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メルビン カルビン (Melvin Calvin)アメリカ,1911-1997科学者人物誌―生物東京書籍2002年10月作成カルビンは,ミネソタ州セントポールで生まれ(1911年),ミシガン鉱山工業大学(現在のミシガン工科大学)卒業後(1931年),ミネソタ大学で化学の博士号を取得した(1935年)。英国マンチェスター大学で2年間の研究生活を送った後,1937年にカリフォルニア大学バークレー分校の化学科のスタッフとなった。それから半世紀近くをこの大学の自然化学分野の中枢として活躍し,今なお73歳の現役として意欲的な研究を続けている。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
サー ハンス アドルフ クレブス (Sir Hans Adolf Krebs)ドイツ,1900-1981科学者人物誌―生物東京書籍2002年10月作成クレブスはドイツに生まれ,英国で活躍した生化学者であり,クレブス回路(=クエン酸回路,トリカルボン酸回路)の発見者として知られており,その業績に対し1953年にノーベル医学・生理学賞が贈られた。クレブスは1900年,北部ドイツの小都市ヒルデスハイムに,耳鼻咽喉科医の子として生まれ,父の後を継ぐため1918年,ゲッチンゲン大学に医学生として入学した。その後フライブルグ大学等で学び,1925年に医学博士の学位を得た。彼がその後の研究方向に決定的な影響を受けたのは,1926年から4年間,カイザー・ウィルヘルム研究所でワールブルクの実験助手をしていた時だった。ここで呼吸酵素の研究を行いながら,マノメーターによる圧力測定,分光学,組織スライスの調製法などを身につけた。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
ロバート ヒル (Robert Hill )英国,1899-1991科学者人物誌―生物東京書籍2002年10月作成光合成反応において,人名のついている反応がいくつか存在するが,その中でもヒル反応とカルビン-ベンソン回路が最も有名である。この二つ以外では,メーラー反応,コック効果などが知られている。カルビン-ベンソン回路は光合成炭酸固定反応の経路のことで,カルビンはこの仕事で,1961年にノーベル化学賞を受賞している。ヒル反応とは,光合成系に光を照射したとき,外から添加した電子受容体を還元し,水を酸化して酸素を発生する反応のことで,ロバート・ヒルの発見にちなんで,命名されたものである。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
エドゥアルト ブフナー (Eduard Buchner )ドイツ,1860-1917科学者人物誌―生物東京書籍2002年10月作成エドゥアルト・ブフナーは,1896年に,酵母の抽出液で発酵が起こることを発見し,その業績に対して,“化学-生物学的諸研究および無細胞的発酵の発見”についてノーベル化学賞を受けている。 彼は有名な法医学者を父として,ミュンヘンに生まれた。しかし,幼少の頃は,10歳年上の兄ハンスと比較して,かなり能力が低いと見なされていたので,当時の優秀な少年のための進学コースとは外れて,技術系の専門コースで学んだ。一時軍隊に務めた後で,改めて,ミュンヘンの工科大学で化学を学び始めたが,経済的な理由のために勉学を中断して工場で働いていた。しかし,やがて兄の援助を受けて学業を終えることができた。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
フレデリック フロスト ブラックマン (Frederick Frost Blackman)英国,1866-1947科学者人物誌―生物東京書籍2002年10月作成筆者が高校生か大学生のときであったか,不確かな記憶になってしまったが,光合成のしくみを学んだとき,明反応と暗反応にかかわる人物の名がとても覚えやすいという印象をもった。明反応のしくみを解析した人物としてロバート・ヒルが,暗反応に関係して今回の主人公のフレデリック・ブラックマンがそれぞれ登場したからである。すなわち,ヒルは「昼=明」に,ブラックマンは「黒=暗」に通じるのである。ついでだが,ヒルの発見は葉緑体による二酸化炭素以外の物質の光化学的還元反応であり,ヒル反応というが,厳密には明反応(光化学反応と,それに付随する電子伝達系,リン酸化系)=ヒル反応ではない。いっぽう,暗反応は光合成の過程で,光が関与していない反応を指し,Otto Warburgによって名づけられたブラックマン反応という名が当てはめられることがある。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
