人権教育は教育相談部が中心になって行うだけでなく,各教科の学習活動の中でもなされるべきものである。しかし,教員生活30余年の中で「数学科における人権教育」と呼べる実践を行ったことはこれまでなかった。数学科における人権教育の実践例に「点字ブロックの点の個数を求める」といったものがあった。確かに視覚障害者との関連があり,人権を扱った題材と見ることも可能であるが,実質的には人権教育としての意義は高くない。つまり,数学を通じて人権を深く考えるという意味での「適切さ」は弱い。このような状況の中で,目を疑うような新聞記事が目に飛び込んできた。それは「女子高生にコサイン教えて何になる」というタイトルの記事であった。これは「女性蔑視」に関する人権問題である。
この記事は平成27年8月29日(土)付けの朝日新聞に掲載されていた。これこそ「数学科における人権教育」の実践機会であると捉え,同月31日(月)に授業を担当しているクラス(高校2年)でアンケートを行ってみた。
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
A4判たて,6ページ
Word
docx/83.7KB
pdf/400.8KB
非会員の方は公開から一年を超えた資料は閲覧出来ません。会員登録をすると、全期間の資料を閲覧できます。