ウォルター ブラッドフォード キャノン (Walter Bradford Cannon)
アメリカ,1871-1945
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
homeostasis(恒常性)という言葉は生物字を学ぶものにとって耳慣れたものであろう。事典をひもとくと“生物体が間断ない外的,内的環境の変化を受けながらも,個体としての生理的状態を安定した状態に保つ働き”(『万有百科大事典・動物』小学館)といった説明がみられる。この事典の解説を書かれた川島誠一郎氏によれば,フランスの生理学者クロード・ベルナールの“体液の状態は環境が変化しても一定に保たれるような調節能がある”(同上)という考えを,アメリカのキャノンがさらに発展させて“恒温動物における体温の恒常性,生物の防衛手段にもあてはめた”(同上)ものであるという。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司