オットー フリッツ マイヤーホフ (Otto Fritz Meyerhof)ドイツ,1884-1951科学者人物誌―生物東京書籍2002年10月作成オットー・マイヤーホフは,リン酸の関与する代謝経路を確立した生科学者であり,彼の門下からはリップマン,オチョアなど,すぐれた生化学者が輩出し,生化学の巨匠としても知られている。解糖の経路は,エムデン-マイヤーホフの名が付されている。ATPが発見されたのも,ベルリンのマイヤーホフの研究室であった。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
フリッツ アルベルト リップマン (Fritz Albert Lipmann)ドイツ,1899-1986科学者人物誌―生物東京書籍2002年10月作成現在,高校の教科書にもでている~Pの記号は,生体内エネルギー交代で最も重要な役割を担っている。この高エネルギーリン酸結合の概念を樹立したのは,フリッツ・リップマンである。セベロ・オチョアの言葉を借りれば,リップマンは今世紀最高の生化学者の一人である。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
オットー ハインリヒ ワールブルク (Otto Heinrich Warburg)ドイツ,1883-1970科学者人物誌―生物東京書籍2002年10月作成オットー・ワールブルクは,今世紀最高の生化学者の一人である。チトクロムオキシダーゼ,助酵素Ⅱ(NADP),フラビン助酵素(FAD,FMN)を発見し,また検圧計や分光光度計を開発した。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
サミュエル ルーベン (Samuel Ruben)アメリカ,1913-1943科学者人物誌―生物1930年代後半から1940年代初頭にかけて,物理学,化学,生物学が一体となって光輝を放っていた時代があった。異なる分野の研究者間の密接な協力が行われ,一人の研究者が原子核物理学での発見や技術開発と同時に,その生物学への応用に力を注いでいる,ということもあった。この物理学,化学,生物学の新しい展開の中心であったカリフォルニア大学バークレー校で活躍していた研究者のうち,最も輝かしい若手の一人が,サミュエル・ルーベン(Samuel Ruben)であった。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
東京大学発CoREF推進機構が推奨する「ジグソー法」について紹介します。第3回目の今回は第2回で作成した電子テキストを用いて、実際にエキスパート活動やジグソー活動をした様子を実践事例として紹介していきたい。
山形県立米沢興譲館高等学校 熊坂克
授業の始めの5分程度を,前の時間の復習として利用できる。A4判横左半分にテスト,右半分に解答の構成。[キーワード]食品の中の有機物,酵母,乳酸,アルコール,バイオリアクター,発酵工業,発酵,腐敗,ブドウ球,酢酸
東京書籍(株) 理科編集部
平成16~21(2004-2009)年度版「生物II」教科書準拠。第1編 生命活動を支える物質 2章 代謝とタンパク質 2-C 同化とタンパク質。※授業プリントとして,自由に加工・編集してご利用いただけます。
東京書籍(株) 理科編集部
平成16~21(2004-2009)年度版「生物II」教科書準拠。第1編 生命活動を支える物質 2章 代謝とタンパク質 2-C 同化とタンパク質。※授業プリントとして,自由に加工・編集してご利用いただけます。
東京書籍(株) 理科編集部
平成16~21(2004-2009)年度版「生物II」教科書準拠。第1編 生命活動を支える物質 2章 代謝とタンパク質 2-B 異化とタンパク質。※授業プリントとして,自由に加工・編集してご利用いただけます。
東京書籍(株) 理科編集部
平成16~21(2004-2009)年度版「生物II」教科書準拠。第1編 生命活動を支える物質 2章 代謝とタンパク質 2-B 異化とタンパク質。※授業プリントとして,自由に加工・編集してご利用いただけます。
東京書籍(株) 理科編集部
平成16~21(2004-2009)年度版「生物II」教科書準拠。第1編 生命活動を支える物質 2章 代謝とタンパク質 2-B 異化とタンパク質。※授業プリントとして,自由に加工・編集してご利用いただけます。
