理科学習においても,エネルギー・環境教育の必要性は,小中高のどの校種においても実感されているところであろう。しかし,エネルギー・環境教育の分野での科学実験教材が豊富なわけではないため,理科の授業の呈を必ずしもなしているわけでもなく,理科教師にとっては,かえって授業がしにくいとの声も聞く。
とくに,新しい学習指導要領のもとでの,理科総合Aなどは,従来の化学学習や物理学習のように授業を進めようと思っても,その流れでは展開しづらいし,かといって,エネルギー・環境の事例を整理しても社会科の授業とどこが変わるのかという生徒の声もでてくる。
これらの声ややりにくさへの対処として,理科教育が本来もっていた原点にもどることを進めたい。ものづくりの要素を取り戻すことである。
信州大学教育学部助教授 川村康文