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ニューサポート高校「理科」vol.35(2021年春号)より。晴れている日の夜に空を見上げれば私たちは星を見ることができますし,日中であっても太陽や月を見ることができます。それはもう立派な天体観測であり,つまりは天文学です。私たちが天体を見ることができるのは目で見ることのできる光である可視光のおかげです。現在の天文学では可視光以外の波長の光,電波や赤外線,紫外線やX線も使ってさまざまな天体の観測を行い,さまざまな成果を得ていますが,近年では光以外の手段で新しい時代の宇宙観測が行われようとしているのです。
higgstan.com 秋本 祐希
ニューサポート高校「理科」vol.37(2022年春号)より。アインシュタインの相対性理論によれば「重力が強いところでは時間はゆっくり進む」という。これまでロケットや人工衛星を使った実験で検証されてきたわずかな効果だが、極めて高精度な原子時計によって、普段の生活のスケールでも観測できるようになった。こうした時間計測の進展は、未来の物理学や社会をどう変えるだろう。
理化学研究所 香取秀俊
ニューサポート高校「理科」vol.36(2021年秋号)より。今日のデジタル・エレクトロニクス社会を支えている先端技術の大部分は、物性物理学と呼ばれる分野の研究の産物である。「物性物理学」は文字通り、物質の様々な性質を物理学的視点から研究する学問分野であるが、その理解は、力学・熱・波・電磁気学といった古典物理学のすべてと、原子・分子といった微視的世界を記述する量子論の知識の総結集の上に成り立っている。いわば、これらの基礎的学問を統合して、現代の科学技術へと橋渡しをする学問が物性物理学だと言ってもよいであろう。
東京大学大学院総合文化研究科教授 前田京剛
科学雑誌に並ぶ年末恒例「10大ニュース」は,毎年楽しみのコーナーである。ネイチャーとサイエンスの両誌が最初に選んだテーマは重力波であった。これぞ基礎科学の結晶のような成果だ。一方,人工知能も急成長を遂げ,囲碁チャンピオンを破ったことは広くニュースにもなった。ゲノム編集ではCRISPRを使った臨床応用が成功し,再生医療では3人の親を持つ赤ちゃんが誕生した。今回は,年末の科学記事(1-3)に個人的な選好をあわせて,2016年の科学を振り返ってみたい。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