「生物の教員なら,まず実験をしろ。」と,教育実習の時に指導教官から言われたことが,私の生物教員としての取り組みの一番太い柱となっている。それ以来,できるだけ多くの実験を授業の中に取り入れることを心掛け,実物に触れることによって知識をより確かなものにするというだけでなく,生物(いきもの)を好きになってもらえればという思いで今日まで教員をしてきた。その実験の多くは,宮城県の理科研究会生物部会と,その中の教材生物ワークショップで教えて頂いたものであった。数々の試行錯誤の中で私が出会った物の中から,ここでは,生物教育学会等でも発表したものであるが,「ゾウリムシの簡単な培養方法・・・カロリーメイト培養液」と「顕微鏡観察の入門教材として最適な植物・・・トラデスカンチア」を紹介したい。
宮城県富谷高等学校 猪狩嗣元