1986年4月,私は都立大崎高等学校に着任した。中学校からの異動だったので,生物の授業では実習のためのテキストを自作しているということに感心したが,上野動物園の見学が含まれているのには,驚いた。動物園といえば子供の頃の思い出しかなかったし,捕らわれた動物を観察して生物の学習になるのか不審に思った。しかし動物園・水族館を知れば知るほど興味深く,1998年3月に退職するまでの間,年々授業の中での比重が増して行った。ここでは,その授業実践について報告する。
サイエンスライター,元都立小山台高等学校 福田恵