アルフレッド ラッセル ウォーレス (Alfred Russel Wallace)
アメリカ,1823-1913
科学者人物誌―生物
東京書籍2002年10月作成
ダーウィンと個別に自然選択説に到達し,また世界の生物分布の区画の上で重要なウォーレス線に名を残しているイギリスの生物学者アルフレッド・ラッセル・ウォーレスは1823年1月8日にウエールズの,ある村に生まれた。家は貧しくて十分な教育は受けられず,少年時代から兄たちに従い,ロンドンその他の土地で測量や建築の手伝いをし,やっと生活していた。しかし独学で勉強を続け,とくに植物学など博物学に興味をもった。やがてレーセスターの中学校で,わずかの時間教えるという些細な職を得た。そのころ図書館で昆虫学者のヘンリー・ウォルター・ベーツ(1825-1892)と知り合いになり,親しくなって,二人で南アメリカへの採集旅行を計画した。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司