教科書の単元から資料を探すページです。
ニューサポート高校「理科」vol.38(2022年秋号)特集:新課程授業実践~理科の教室から~より。2022年度から本校に「地学基礎」(2単位)が新設された。前身の「地球科学」(1単位)としての学校設置科目が、学習指導要領改訂を機に格上げされた。これにより本校では、物化生地の基礎科目が必修となった。日本の現状を考えても珍しい改定で、充実した理科カリキュラムへと変貌したと自負している。
慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部教諭 竹田大樹
ニューサポート高校「理科」vol.39(2023年春号)特集:熱化学の指導/実験を通して見いだす力を育む授業設計、より。東京学芸大学附属高等学校では、1年次に必修で地学基礎(2単位)を設置している。今までも実験・観察を重視した授業を行ってきた。その姿勢は新課程になっても変わっていない。新課程1年目の2学期末までに、表1に示した実験・観察を行ってきた。表1には、学習指導要領に示されている資質・能力を育むために重視する探究の過程と、育成を目指す資質・能力の三つの柱について、いずれに該当するかをあわせて示した。ここでは本校地学科での実験・観察を中心にした授業のようすを3つ紹介する。
元東京学芸大学附属高等学校 田中義洋
ニューサポート高校「数学」vol.12 特集:【新連載】“ドキッ”とする生徒からの質問集(2009年秋号)より。国際地学オリンピックは,高校生を対象に地学に関する知識を競う国際的なコンペティションである。国際地学オリンピックでは,筆記試験や実技試験を通して,各国から派遣された高校生(1国4名)が総得点によって,金,銀,銅メダルを獲得する。
NPO法人地学オリンピック日本委員会理事) 久田健一郎(ステータス:筑波大学准教授
ニューサポート高校「理科」vol.18 特集:新課程が始まって半年(2012年秋号)より。新カリキュラム「地学基礎」の実施から約半年が経過する。本校でも地学基礎においてどのような内容を,どのような進度と深度で取り組めば,より有意義なものになるか授業を進めながら模索しているところである。
東京学芸大学附属高等学校 齋藤洋輔
ニューサポート高校「理科」vol.31(2019年春号)より。理科における共通テスト導入の意義は,科学的な探究の過程を重視することにあるようだ が,平成30年度試行調査の「地学基礎」では 探究過程全体を貫いた問題は見られなかった。 調査結果で目立ったのは正答率が比較的低い,あるいは新傾向の特徴が顕著な問題である。これらを取り上げて簡単に問題の分析をしよう。
秋田大学教育文化学部教授 川村教一
ニューサポート高校「理科」vol.32(2019年秋号)より。筆者は,常々生徒に「この世で最も楽しい学問は地学だ」と豪語しつつ,生徒たちに地学の楽しさを伝え,「気が付いていたら考えていた,楽しく学んでいた」,という状態を作れるように日々試行錯誤を重ねている。生徒達が楽しく学ぶことで,学習内容についてより深く思考・判断し,それについて話し合ったことを表現するようになるはずである。本稿はそれを受けた実践を紹介したものである。改善点はまだまだ残されているが,少しでも諸先生方の授業の参考にしていただけたら幸いである。
市立札幌藻岩高等学校教諭 成田敦史
ニューサポート高校「理科」vol.37(2022年春号)より。1995 年、スイスのミッシェル・マイヨール博士らが、ぺガスス座51番星を回る太陽系外惑星を発見しました。この成果は 2019年のノーベル物理学受賞等で称えられています。それまでも恒星の周りに惑星があることは予想されていたとは言え、系外惑星を観測して見つけ出すことが出来る時代となりました。2009~18年に稼働したアメリカ航空宇宙局(NASA)のケプラー宇宙望遠鏡の活躍もあり、現在約5千個の系外惑星が確認されています。
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台天文情報センター 縣秀彦