東京書籍(株) 理科編集部
平成16~21(2004-2009)年度版「生物II」教科書準拠。第1編 生命活動を支える物質 2章 代謝とタンパク質 2-C 同化とタンパク質。※授業プリントとして,自由に加工・編集してご利用いただけます。
東京書籍(株) 理科編集部
RubisCOは二酸化炭素から有機分子を合成する酵素である。「地球上に最も多いタンパク質」などと称されることもある。生命にとって欠かせぬこのタンパク質も,細胞内で液-液相分離して働いている様子が2017年にセル誌に報告され,最近では,試験管内で液-液相分離が再現されてネイチャー・コミュニケーションズ誌に報告されている。500 kDaを超える巨大なタンパク質も液-液相分離するのだから驚きだ。今回は光合成系と液-液相分離の関係について整理してみたい。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
代謝は多くの酵素が関係する極めて複雑なプロセスである。この壮大な反応の全体が,いったいどのように組織化されているのだろうか? これは大学生のころからの最大の疑問で,最近のかがくのおとでも「代謝の物理学」(1)や「細胞内の酵素学へ」(2)で考えてみた内容である。生命の謎がここにあるように思えてならないのである。今日は,解糖系の酵素群に関する研究を紹介しながら考えてみたい。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
ATPはエネルギーを運ぶ物質として広く知られてきたが、別の顔も持つという話題を5年ほど前に「かがくのおと」で紹介した。このサイエンス誌への論文はその後、多くの論争を引き起こし、疾患に関連するアミロイドとの関連でも重要な示唆を与える結果につながっていった。今回このテーマの続報を整理してみたい。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
物事をモノではなくモノの関係として見るシステム的な思考は,歴史的にはかなり古い。システムの標語ともいえる「全体は部分の寄せ集め以上のものである」は,アリストテレスの言葉だという説もある。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎
理学部生物学科にいた大学生のころ,いちばん退屈な講義が「生化学」だった。ただひたすら眠かった。教授のせいではなくて,面白い講義をするのが難しい分野だからである。なかでも「代謝」の講義は最難関である。教員になって,ようやくわかってきた。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎
生物の代謝にはリンが不可欠である。ATPを中心にしたエネルギーの流れも,DNAやRNAへの情報の保存も,タンパク質レベルでのシグナル伝達も,酸化還元に使う補酵素の多くも,リンを持った生体分子が利用されているからである。無機物の中でリンはカルシウムに次いで多く,ヒトの体には約670グラムあるとされる。しかし,リンは地球上には0.1%程度しかない希少な元素である。リン酸塩は基本的には水に溶けにくく(1),初期の生命がいたとされる熱水噴出孔(2)の海水にもあまり存在しなかったと考えられる。そのため,最も始原にいたとされる生物の共通祖先(Last Universal Common Ancestor; LUCA)は,リンを使わない代謝を行っていたのではないかと考えられていた(3-5)。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
ATPは生物学に登場する化合物の中では最も有名なものだろう。ご存知のとおり,エネルギー通貨としてさまざまなタンパク質に利用されている化合物である。ところが,最近サイエンス誌にATPは別の役割も持っているのでは,という論文が報告されている。細胞内でタンパク質の凝集をふせぐ働きがあるのだという。今回は,この魅力のあるもっともらしい仮説を紹介したい。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
代謝は複雑な反応である。いくつもの酵素反応が働き何千種類もの代謝中間体を経ながらATPが合成されたり,タンパク質が合成されたりする。なぜ,こういったさまざまな連続反応が混線せず進むのだろうか? 今回は酵素連続反応について考えてみたい。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