朝永振一郎(物理学者)
東京書籍作成
Tomonaga Shinichiroh
日本,1879-1955
科学者人物誌―物理
東京書籍2003年2月作成
朝永振一郎は哲学者の朝永三十郎の息子として東京で生れた。父親が京都帝国大学教授となったために,振一郎は京都府立第一中学校・第三高等学校・京都帝大に通った。習字の先生に字をけなされたために学校へ通うのを嫌ったのを心配し,母親が習字の先生によい成績をつけてもらうように頼んだという逸話も残っている。1歳年下の湯川秀樹は中学から同じ学校に通っていたが,朝永は病弱であったために中学に5年間通ったのちに高校に進学し,湯川は4年で中学を終えて高校に進んだため,高校で同学年となった。二人とも,高校で朝永の姉の夫である堀健夫の講義に影響を受け,量子力学に関心を抱くようになる。
東京大学大学院総合文化研究科講師 岡本拓司