ニューサポート高校「理科」vol.22(2014年秋号)より。地学基礎では,「なぜ」の部分にはあまり触れていない印象がある。2単位であるため,1時間を想定した実習帳の実習は数多くはできない。しかし,実習の一部を実施したり,短時間でできる効果的な演示を多く取り入れたりすることで,「なぜ」の部分を確かめながら学習を進めることは十分に可能である。例として,1学期前半に行った天文分野の授業展開と取り入れた実習・演示を紹介する。
埼玉県立浦和東高等学校 飯田和明
ニューサポート高校「理科」vol.31(2019年春号)より。前号に続き,学習指導要領の改訂の概要とし て,今号では「地学基礎」「地学」「科学と人間 生活」をお伝えする。
東京書籍(株)理科編集部
私は地学が専門ということになっているのですが,本校では地学の開講単位数があまり多くないので,他の科目の授業も受け持たねばなりません。教員構成の関係で生物か化学の授業を担当することが多いのですが,専門外であってもさほどストレスを感じることはありません。それは,何年かのブランクがあっても,採用している教科書が変わっていても,「1年間にやるべきこと」の予測がつくからです。
滋賀県立水口東高等学校 田村幹夫
東書教育シリーズ中学校理科「先生,モノグリセリドって何?」-教科書記述の変更点-(2012年10月発行)より。教科書で学ぶ「大地の変化」を実感するためにも,露頭の野外観察を積極的に実施していただきたいのですが,身近に露頭がない,準備が大変,安全面が心配といった理由で,実際に野外観察を行うのはなかなか難しいのではないでしょうか。そのようなときには,身近にジオパークを探し,活用してみてください。
東京書籍(株) 理科編集部
ニューサポート高校「理科」vol.40(2023年秋号)「特集:『水』をテーマに理科に触れる」より。水の密度は4°Cで最大になる。そして、水は氷になると体積が増加する。氷の密度は水より小さく、氷は水に浮く。水の様々な特異性は、地学分野でとても重要な役割を担っている。もしも氷が水に沈んだら、どうなるだろう? 「浮く氷」と「沈む氷」の実験を紹介する。
桜美林大学リベラルアーツ学群 坪田幸政
ニューサポート高校「教育情報」vol.35(2024年春号)より。本校は『豊かな創造力を生み出す開智教育』として開校当初から探究を続けており、今年で開校 28 年目を迎えた。これは本校の名誉学園長である大村智氏(2015 年ノーベル生理学・医学賞受賞)の教育理念を学校の目標として体現したものである。長年にわたる試行錯誤の中で形成されてきた探究が深まるための要点について、私なりの解釈を踏まえて紹介する。学校全体の探究を発展させていくためのアイディアの一つに加えていただけると幸いである。
開智中学・高等学校探究テーマ室長 久保智
ニューサポート高校「理科」vol.37(2022年春号)より。教室の学びをきっかけに、実社会に影響を与える行動がおき、その結果、持続可能な社会を創造する行動が生まれていくような教育をデザインはできないだろうか。教室の学びにおいて、教科書や資料集にある「情報」に、解釈が伴えば「知識」という横軸が形成され、ここに、教科横断という縦軸が加われば、各教科の学びが手段化し、さらには、時間や歴史という時間軸が加わることで教科書の学びが未来創造につながるのではないだろうか。
一般社団法人Think the Earth 山藤旅聞
本データは,最新の地図情報のもとに、高画質・高品質で作成しています。教材プリント作成やワークシート作成などで,自由に加工・編集してご利用いただけます。最新「世界と日本の白地図」は,(1)<世界全図>編,(2)<世界:大陸,州規模>編,(3)<世界:国規模>編,(4)<日本:周辺,地方別>編,(5)<日本:都道府県>編の5編で構成され,全256図あります。(2021年11月版)
東京書籍(株) 社会編集部
[2012年度~2016年度使用]高等学校理科基礎シリーズ教科書では,教師用指導資料付属のDVD-ROMに,映像・アニメーション等の動画資料を収録しています。この資料は,動画資料の一部をご覧いただくためのサンプル集です。製品版の動画資料は高精細映像が中心ですが,このサンプル集ではWeb掲載のため,画質を大幅に落としてあります。授業でお使いになる場合は製品版をご利用ください。またこのサンプル集ではMP4形式のデータもご用意しておりますので,スマートフォンやタブレットPC等からもご覧になることができます。製品版ではMP4形式のデータはご用意しておりませんのでご注意ください。
