“文章を読み進める手段”をどう教えるか。構造読みであったり、一読総合法であったり、様々なものがあるが、それぞれが素晴らしいものであることは間違いない。とはいえ、それらを理論的に生徒に教示していくこともなかなか困難なものがある。そこで、今回は、教科書をより活かした指導をしたい。具体的に言うならば、“学習の手引きの抽象化(メタ認知)”である。多くの教科書には、それぞれの文章が完結した直後に、いわゆる“学習の手引き”がある。この学習の手引きの各問を生徒と一緒に抽象化することで、手段や方法を実証的に獲得することが出来る。この提案では、小説教材の読解のためのメタ認知を行う。25年度新課程用の『国語総合 現代文編』(東京書籍)の『羅生門』をベースに使用する。
北海道旭川東高等学校 大村勅夫