している生徒が少なくないのは、その必然性を生徒自身が納得していないからだと考えます。組合せの計算においては、数の多い順列をまず考え、その後k!で割るという手間をかけています。なぜそんな面倒な手続きをする必要があるのでしょうか。この作業の必然性を理解させることが大切です。そのため私は「重複度」という言葉を用い、組合せを教える前から、登場させ、その共通性を考えさせるように心がけています。
東京都渋谷教育学園渋谷高等学校 小嶋裕之
数学 A の「確率」の分野から「期待値」は姿を消し,数学 C の学習内容であった「条件つき確率」が数学 A で取り扱われることとなりました。概念的に決してわかりやすいものとは言えません。具体例を通してイメージを膨らませることで,理解を深めさせたいものです。
東京都立戸山高等学校 志村賢一
今回の学習指導要領の改訂では、「教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行わなければならない」(教育基本法第6条第2 項) ことや、「主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない」(学校教育法第30 条第2 項) ことを踏まえ、生徒の学習意欲の向上を重視しています。そのような授業は、教師が意図的に数学的活動を導き、生徒とともに実現していきます。その過程では、いろいろな工夫が必要ですが、今回は、生徒の主体的な活動につながる「学習意欲を向上させるための問題設定の工夫」に焦点を絞り、確率の単元から、4 点ばかり挙げてみます。
神奈川県立総合教育センター 持丸裕一
「(高校数学Ⅰ・A)課題学習指導実践記録集」東京書籍2013年7月より。学園祭の参加型展示企画で,多くのクラスが輪投げに取り組んでいたことから「輪投げ」を題材として課題を設定することにした。「輪の数や棒の数を変化させるなどの工夫をして,場合の数に関する問題を生徒が作成し,その作成した問題と解法や作成背景等について発表する」という授業を行った。
岡山県岡山操山高等学校