東京書籍(株) 理科編集部
「ニューサポート高校「理科」vol.33(2020年春号)特集:授業を変える2〜思考力・判断力・表現力を育む授業〜」より。時代とともに求められている学力が変化し,新学習指導要領でも「思考力・判断力・表現力」を育成する授業が求められている。これらの力を伸ばすためには講義形式の授業だけでなく実験,レポート作成の指導はもちろん,グループ学習や生徒によるプレゼンテーション等,講義形式以外に生徒自身のアウトプットを伴う授業も取り入れることが望ましいが,実際はなかなか難しい。
朋優学院高等学校教頭 小野間大
日本では、小学校(3年以上)・中学校では、理科という教科を全員が学びます。明治時代、教育制度の初期の頃から英語の「science」は「科学」と訳しましたが、小学校では「理科」といい、そのまま教科名として今でも使われています。今回は、「理科で何を、なぜ学ぶのか」ということについて考えてみます。
元筑波大学非常勤講師 鈴木伸男
皆さんは、小学校では3年生から4年間、[理科]という教科を学び、中学校でも3年間、理科を学習しますが、いまはその学びの途中です。
元筑波大学教員免許更新講習講師 鈴木伸男
『ニューサポート高校「理科」vol.34(2020年秋号)特集:授業を変える3~コロナ禍をどう乗り越えるか~』より。昨年度の終わりから今年度にかけ,新型コロナウイルスの流行により,全国的に学校が休校になりました。昨年度の学期の打ち切りやその対応,新年度の休校期間やコロナ対策をしながらの再開など,現場の先生方は大変な苦労をされていると思います。また,教科指導では,授業が満足に行えない状況となり,教科書の進度に遅れが生じていることや,受験を控えている高3生に満足な受験対策を行えないことなど,焦りや不安なども感じていることと思います。しかし一方では,大学入学共通テストは予定通りの日程で実施することが決まり,受験生にとってはさらに大きな不安要素がのしかかることとなりました。本誌では,この状況の中,どのように教科指導,受験指導を進めていけば良いのか,いくつかのモデルケースを提案させていただきます。今後も厳しい状況が続くことが予想されますが,先生方の指導の一助となれば幸いです。
代々木ゼミナール講師・開智高等学校講師 西村淳矢
ニューサポート高校「理科」vol.32(2019年秋号)より。新しい時代とは何か。「Society 5.0とも呼ばれる新たな時代の到来が,社会や生活を大きく変えていくとの予測もなされている。また,情報化やグローバル化が進展する社会においては,多様な事象が複雑さを増し,変化の先行きを見通すことが一層難しくなってきている。そうした予測困難な時代」の入り口に,私たちは立っている。
福井県教育総合研究所 先端教育センター 特別研究員 川角博
ニューサポート高校「理科」vol.27(2017年春号)より。「次期学習指導要領改訂のターゲットは高等学校」「次期学習指導要領改訂の方向性」「具体的な例」について述べる。
岐阜聖徳学園大学教育学部理科専修教授 寺田 光宏
ニューサポート高校「理科」vol.27(2017年春号)より。「理科学習における高校生の理解」「理科におけるICTの特徴と授業への導入」「アクティブラーニングに有効なICTの活用」について述べる。
名古屋学院大学スポーツ健康学部教授 吉田 淳
ニューサポート高校「理科」vol.27(2017年春号)より。センター試験の概要が大学入試センターから「実施結果の概要」として公表されましたので,簡単に紹介したいと思います。
東京書籍編集部
ニューサポート高校「理科」vol.36(2021年秋号)より。高等学校では、令和4年度より年次進行で改訂された学習指導要領が始まる。今回の改訂で、生徒の学習評価については、指導要録等に観点別学習状況の評価や評定が記載されることになった。そこで、観点別学習状況の評価について概略をみていこうを思う。
東京書籍理科編集部
大学入試は多様化しており,複雑なシステムと感じるかもしれません。特に,2021年1月から「センター試験」にかわり,「大学入学共通テスト」が導入されることが文部科学省から発表されています。ここでは,大学入試全体,さらには高校教育,大学教育を含めた改革の概要などを確認します。
