「解法は1通りではない」-数学の別解づくりを考えよう-稲永善数―平成15年4月作成より。三角形の面積を求める問題は,小学校からの教材であり,いまさら「別解」というには,あまりにも安易な問題であると考える人がいるかも知れない。しかしながら,教科書では「三角比」,「ベクトル」「図形と方程式」「積分」などの章で必ず三角形の面積が取り上げられる。数学は,1 つの問題を解決するのに,1 通りの方法で解決するわけではない。紙を切るのに,はさみやカッターナイフあるいは,時には,手で裂く場合もある。「カッターナイフ」では,直線を,「はさみ」は曲線,,山下清画伯のような「手」という目的に応じたそれぞれの道具が必要になる。数学は,時に応じた解法が「エレガントな解法,解答」といわれる。いろいろな解答の中で,どの解答が最も適切かを考えることも重要であることは論を待たない。
稲永善数