教科書の単元から資料を探すページです。
【本文より】生徒に生物を教える場合,効果的な実験は不可欠だと思う。しかし,授業進度,詳細な説明を考えると実施可能なものは限られてしまうのが現状であろう。小生も教員になった年から様々な生物の教材化を検討してみたが,実施可能なものはわずかであった。小生の力量の無さに起因するのだが。今回,先人の方々の実践例を参考にし,シダ植物とくに私たちの身近に見られるスギナ(Equsetum arvense L)について,その教材化例,実践例を紹介したい。
北海道札幌丘珠高等学校 金澤昭良
ヒドラは,体長1cmほどの刺胞動物ヒドロ虫綱の一種で,サンゴやクラゲの仲間である。二胚葉性の生物で,細胞数は10万個,細胞は6種類しかない。また,体は極めて単純だが,遺伝子の調査から,サンゴ(5億年前)より後に出現としたと考えられている。ヒドラの捕食行動の観察はたいへん興味深く,生徒にも人気の観察実習である。今回はその学習を更に深める実験を行ったので報告する。
北海道札幌旭丘高等学校 杉山剛英
発光から知る物質・電子のエネルギー「ウミホタルVargula hilgendorfiiの光に魅せられて」。千葉県館山桟橋でのウミホタルを採集し,「光の放出」をテーマに,ウミホタルを使った発光実験の実践事例です。
神奈川県立横浜桜陽高校 鈴木正明
(栃木県立田沼高等学校の植物写真)会議室の窓下に、タツナミソウ(立浪草)というシソ科の花が咲きました。くわしくはコタツナミ(小立浪)といいます。名の由来は、ひとつひとつの花が縦横に並んで咲く様子が波頭を思わせるからです。
栃木県立田沼高等学校 川島基巳
(栃木県立田沼高等学校の植物写真)ツツジとサツキはとどう違うのか、とよく聞かれます。そんなときは、「皐月(陰暦5月)ころに咲くのがサツキでそれより早い時期に咲くのをツツジと言う。」と答えます。
栃木県立田沼高等学校 川島基巳
(栃木県立田沼高等学校の植物写真)田沼高校ではときおり珍しい植物が見つかります。写真の”物体”もそんなひとつでしょう。この物体はオニフスベという名の、食べるられるキノコです。フスベとは瘤(たんこぶのこぶ)という意味で、ローアングルのため校舎に比べて巨大に見えますが、実物はソフトボールほどの直径です。
栃木県立田沼高等学校 川島基巳
東書教育シリーズ中学校理科「先生,モノグリセリドって何?」-教科書記述の変更点-(2012年10月発行)より。藻類は,二界説では植物,五界説では原生生物に分類されてきました。今後は,さらに新しい説に差し替えられていくでしょう。教科書記述も変わりつつあるなかで,藻類の分類に関する現状をご紹介します。
東京書籍(株) 理科編集部
バロン ジョルジュ レオポルド クレティアン フレデレック ダゴベール キュビエフランス,1769-1832科学者人物誌―生物東京書籍2002年10月作成「私の歯を1枚,知らない人類学者の手に渡したら,その人は私の姿を完全に復元してくれるだろうか。」もちろん冗談まじりではあるが,そんなことを書いた人があった。それはさておき,1枚の歯や1片の化石骨からその主がどんな動物であったかを推定する古生物学の方法の土台を置いたのは,キュビエであった。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
生命現象は人間の思惑や流行とは無関係に営まれており,そこには純粋な生命現象の本質をみることができる。本研究では,日常生活では全く目にすることも耳にすることもないスナギンチャク類の配偶子形成について紹介する。
宮崎県都城東高等学校 小野修助
(栃木県立田沼高等学校の植物写真)1年生の皆さん、クラスメイトの名前何人覚えましたか。まだ顔と名前が一致しない人が何人もいることでしょう。初めて出会った新しいクラスメイトも、言葉を交わすにつれ少しずつ互いの理解が深まってきます。
栃木県立田沼高等学校 川島基巳
(栃木県立田沼高等学校の植物写真)私がグランドに行った時、こんな質問がありました。「先生、このワカメみたいなの何ですか。」先生方からも尋ねられました。答を先に書きます。この物体はイシクラゲといい、原核生物の一種で、藍(ラン)藻類のネンジュモ属というグループにも分類される生物です。
栃木県立田沼高等学校 川島基巳
実際に採取したミミズを利用しながら様々な疑問についてディスカッションをすることで,生きものの不思議,生態系の中でのミミズの役割などを理解させる授業案を,生徒に配布するプリントと合わせて紹介している。
