三角関数の加法定理の証明について以前は図形的な証明も行われていたようであるが,最近では見かけなくなった。単位円上の2点A(cosα,sinα),B(cosβ,sinβ)をそれぞれ原点のまわりに-βだけ回転させた点C(cos(α-β),sin(α-β)),D(1,0)に対して,2点間の距離の公式で求めたAB,CDが等しいことで証明する方法の良い点は,角が一般角であっても通用することである。その点,図形を使った証明ではあらゆる場合に通用するとは限らないことが欠点であるが,三角形の面積が等しいとか線分の長さが等しいとかという馴染みのある点が生徒にとっては納得しやすいのである。
本稿では,正弦の加法定理については三角形の面積,余弦の加法定理については線分の長さという観点からの考察でその証明を行ってみる。
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山口県立高森高等学校教諭 西元教善
A4判たて,8ページ
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