サディ・カルノー(物理学者)
東京書籍作成
Nicolas Leonard Sadi Carnot
フランス,1796-1832
科学者人物誌―物理
東京大学大学院総合文化研究科講師 岡本 拓司
東京書籍2003年2月作成
カルノーの父はラザール・カルノーといい,数学者・物理学者であり,またフランス革命後,国民軍を組織して周辺諸国の反革命軍の攻撃からフランスを守った軍人として知られている。サディ・カルノーは,軍の科学者・技術者を養成する機関であったエコール・ポリテクニクを1814年に卒業し,陸軍のさまざまな仕事や,技術者として公共の任務に携わったと,大尉で軍隊を退役し,物理学と経済学の研究に専念した。母方の祖父から財産を相続していたために,そのような生活が可能であった。1832年に猩紅熱にかかって入院し,回復はしたが,その後コレラにかかって亡くなった。
東京大学大学院総合文化研究科講師 岡本拓司