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恒等式を用いた数値計算は、式変形に劇的な美しさをもたらす。数式をがむしゃらに変形するのも若い高校生たちの通るべき道であると思う。ただ、その問題の背景を見せてあげられ、さらにその背景に自ら思いを寄せられる生徒を育てられたらと思う。
國學院大學栃木高等学校教諭 宇賀神忠靖
数学的に構造が同じであることがわかれば、既習事項と新規事項の連携が図られてわかりやすいことがある。例えば、複素数の和・差とベクトルの和・差の図形的意味である。本稿は、筆者が複素数の積・商について教えていたとき、複素数の積・商の図形的な意味からベクトルの積・商についても考えられるのでは? と思い立ち、後日考察を行ったものである。
山口県立徳山高等学校 西元教善
三角関数の正弦と余弦についての2倍角の公式,3倍角の公式および4倍角,5倍角(の公式)を眺めれば,sin nθ(n=2, 3, 4, 5)については,nが偶数のときにはsinθの整式とは表せず,sinθの奇数次の項のみの整式とcosθの積に表されること,nが奇数のときにはsinθの奇数次の項のみの整式であること,cosnθ(n=2, 3, 4, 5)については,nが偶数のときには の偶数次の項のみの整式であり, が奇数のときには の奇数次の項のみの整式であるということに気がつく。ここで,一般の自然数nについてもこの事実が成り立つのではないかと推測されるが,本稿ではこのことについて,ド・モアブルの定理と二項定理を活用して考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
新指導要領でベクトルが2年生の数学から消えてしまった。この改訂は高校における数学と理科のこれまでの学習の流れを崩す感がある。しかし、ベクトルを先取りして2年生で指導する時間はとても無い。そこで、2年生に、ガウス平面を部分的に教えることを提案したい。
埼玉県立豊岡高等学校 五十嵐英男
「よくわかる! 小・中・高 算数・数学のつながり」(2013年10月発行)より。教科書から抜粋した紙面を通して「どの学年で」「どんな内容を」「どのように学んでいるか」が概観できるようになっております。学習内容のつながりや扱いなどの概要の説明,学習段階・学習内容の一覧,学習内容に関する教科書紙面,学習内容に関する留意点(児童,生徒の実態,取り扱い上の配慮)などで構成。
東京書籍(株) 算数・数学編集部