東京都立両国高等学校教諭 山藤旅聞
(栃木県立田沼高等学校の植物写真)いま中庭でサザンカが満開です。サザンカは日本に自生するツバキのなかまの常緑樹です。晩秋から目を楽しませているこの花は、じつは日本とヨーロッパの交流の始まりを知る”証人”の末裔でした。
栃木県立田沼高等学校 川島基巳
(栃木県立田沼高等学校の植物写真)今年の下見は思いがけない出会いがありました。写真のキヌガサタケ(衣笠茸)との出会いです。このキノコ、雨傘形とは随分かけ離れた特徴的な姿です。中央の円柱と円錐の帽子が深編み笠をかぶった虚無僧を連想させたのでしょうか、コムソウタケ(虚無僧茸)の別名も持ちます。
栃木県立田沼高等学校 川島基巳
毎日食べたり,身近で出会う動植物を系統分類の教材にしましょう。私たちは実にいろいろな物を食べています。年度や学期のはじめに下のようなプリントを配っておき,年度末か学期末に提出させます。系統樹とともに,食材になる動植物のほか,生徒が身近で出会いそうな動植物の分類一覧を事前に生徒に配布しておきます。分類がわからなければ質問を受けます。完成した系統樹は,動植物に出会った(食べた)日時と状況の記録もつけてレポートとして出させます。
栃木県立栃木高等学校 川島基巳
動物に続いて,植物,菌類,細菌で生徒に系統樹を書かせましょう。思い当たる食材をいくつか分類し表にしておきました。[学習テーマ]食材で系統分類を学習しよう
栃木県立栃木高等学校 川島基巳
新年になって2ヶ月が過ぎたので,正月料理や新年の飾りで出会った動物,植物を拾ってみた 1,2で,食材を使った系統の学習に触れたが,正月には他の季節にくらべ一年のうちでも短い期間に多くの動物植物に出会うようだ。食材に限らず,年が明けてから出会ったものを来年の授業用に整理してみたところ,確認できただけで22種あった。これだけあれば授業に使えるかもしれない。不完全ながら各分類段階も記した。まずは正月飾りに使われた植物から。次の6つが玄関の飾りと門松でみられた。
栃木県立栃木高等学校 川島基巳
朝の輪読は春休み恒例の脱線中で,生物を「真性細菌(バクテリア)・真核生物(ユーカリア)・古細菌(アーキア)」の3ドメインに分類した,有名なカール・ウーズの論文を1週間かけて読んでみた。1990年にアメリカ科学アカデミー誌に投稿された,著者3人によるたった4ページの論文である。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
生物の系統樹は,3本の太い幹がある。教科書に載っているように,われわれが属している「真核生物(Eukaria)」があり,そして,2種類の原核生物である「真正細菌(Bacteria)」と「アーキア(Archaea)」がある。しかし,この系統樹はもう書き換えを迫られている。われわれは一本の太い幹を持つのではなく,アーキアの小枝のひとつのようだ。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
深海の熱水噴出孔(Hydrothermal vent)のまわりに豊かな生態系があることが報告されて40年になる。この分野を率いてきた米国デューク大学のシンディ・ドーバー博士が現在までの回顧録を寄稿し(1),ミシガン大学のグレゴリー・ディック博士が詳細な総説をネイチャーレビュー誌に報告している(2)。これらを読みながら,生物学の見方を変えた意外な発見について整理してみたい。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
タンパク質の精製は大変である。精製が終わってようやく研究のスタートラインに立てるというのに,むしろそこまでが大変なのである。大学院生の頃を思い出すと,10日かかって10ミリグラムも精製できれば大成功だった。その後,ポスドクになって超好熱菌のタンパク質を精製するための特別な技を教わったときには感動したものだった。それらの経験が現在の研究テーマの原点になっている。今日はこの思い出を記録しておきたい。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
いま生物学を席巻しているのがCRISPRだ。クリスパーと呼ぶ。原核生物が持つ感染防御の仕組みが理解され,これがゲノム操作に応用されている。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