クーロン(物理学者)
東京書籍作成
Charles Augustin de Coulomb
フランス,1736-1806
科学者人物誌―物理
東京書籍2004年4月作成
1736年6月14日にフランス西部の都市アングレームで生まれる。その後,家族とともにパリに移り,コレージュで受けたル・モニエの数学の講義に影響されて数学を志すようになる。しかし,経済的な理由や父の仕事の関係で,フランス南部の都市モンペリエに移ることになる。クーロンはこのモンペリエの学会に所属して,比例中項についての数学的問題や,月食や彗星の動きといった天文学上の計算についての論文を発表している。その後,ヨーロッパでもっともレベルの高い技術学校であったメジエールの工兵学校へ進学し,1760年2月から1761年11月まで在籍した。そしてこれを期に,数学から工学へと彼の研究分野は変わっていった。この時代のフランスでは,経験的なものから数学を用いた理論的なものへと工学の主流が変わってきており,クーロンもそうした学問の潮流にのって,そこの教師であり生涯の友ともなったボッシュなどから数学を用いた理論的な土木・軍事工学を学んだ。
東京大学大学院総合文化研究科講師 岡本拓司