三角関数のグラフをかくことに多少の抵抗感をもつ生徒は多いようである。基本となる y=sinθ, y=cosθのグラフについての抵抗感は少ないようであるが,それらとは明らかに違う(漸近線をもち,すべての実数値をとり,周期がy=sinθ, y=cosθの周期の半分のπになる) y=tanθのグラフやk,lを定数とするときの y=k sinθ,y= sin lθのグラフ,さらには,α,βを定数とするときのy=sin(θ-α),y=sin l (θ-α),y=sin (lθ-α),y=k sin (lθ-α)+βといったグラフについてはそうである。 また,その後にそのグラフが十分に活かせる題材が控えているというわけでもなく,三角方程式や三角不等式を解く際にも単位円を利用した解法の補助的な確認に活用されているような感じもあって,グラフをかく煩わしさ,活用の場面の少なさが生徒から敬遠される一因になっているようである。そこで,グラフ指導について,考察してみた。
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山口県立岩国高等学校教諭 西元教善