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スタール(生物学者)Franklin William Stahlアメリカ,1929-科学者人物誌―生物アメリカの分子生物学者。ボストンに生まれ,ハーヴァード大学で学士号,ロチェスター大学で博士号を取得した。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
ミーシャー(生物学者)Johann Friedrich Miescherスイス,1844-1895科学者人物誌―生物スイスの生理学者。バーゼルに生まれる。生まれた頃同名の父親はベルン大学の病理解剖学の教授であったが,1850年からはバーゼル大学教授になっていた。息子のミーシャーはドイツ各地の大学で医学を学び,1868年にバーゼル大学で医学博士号を取得した。その後テュービンゲン大学の化学者ホッペ=ザイラー(Ernes Felix Immanuel Hoppe-Seyler,1825-1895)の研究室に学んだ。この時期に起こっていたクリミア戦争の戦地病院から送られてくる包帯についた膿を調べることでリンと窒素を含んだ物質を見つけ「ヌクレイン」(核(ヌクレイ)に由来する物質という意味)と命名した。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
メーセルソン(生物学者)Matthew Stanley Meselsonアメリカ,1930-科学者人物誌―生物アメリカの分子生物学者。コロラド州デンヴァーで生まれる。カリフォルニア工科大学で物理化学を研究し,そのまま留まり続けて最終的には教授になった。1976年にはハーヴァード大学に移り,トマス・ダドリィ・カボト(Thomas Dadley Cabot)自然科学教授になった。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
「2012年度用高校理科教師用指導資料付属のDVD-ROM 動画サンプル集」より。アカムシユスリカを使用して,パフを観察した動画です。
東京書籍(株) 理科編集部
フレデリック キャンピオン スチュワード (Frederick Steward )英国,1904-1993科学者人物誌―生物スチュワードは1904年ロンドンで生まれ,リーズ大学で化学の学士号を,植物学で博士号を取得している。彼の関心は,植物学の諸問題の解決に化学的手法を導入することにあった。彼は,はじめサトウダイコンやジャガイモ貯蔵組織のスライスを用いて,生体膜の半透性を調べていた。これらの組織は生理的に不活発で,カリウムや塩素などのイオンを蓄積している。彼はイオンの蓄積を誘導する条件を調べるうちに,温度,スライスの厚さとともに,特に酸素供給が重要であることに気がついた。これらの条件は,同時に細胞の代謝活性に大きく影響した。
東京大学大学院総合文化研究科 岡本拓司
遺伝の学習は高校生物において重要な位置を占めており,大学入試問題にも必ず登場している。生徒も関心を持ちやすい分野である。しかし「連鎖」と聞くと,拒絶反応を示す受験生も少なくない。一つの染色体には複数の遺伝子が存在するため,連鎖は一般的に起こっている現象であるが,生徒たちは“特別な現象”としてとらえているようである。連鎖についてアカムシユスリカの幼虫を用いた,だ腺染色体の観察実践事例。
群馬県前橋育英高等学校 金子千里
生物群集を理解させる身近な生物の教材化の研究-生物相の多様な世界をのぞいてみよう-。ショウジョウバエは遺伝学者モーガンが染色大切を提唱するきっかけとなった実験昆虫であり,この昆虫がなぜ実験に用いられるのかを理解する。また, ショウジョウバエの突然変異体を用いて,交配実験を行い遺伝学の基礎を学ぶ。
栃木県立宇都宮高等学校 敦見和徳
関西大学初等部・中等部・高等部は,関西大学付属の初中高一貫校として2010年に大阪高槻市に開校した。関西大学の掲げる「考動−Think × Act−」を軸に,「確かな学力」「国際理解力」「情感豊かな心」「健やかな体」を目指すことにより「高い人間力」を養うことを一貫教育目標としている。初等部では“ミューズ学習”で思考スキルの育成,中等部では“考える科”で高次思考力の育成,高等部では“プロジェクト科目”で探求型の課題研究に取り組んでいる。本校での実践を紹介する。
関西大学中等部高等部教諭 宮本裕美子
タンパク質は固有の構造を形成して働く。これはタンパク質の基本的なドグマだが,最近,構造を形成せずに働くタンパク質が話題になっている。日本語では「天然変性タンパク質」,英語では「Natively Unfolded Protein」や「Intrinsically Disordered Protein」という。タンパク質のことを知っている人に「おや?」と思わせる,インパクトのある名前だ。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎
自分がノーベル賞を取れるかどうか,はっきりと分かる。今回は取れない,ということである。しかし長期的にみると分からないぞと言えるところが,研究の面白いところである。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
最近のノーベル化学賞はまるで生物物理学会の発表のようで,お馴染みのタンパク質研究がずらりと並ぶ。2013年化学賞の量子化学計算や分子動力学計算は,今では酵素の働きやタンパク質のフォールディングを理解する重要なツールだ。「方法」にも光が当たるのは大事なことで,2002年にも,タンパク質溶液構造の核磁気共鳴法や巨大分子の質量分析法にノーベル化学賞が授与されている。これらは多くのタンパク質研究者がいつも使っている方法である。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
STAP細胞が誕生した(1,2)。発表された夜に論文を読んでみたのだが,こんなことがあるのかと興奮してなかなか寝付けなかった。Nature誌の解説に「The generation of these cells is essentially Mother Nature's way of responding to injury」と共著者のVacanti博士が感想を述べていたが(3),傷を受けると自然に治癒するような,そんな生きものらしい応答で誕生したものだ。科学は着実に一歩ずつ進むばかりではなく,ジャンプしたり裏返ったり戻ってみたりと,いろいろな展開がある。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
RNAは21世紀初頭の生命科学を代表するテーマである。一流誌の目次に「RNA」の文字を見ない日はない。フォローしていくのが大変なほど進展が早いのも特徴だ。トピックはもちろん,タンパク質をコードしているメッセンジャーRNA(mRNA)や翻訳にかかわるトランスファーRNA(tRNA)といったお馴染みのRNAではなく,ノンコーディングRNA(ncRNA)である。ヒトゲノムのなかでタンパク質をコードする領域はわずか2%程にすぎず,大部分に残された「暗黒領域」の研究が精力的に展開されている。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
前回に続いて,今回はタンパク質研究の大きな方向性について,いつも考えていることを整理してみたいと思う。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
これまで15年間ほど,タンパク質しか研究していない。つまり私に書けるものは,タンパク質しかない。そんなことで,何かは書けるはずだと高をくくっていたのだが,さいしょに会った編集者に「先生にとってタンパク質って何ですか」といわれて,はたと答えに窮した。タンパク質とは何か。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