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『ニューサポート高校「理科」vol.34(2020年秋号)特集:授業を変える3~コロナ禍をどう乗り越えるか~』より。昨年度の終わりから今年度にかけ,新型コロナウイルスの流行により,全国的に学校が休校になりました。昨年度の学期の打ち切りやその対応,新年度の休校期間やコロナ対策をしながらの再開など,現場の先生方は大変な苦労をされていると思います。また,教科指導では,授業が満足に行えない状況となり,教科書の進度に遅れが生じていることや,受験を控えている高3生に満足な受験対策を行えないことなど,焦りや不安なども感じていることと思います。しかし一方では,大学入学共通テストは予定通りの日程で実施することが決まり,受験生にとってはさらに大きな不安要素がのしかかることとなりました。本誌では,この状況の中,どのように教科指導,受験指導を進めていけば良いのか,いくつかのモデルケースを提案させていただきます。今後も厳しい状況が続くことが予想されますが,先生方の指導の一助となれば幸いです。
代々木ゼミナール講師・開智高等学校講師 西村淳矢
ニューサポート高校「理科」vol.32(2019年秋号)より。新しい時代とは何か。「Society 5.0とも呼ばれる新たな時代の到来が,社会や生活を大きく変えていくとの予測もなされている。また,情報化やグローバル化が進展する社会においては,多様な事象が複雑さを増し,変化の先行きを見通すことが一層難しくなってきている。そうした予測困難な時代」の入り口に,私たちは立っている。
福井県教育総合研究所 先端教育センター 特別研究員 川角博
ニューサポート高校「理科」vol.32(2019年秋号)より。勤務校では『科学と人間生活』が高校1年生の必修科目となっているが,この時期の生徒は文理選択も行っておらず,大学受験までまだ余裕のある時期であることから,授業構成の自由度が比較的高い。そこで,アクティブ・ラーニング型の授業を実験的に展開しながら,生徒の興味や関心を深める手法をいくつか検討している。その中で,グループワークを主とする協働学習と,「知識の活用」を目的とする提案型の授業の相性が良いことがわかったので,一例として紹介したい。
細田学園中学校・高等学校教頭 山中聖子
ニューサポート高校「理科」vol.31(2019年春号)より。前号に続き,学習指導要領の改訂の概要とし て,今号では「地学基礎」「地学」「科学と人間 生活」をお伝えする。
東京書籍(株)理科編集部
『ニューサポート高校「理科」vol.34(2020年秋号)特集:授業を変える3~コロナ禍をどう乗り越えるか~』より。 私が勤務をしている共立女子中学高等学校は,全生徒数が約2000名で,教員数が非常勤講師を含めて約160名の,東京では1番規模の大きい完全中高一貫女子校である。3月初めに新型コロナウイルス感染症の影響で休校になり,各教科でオンライン授業の準備を進め,4月からオンライン授業の取り組みが始まった。前年度から今年度にかけて全生徒が一人一台のタブレット端末を持つ予定であったが,休校に入ってしまった関係で,持っている学年(中2・高2・3)とそうでない学年(中1・中3・高1)が混在した。そのため教材配信のプラットフォーム選び等,学校統一の方針が取りにくく,また中には通信機器を持ち合わせていない生徒もいるなど,各家庭の通信環境の差も大きな壁となった。私は ICT担当業務をしていたこともあり,毎日のように出勤し,生徒端末の不具合の電話対応や教員へのICTサポートに追われる中,自身のオンライン授業の作成に取り組んだ。決してICTに精通しているわけではないが,新型コロナウイルス感染症の第二波・第三波に備えて,現場目線で参考になることを,まとめてご紹介したい。
共立女子中学高等学校教諭 桑子研
ニューサポート高校「理科」vol.27(2017年春号)より。「次期学習指導要領改訂のターゲットは高等学校」「次期学習指導要領改訂の方向性」「具体的な例」について述べる。
岐阜聖徳学園大学教育学部理科専修教授 寺田 光宏
ニューサポート高校「理科」vol.27(2017年春号)より。「理科学習における高校生の理解」「理科におけるICTの特徴と授業への導入」「アクティブラーニングに有効なICTの活用」について述べる。
名古屋学院大学スポーツ健康学部教授 吉田 淳
ニューサポート高校「理科」vol.27(2017年春号)より。センター試験の概要が大学入試センターから「実施結果の概要」として公表されましたので,簡単に紹介したいと思います。
東京書籍編集部
