数学Aの「場合の数」で「順列」と「組合せ」を扱う。異なる n個のものからr個を並べる順序を考慮して一列に並べる順列の総数をnPr,異なる n個のものからr個を並べる順序は考慮しないで取り出して一組にする組合せの総数をnCrで表すこと,その間にはnCr×r!=nPrという関係があることが,数学の苦手な生徒にはわかりづらいようである。中学校では樹形図をかくとか,表をつくるとかの作業を通じて場合の数を求めていることが多いが,高校ではその方法を使うこともあるが,基本となる場合の数の求め方の公式をつくっておき,それらを駆使するようになる。数学の苦手な生徒の多い本校では,問題文を読んでもそこから「nPrを使うのかnCrを使うのかよくわからない。」という生徒が多い。意味の理解ができていない,その違いがよく判らないからである。言葉による説明がよくわからない生徒には「樹形図をかくとか表をつくる」ことが重要である。そこで,本稿では「樹形図」を利用して「順列の総数」と「組合せの総数」の関連性と違いがわかるような説明を考察してみたい。
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山口県立高森高等学校 西元教善