東京書籍(株) 編集局理科編集部
本データは,最新の地図情報のもとに、高画質・高品質で作成しています。教材プリント作成やワークシート作成などで,自由に加工・編集してご利用いただけます。最新「世界と日本の白地図」は,(1)<世界全図>編,(2)<世界:大陸,州規模>編,(3)<世界:国規模>編,(4)<日本:周辺,地方別>編,(5)<日本:都道府県>編の5編で構成され,全256図あります。(2021年11月版)
東京書籍(株) 社会編集部
本データは,最新の地図情報のもとに、高画質・高品質で作成しています。教材プリント作成やワークシート作成などで,自由に加工・編集してご利用いただけます。最新「世界と日本の白地図」は,(1)<世界全図>編,(2)<世界:大陸,州規模>編,(3)<世界:国規模>編,(4)<日本:周辺,地方別>編,(5)<日本:都道府県>編の5編で構成され,全256図あります。(2021年11月版)
東京書籍(株) 社会編集部
ニューサポート高校「社会」vol.35(2021年春号)より。COVID-19パンデミックで,これまでノーマルだったことがそうでなくなり,新しい枠組みに対応できる力,そして,できなくなったことではなく,今できることは何かを考えるようなメンタリティが改めて問われています。大学教育も遠隔・オンラインと対面指導のハイブリッド化が一気に促進され,さらに決められた時間に授業を受けるという学び方だけではなく,オンデマンドで提供される学習材を用いて,自ら計画的に時間設定して学ぶこととの組み合わせが可能となる学び方が一層拡充されるでしょう。そのような変化の中で,将来教員として活躍する人を養成する大学が,どんな力を入学試験で求めるのかについて考えたいと思います。
兵庫教育大学理事・副学長 吉水 裕也
ニューサポート高校「理科」vol.19 特集:新課程大学入試展望(2013年春号)より。現行課程のセンター試験「地学Ⅰ」は5問の大問構成であり,「固体地球」,「岩石鉱物」,「地質地史」,「大気海洋」,「天文」に区分されて出題されている。
河合塾地学科講師 安藤雅彦
「地学基礎」(地基701)令和4~7(2022-2025)年度用教科書の、年間指導計画例です。学習内容ごとに、詳細な学習活動、評価の方法などを表にまとめました。
東京書籍(株) 理科編集部
「地学基礎」(地基701)令和4~7(2022-2025)年度用教科書の年間指導計画にもとづく観点別評価規準例です。学習内容ごとに主な学習活動と評価の観点と方法を表にまとめました。
東京書籍(株) 理科編集部
ニューサポート高校「理科」vol.41(2024年春号)「特集:授業を変える~探究~」より。江東区の豊洲駅から徒歩 6 分。自然豊かな豊洲公園に隣接するのが、今回紹介する「がすてなーに ガスの科学館」である。この科学館には、1 階に「エネルギー」「防災」、2 階に「環境・食」「暮らし・社会」のテーマに関連する展示があり、五感を使った体験による学びを通じて、エネルギーへの理解を深めることができる。
東京書籍(株) 理科編集部
センター試験が終わり,大学にもホッとした空気が流れている。センター試験は高校や予備校にとっても大イベントだが,試験会場になる大学にとっても同じである。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎
最新のネイチャー誌は,理科系教育の特集を組んでいる(2015年7月16日号)。幼稚園から大学入学までの教育の課題や,大学での教育の再評価,大学教授のリーダーシップ,アクティブ・ラーニングの方法,科学者のキャリア,一般に向けた科学教育など,サイエンティフィック・アメリカン誌と合同でまとめた12本の記事を,ウェブから自由に読むことができる。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