ニューサポート高校「理科」vol.36(2021年秋号)より。高等学校では、令和4年度より年次進行で改訂された学習指導要領が始まる。今回の改訂で、生徒の学習評価については、指導要録等に観点別学習状況の評価や評定が記載されることになった。そこで、観点別学習状況の評価について概略をみていこうを思う。
東京書籍理科編集部
教職について45年になんなんとする。私の教育理念は、「生物を学ぶのにできる子もできない子もいない」という考えだ。自分が夢中で取り組んできた「山口式モジュール教育」をここに紹介したい。
岩手県立岩谷堂高等学校 山口成実
ニューサポート高校「理科」vol.36(2021年秋号)より。今日のデジタル・エレクトロニクス社会を支えている先端技術の大部分は、物性物理学と呼ばれる分野の研究の産物である。「物性物理学」は文字通り、物質の様々な性質を物理学的視点から研究する学問分野であるが、その理解は、力学・熱・波・電磁気学といった古典物理学のすべてと、原子・分子といった微視的世界を記述する量子論の知識の総結集の上に成り立っている。いわば、これらの基礎的学問を統合して、現代の科学技術へと橋渡しをする学問が物性物理学だと言ってもよいであろう。
東京大学大学院総合文化研究科教授 前田京剛
大学入試は多様化しており,複雑なシステムと感じるかもしれません。特に,2021年1月から「センター試験」にかわり,「大学入学共通テスト」が導入されることが文部科学省から発表されています。ここでは,大学入試全体,さらには高校教育,大学教育を含めた改革の概要などを確認します。
東京書籍(株) 編集局理科編集部
皆さんは小学校3年生から理科という教科を学んでいますが、中学校1年生の新しい教科書を改めて見てください。表紙に「理科」ということばが入っている教科書と「科学」ということばが入っている教科書とがあります。
筑波大学教員免許更新講習講師 鈴木伸男
教室の窓「小学校・中学校 教育情報」Vol.59 2020年1月発行より。身近な授業からSDGsについて触れ,科学技術の発展とその弊害によって生じた問題を把握し,その反省があって初めて「誰一人取り残さない」未来について議論できると筆者は主張する。本文では,好きな食べ物と生態系の関わり・水俣病などの日本の環境問題・生徒が作成したワークショップ教材といった具体的な題材を取り上げ,生徒のSDGsに向けた行動,姿勢について言及する。
海城中学高等学校理科教諭 関口伸一
ニューサポート高校「社会」vol.35(2021年春号)より。COVID-19パンデミックで,これまでノーマルだったことがそうでなくなり,新しい枠組みに対応できる力,そして,できなくなったことではなく,今できることは何かを考えるようなメンタリティが改めて問われています。大学教育も遠隔・オンラインと対面指導のハイブリッド化が一気に促進され,さらに決められた時間に授業を受けるという学び方だけではなく,オンデマンドで提供される学習材を用いて,自ら計画的に時間設定して学ぶこととの組み合わせが可能となる学び方が一層拡充されるでしょう。そのような変化の中で,将来教員として活躍する人を養成する大学が,どんな力を入学試験で求めるのかについて考えたいと思います。
兵庫教育大学理事・副学長 吉水 裕也
大学の教員になって実感したが,入試にはいろんな種類がある。センター試験と二次試験だけでなく,推薦やACや編入があるし,大学院の8月期と2月期などもある。社会人や留学生の入試もある。問題作成や,面接や試験監督などの担当もあるので,役目がけっこう回ってくる。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎
一般向けの本をはじめて書いてみた。論文や総説を百本近く書いてきたタンパク質人生のなかで,はじめての経験である。そして余談だが,労力のわりには儲けはほとんどない。印税生活など簡単ではない,そんなあたりまえの事実もよくわかった。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎
研究室で院生たちとよく飲むのだが,先日の飲み会は楽しかった。新しく配属された4年生の研究テーマを酒の肴に,皆でワイワイと飲むのだから楽しいに決まっている。こうして,酒の席でテーマが誕生するのが恒例になっている。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎
顔の見えない講義が期待されている。カリキュラム委員会に出席したときにそれを実感したのである。シラバスは入学した学生との契約だから,仮に教員が異動しても,その学生がいる限りは講義しなければならない。だから内容を教員に任せるのではなく,教科書を指定しておく方がよい。そして,シラバスに教科書を記すのなら,欧米でも通用する本格的な教科書の方が好ましい,というふうな話の流れであった。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎
