オリエンテーション用である。高校生に対して,物理学とはどんな学問かを漠然と理解してもらおうと考えた内容になっている。前半では,物理学は極めて積み重ね学問であるという要素が強いことを印象付けるのがねらいだ。中学の理科1分野で,公式ばかりを覚える印象を持っているようなので,その点を改めさせたかった。また,物理学の多くは“法則”で成り立っており,まだなぜそうなるかわからないことが多いのであるということを大げさに語り,興味を持ってもらおうというねらいもある。ここでは,定義と法則と公式の違いを理解させておく。後半,身近にあるボールを取り出して物理学をといてみた。要は,目の前の現象が先にあり,理論をあとからつけたのだということを強調し,これから学ぶ内容についても順に紹介したつもりである。
愛知県立瀬戸窯業高等学校教諭 松野聖史