この夏休み,後藤祐児先生の研究室の同窓会に参加してきた。私が大学4年生の頃に研究指導を受けた先生だ。今年は先生が還暦ということもあって,例年より参加者が多かったが,ネクタイ姿など一人もおらず,小さな子ども連れも多いし,明日はこのまま釣りに行くのだと短パン姿で釣り竿を持って来ている人もいた。研究室の雰囲気がそのまま形になっているが,この自由な雰囲気のなかで一流の成果が出続けているのだから,弟子は育つというものである。魔法のようである。ラボ運営の師匠でもある。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
上野の国立科学博物館に息子と行ってみた。入ってすぐにあるらせん階段の地下一階に,直径23センチの鉄球が天井からワイヤでぶら下げられていて,静かに反復運動をしていたのだが,この動きにすっかり見とれてしまった。これは地球の自転を証明した「フーコーの振り子」とよばれる有名な実験の再現である。周期はヒモの長さのルートに比例するから,毛糸に五円玉をぶら下げた催眠術に使うくらいの振り子と比べると,ヒモの長さが100倍,周期は10倍ほども違う。だから,かなりゆっくりとした動きに感じられる。神々しいと言ってもいい優雅な動きだった。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
また研究室に卒業研究生が配属される季節である。大学3年生が,期待と不安を半々にした顔で研究室に見学にやってきている。研究室ごとに定員があり,私の研究室には毎年3名が配属される。筑波大学応用理工学類はカリキュラムがかなり厳しいので,半分以上をAの成績でそろえてきた学生は,勉強ができるだけではなく集中力や瞬発力がある。バイトとサークルにかまけていたが留年せずにあがってきた学生も要領がいい。いずれも見所があるが,研究室に配属されたあとどこまで伸びてくれるのかは未知である。研究成果をあげるには,小学校からずっとやってきた勉強とは違う能力が必要になるからだ。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎
ニューサポート高校「数学」vol.31(2019年春号)より。理工系の女性が少ないということが話題になり始めてから,随分経ったように思う。様々な取り組みが行 われ,少しずつ,女性研究者や技術者の割合は増えて いるものの,研究者に占める割合は15.3%(2016 年)であり,諸外国と比べても低いままである。また,女性研究者の候補者である理工系女子大学生の割合は理学部で27.0%,工学部で14.0%(2016年)でしかな い。
中央大学理工学部情報工学科教授 今井桂子
被引用回数のトップ100の論文がNature誌に発表された(1)。なかなか見応えのあるリストで,研究者の間でも話題になっている。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
卒業論文の季節である。これだけ長い文章をはじめて書くという人も多い。最初はどうしても「pHメーターを用いて測定を行った」などと力こぶが入るが,やがて,「pHを測定した」と端的に書けるようになれば,書くことが考える道具になっていく。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
現代の科学は参画する研究者の数が多くなる傾向がある。それでは,研究の規模は研究の質にどのような影響を及ぼすのだろうか? 2月号ネイチャー誌に興味深い論文が報告されていたので紹介したい(1)。要約すると,大きな研究チームは旬の話題を発展させたものが多く,それだけ注目が集まりやすい。一方,小さな研究チームのテーマは革新的な成果につながりやすいのだという。つまり,大型の予算が必要になる大規模なテーマも,ひとりで試しにやってみるようなテーマも,いずれも科学の発展には不可欠なのである。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
寺田寅彦(1878年-1935年)は敬愛する科学者の一人である。「科学というものは結局言葉であり文章である」と言うように,論理や数式だけに頼らず「言葉」を思考の道具にするところに魅力がある。当たり前のことを観察し,鋭敏に言語化できる。例えば,絵の描き方についてこんなふうに説明する。科学者はふつう,こうは言えないものだ。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