タレス(化学者)
東京書籍作成
Thales
トルコ,前625?~前547?
科学者人物誌―化学
東京書籍2003年2月作成
古代ギリシャの自然哲学者。現在のトルコのエーゲ海岸にあったイオニア人の植民都市ミレトスの生まれ。タレス自身は民族的にはフェニキア人であったとされる。古代ギリシャ哲学の歴史では筆頭にくる人物。ミレトスの漁民が或る日,海から黄金の鼎を引き上げた。所有者が判らずデルフォイの神殿に伺いを立てると「最も賢いものに与えよ」という神託が下る。そのためミレトスの人々はタレスにこの鼎を与えた。しかし,自分よりもふさわしい人がいる,と別の人に回し,その人もまた別の人にと結局7人の手を経てまたタレスに戻ってきた。そのためタレスは最も賢いのは神である,として鼎をデルフォイに奉納することにした。この時の7人が古代ギリシャの七賢人とされ,その筆頭がタレスなのである。タレスはエジプトやペルシャに旅行して古代の知恵を学んだという。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司