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旧課程数学C,新課程数学Ⅲで2次曲線,つまり放物線,楕円,双曲線を扱う。標準形で見ると,楕円と双曲線は符号の違いだけであり,よく似ている。しかし,焦点の座標については,楕円の場合はa>bのときx軸上にあり,a<bのときy軸上にある。つまり,aとbの大小関係で焦点の位置が(x軸上,y軸上という意味で)変わるが,双曲線の場合は,aとbの大小には無関係に右辺=1のときはx軸上にあり,右辺=-1の場合はy軸上にある。似ているということは,違うのだが,似ているが故にその違いに混乱する生徒は少なくない。そこで,同一平面上で楕円と双曲線の焦点について整理できるような提示をして,混乱の解消を試みる指導を行ってみた。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
楕円x2/a2+y2/b2=1の焦点はa,bの大小によって,a>bのときは2点(±√a2-b2,0), a<bのときは2点(0,±√b2-a2)となる。しかし,複素数平面で考えれば,前者は±√a2-b2,後者は±√b2-a2i=±√a2-b2であり,場合分けは不要である。このように,複素数平面で考えることで統一的に扱うことが可能になる。 そこで,本稿では複素数平面を通じて楕円の焦点の座標を考察してみた。数学Ⅲで複素数平面を扱うようになり,また,旧課程では数学Cで扱っていた2次曲線も数学Ⅲで扱うようになったので,それらのコラボとして考察してみた。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内;
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
数学Cで2次曲線を扱う。それ以前では「2次関数のグラフ」=「放物線」,「(分母・子が1次式の)分数関数のグラフ」=「双曲線」というように「関数が先にありき」であったが,ここでは「放物線」=「定点からとその定点が上にない直線までの距離が等しい点の軌跡」,「双曲線」=「異なる2定点からの距離の差が一定である点の軌跡」という視点から再度それらを見直すことになる。それまでは,放物線といえば下に凸,上に凸,双曲線といえば直角双曲線(それも漸近線がx軸,y軸に平行)であったが,そのような規定はなくなるし,「焦点」という点に着目するようになる。双曲線の場合生徒が納得できるように図示しているであろうか。サブタイトルにもあるように,「2定点からの距離が一定である点の作図」法を明確にしておく必要があると思う。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
放物線は2次関数で,円は図形と方程式で扱い,楕円,双曲線については2次曲線で扱う。2次関数のグラフとして放物線を扱うときには,先に「関数ありき」である。東書数学Cp.65では0<e<1のとき楕円,e=1のとき放物線,e>1のとき双曲線であることが知られているという扱いである。「……であることが知られている」というのは,高校数学のレベルを超えている,あるいは現時点では発展的であるといった意味合いで使われることが多いようである。しかし,この分類は十分手の届く範囲あると思う。この場合の「……であることが知られている」というのは,計算が少し面倒で,記述するスペースを割愛するといった意味合いであると思う。そこで,離心率から2次曲線が統一的に扱えるということを生徒にわからせるための考察を行ってみた。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
高校で扱う2次曲線は,xy 平面上で考える。そのため,焦点は平面上で考えるものという思い込みを生徒に与えてしまうが,2次曲線(円錐曲線)は,1点O で交わる2直線 l, m を空間で考えて,lを軸としてm を回転させてできる円錐面を,点O を通らない平面α で切ったときにその切り口としてできる曲線であるから,立体的に考える方が自然である。すると,2次曲線の焦点についても平面上だけで考えるよりは,立体的な意味を考えるのが自然といえる。そこで,本稿では2次曲線の焦点について,生徒にわかるように立体的に考察することにする。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
放物線では焦点,準線は1つずつ,楕円と双曲線ではそれぞれ2つずつある。生徒の中には,放物線には焦点1つ,準線1つ,楕円,双曲線には準線がなく,その代わりに焦点が2つあってバランスがとれているという誤解をしている者が多いのではなかろうか。拙稿『離心率から見た2次曲線-ここまでは学ばせておきたい-』では,0<e<1,e=1,e>1のときにそれぞれ楕円,放物線,双曲線になることをそれぞれの標準形を通じて考察し,また,拙稿『2次曲線の焦点について-円錐曲線としての立体的な考察-』では,円錐曲線として立体的に考察して,別視点から生徒の2次曲線理解を深化させることを試みた。本稿では,それをコラボした考察をする。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
2次曲線には円を楕円の特別な場合と見れば,放物線,楕円,双曲線の3つがある。2次曲線の場合,式の上から見れば,標準形において楕円と双曲線は符号が違うだけで,放物線のy2=4px とは大きく異なっているという印象を持っているという印象を持っている生徒は少なくない。そこで,せっかく「行列」で原点まわりの回転移動を扱っているので,放物線y2=4px を原点のまわりに回転させ,移動後の放物線の方程式にはx2やxyの項が出現することを確認させれば,放物線の方程式だけが他の2つとは大きく異なっているという印象を払拭できるのではないかと思う。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
双曲線は,放物線を2次関数のグラフと捉えるのならば,それは反比例のグラフ,あるいは分母が1次,分子は1次以下の分数関数のグラフといえるが,正確にはそれを原点まわりに回転したもの,さらには, x軸方向,y軸方向に平行移動したグラフも含むことになる。 また,放物線は定直線に接し,しかも l上にない定点Fを通る円の中心Pの軌跡として描け,楕円は異なる2定点F,F'間の距離よりも長い紐の両端をそれぞれF,F'に固定して,鉛筆の先端で紐をピンと張るようにしてぐるりと一周させることで描ける。この説明は,それぞれの定義を反映していて,その図形(曲線)がわかりやすくイメージできる。その点,双曲線については,どう説明すればわかりやすくイメージできるであろうか。それを考察してみた。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
2次曲線の導入などで用いられる同心円のワークシートがある。このワークシートでは,それぞれの同心円の中心を2つの焦点として,それらからの距離の和(または差)が一定である点の軌跡として楕円(または双曲線)を描くことができる。また,同心円と平行線を組み合わせれば放物線を描くワークシートを作ることもできる。これらのワークシートを用いた作業を実際に行うなかで,2次曲線どうしのいくつかの関係に気づくことができる。その中から本稿では楕円と双曲線の関係について1つを紹介する。
学習院高等科教諭 髙城彰吾
高3生にもなると数学力は多様化,多層化が進行している。高1生で学習し,当然わかって,できなければならないような問題から難関大学の難問まで,質問のレベルは様々である。最近の理系学部では数学ⅢCを課さない所もあり,理系といえども数学ⅢCの授業を受けない生徒もいる。生徒の要望,入試に即したカリキュラム編成のため,数学ⅢCの選択者は減少し,理系として期待される数学力は質・量の両面で低下を余儀なくされている。 ※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/downloadfr1/htm/cms68851.htm
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
教材研究を進めていると,生徒にいかに分かりやすく伝えるか,または,いかに印象に残すことができるか,更には,素材の理解をどれだけ深められるか,という教材のツボとも言うべきポイントによく出会う。しかし,実際の準備の時間不足やその時の仕事の過多を言い訳に,その理想を実現できないことが多い。今年度は,あまり過剰な準備をせずに,授業の中にスムーズに実験的な要素を取り込みたいと当初から考えており,自分の理想的な展開ができた教材をいくつか得ることができたので,写真や実際のプリントなどを提示しながら報告したい。
鹿児島県立鹿児島中央高等学校 堂薗幸夫