大学2年生のころの化学系の講義だったと思う。教室に現れた教授が,先週号のNatureにすばらしい論文が出ていたんだと言った。いつもは教える気がなさそうに教科書を淡々と読んでいるだけなのに,意外にもきれいな絵を黒板に描いて,楽しげに解説をはじめた。教授の頭は目下そのことで一杯になっており,溢れたものが体中から出ているようだった。今から思うとあの話はカーボン・ナノチューブの発見の論文で,具体的な内容はほとんど理解できなかったが,いい大人が科学的な発見に驚き,心から面白がっている,そんなことがいっぱい分かるようになれば気持ちいいんだろうなと思った。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
これまでに100本ほどの論文の著者になっている。多産な方だが,論文というものは難しいもので,たくさん書けばいいというものでもない。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
科学の価値は定量的に評価できるのだろうか。これは昔からある難問である。最近でも,理論物理学者のレインハード・ウェルナー教授が,科学の価値は定量などできないという極論をNature誌にあらためて寄稿し,サイトのコメント欄は研究者たちの賛否両論で賑わっている。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
科学雑誌に並ぶ年末恒例「10大ニュース」は,毎年楽しみのコーナーである。ネイチャーとサイエンスの両誌が最初に選んだテーマは重力波であった。これぞ基礎科学の結晶のような成果だ。一方,人工知能も急成長を遂げ,囲碁チャンピオンを破ったことは広くニュースにもなった。ゲノム編集ではCRISPRを使った臨床応用が成功し,再生医療では3人の親を持つ赤ちゃんが誕生した。今回は,年末の科学記事(1-3)に個人的な選好をあわせて,2016年の科学を振り返ってみたい。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
ニューサポート高校「数学」vol.31(2019年春号)より。理工系の女性が少ないということが話題になり始めてから,随分経ったように思う。様々な取り組みが行 われ,少しずつ,女性研究者や技術者の割合は増えて いるものの,研究者に占める割合は15.3%(2016 年)であり,諸外国と比べても低いままである。また,女性研究者の候補者である理工系女子大学生の割合は理学部で27.0%,工学部で14.0%(2016年)でしかな い。
中央大学理工学部情報工学科教授 今井桂子
現在の高等教育は圧倒的に言葉に頼ったものである。一方,やってみなければわからないもの,行動するほうがわかることも沢山ある。理科の実験などは,教科書を読むだけでは本当のことはわからないのである。
筑波大学大学院数理物質科学研究科准教授 白木賢太郎
この夏休み,後藤祐児先生の研究室の同窓会に参加してきた。私が大学4年生の頃に研究指導を受けた先生だ。今年は先生が還暦ということもあって,例年より参加者が多かったが,ネクタイ姿など一人もおらず,小さな子ども連れも多いし,明日はこのまま釣りに行くのだと短パン姿で釣り竿を持って来ている人もいた。研究室の雰囲気がそのまま形になっているが,この自由な雰囲気のなかで一流の成果が出続けているのだから,弟子は育つというものである。魔法のようである。ラボ運営の師匠でもある。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
寺田寅彦(1878年-1935年)は敬愛する科学者の一人である。「科学というものは結局言葉であり文章である」と言うように,論理や数式だけに頼らず「言葉」を思考の道具にするところに魅力がある。当たり前のことを観察し,鋭敏に言語化できる。例えば,絵の描き方についてこんなふうに説明する。科学者はふつう,こうは言えないものだ。
筑波大学数理物質系物理工学域教授 白木賢太郎
『ニューサポート高校「理科」vol.34(2020年秋号)特集:授業を変える3~コロナ禍をどう乗り越えるか~』より。技術大国である日本は,実は世界的に見て理系の比率が少ないと言われています。確かに私もそう思います。メディアで紹介される理系の仕事といったら,プログラマーや化学の研究員など,ひどいものだと潰れそうな町工場になります。私は昔からこのへんがおかしいと思っていたのですが,未だに改善されません。それはなぜか?
漫画家 見ル野栄司