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数学Ⅱの方程式の「剰余の定理」では,整式P(x)を,2つの1次式x-α,x-β(α≠β)で割ったときの余りをそれぞれa, bとするとき,その2つの1次式の積(x-α)(x-β)で割ったときの余りを求める問題を扱います。1次式の積は2次式で,それで割ったときの余りは1次以下の整式であることから,それをcx+dとおき,また商をQ(x)とおくと,P(x)= (x-α)(x-β)Q(x)+cx+dと表せます。また,剰余の定理によりP(α)=a,P(β)=bであることから,c,dについての連立方程式cα+d=a,cβ+d=bを得て,これをc,dについて解くことで余りが求められます。 教科書の例題ではこのようなことが扱われているので,整式P(x)をx-α,(x-β)2(α≠β)で割ったときの余りがそれぞれa,bx+cであるとき,P(x)を(x-α)(x-β)2で割った余りを求めるときにも,余りが2次以下の整式になることからpx2+qx+rとおいて求めようとするのは極めて当然の流れですが,それではp,q, rの値は定まりません。本稿では,一般に整式P(x)をx-α,(x-β)n(α≠β,nは自然数)で割ったときの余りが与えられているとき,P(x)を(x-α)(x-β)nで割ったときの余りを求めることを生徒にわかりやすく指導することを考察しました。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
数学Ⅰではたすき掛けによる2次式の因数分解を扱い,数学Ⅱでは因数定理と組立除法による3次式の因数分解を扱う。中学校での2次式の因数分解は2次の係数が1であるモニックの因数分解で,これは足して1次の係数,掛けて定数項になる2数を見つけることでできる。モニックではない2次式の因数分解の場合はたすき掛けや2次方程式の解を用いて因数分解する。数学が苦手な生徒の中には,中学校では2次式(モニック)を「足して1次の係数,かけて定数項になる2数を見つける」ことで因数分解し,高校では数学Ⅰでモニック以外の2次式は「たすき掛け」で因数分解することがようやくできるようになったかと思えば,因数定理から因数を見つけるという方法になり,戸惑うことがある。いつまでも同様な方法では限度があり,それを打破する画期的な方法を理解して使えるようにならなければならないが,そこに至れない生徒もいる。そこで,これまでの方法を踏襲する方法を補助的に扱わせてみればどうであろうかという思いが湧いてきて考察を行い,「たすき掛け」ならぬ「三角掛け」という3次式(モニック)を因数分解する方法を考案したので紹介したい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら→https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/login/newenter.php?wurl=/detail/40776/
山口県立高森高等学校 西元教善
3次式の因数分解は,3次式の因数分解の公式が使える場合にはそれを使い,一般には因数定理で1次の因数を見つけ,それで3次式を割って(組立除法を使えば簡単にできる)残りの2次の因数を求め,さらに整数の範囲で因数分解できるときはそれを因数分解してそれらの積の形で求めるというものである。2次式の因数分解は整数の範囲で因数分解できるものであれば「たすき掛けの方法」で因数分解するが,3次式の因数分解の場合もこれに似た方法で,つまりたすき掛けの拡張で因数分解できないだろうか。本稿では,たすき掛けの拡張で3次式の因数分解を考察したい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら→https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/login/newenter.php?wurl=/detail/40776/
山口県立高森高等学校 西元教善
数学Ⅱで「剰余の定理」を扱う。その応用として,ある整式 P(x)を異なる2つの1次式 x-α,x-βで割ったときの余りが与えられているとき,2次式(x-α)(x-β)で割ったときの余りを求める問題がある。しかし,そこで得られた余りについてその意味を考えさせることはなく,求められたらそれでよいということであるが,一体どのような意味を持つのかについて考察してみる。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら→https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/login/newenter.php?wurl=/detail/40776/
山口県立高森高等学校 西元教善
「よくわかる! 小・中・高 算数・数学のつながり」(2013年10月発行)より。教科書から抜粋した紙面を通して「どの学年で」「どんな内容を」「どのように学んでいるか」が概観できるようになっております。学習内容のつながりや扱いなどの概要の説明,学習段階・学習内容の一覧,学習内容に関する教科書紙面,学習内容に関する留意点(児童,生徒の実態,取り扱い上の配慮)などで構成。
東京書籍(株) 算数・数学編集部
「高等学校数学実践事例集」より。(1) 剰余の定理,因数定理,(2) 因数定理から因数分解,(3) 解の公式,(4) 倍数と約数,(6)最大公約数,最小公倍数。この資料は,高校数学の教科書で取り扱う内容に関して,いろいろな角度から解説をしたものです。それらは,導入例や,参考になる先生方へのコメント,中学校の復習,発展的内容,教科書で扱っている内容の背景などを集めたものです。各内容は1ページにまとまっています。
稲永善数