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ニューサポート高校「理科」vol.36(2021年秋号)より。福島第一原発事故の発生から早いもので10年の歳月が流れました。私はひょんなことから放射線の独特な面白さに魅かれて放射線を扱う分野に飛び込んだのですが、よもやこんな大事故が起こるとはまったく予想していませんでした。原子炉はどんなトラブルが起きても壊れない、仮にどこか壊れても保安設備が冗長に組まれている、チェルノブイリ原発事故のようには決してならない―。そう思い込んでいたのです。「安全神話」を無意識のうちに自分の信条にしていました。その反省から、福島第一原発事故後は、ほんの少しでも汚染の現状をお伝えできるように、特に汚染の厳しい帰還困難区域を中心に2011年4月から現地の汚染調査を続けています。
東京大学大学院総合文化研究科助教 小豆川勝見