教科書の単元から資料を探すページです。
正の整数,自然数は約数の個数で,単数,素数,合成数の3つに分類される。まずは数に対する関心を高めた上で,他の数学分野の学習意欲へとつなげていくことは大切だと考えられる。そこで本稿では,素数への関心を深め,更には多くの単元に応用できる話題を紹介し,授業でそれらを用いた取り組みが行われ学習者の理解が深まることを目標に展開させていきたい。
富山工業高等専門学校准教授 富永雅
「ニューサポート高校「数学」vol.33(2020年春号)特集:新教育課程に向けたポイント整理」より。高校生の皆さんにとって,机上で学ぶ数学と社会生活とは,かけ離れたものに思えるかもしれない。大人の中には「社会に出たら学校数学なんか使わないよ」と主張する人もいるようで,そんな主張を聞かされたらせっかくのやる気も削がれてしまうかもしれないだろう。でも,そんなことはない。世界は数学に満ちているのだ。しかし,なかなか信じてくれない人もいるので,今日はその一部をご紹介したい。使う数学は「整数」(数学A)と「確率分布」(数学B)である。
有限会社プリパス覆面の貴講師 数理哲人
新教育課程になり数学Aで「整数の性質」を扱うようになった。整数の基本は素数であるが,素数が無限にあるなどの素数そのもの基本性質についての考察はない。また,教科書の巻末にも素数表はない。あればその表を眺めることで素数の性質について洞察力を働かせる生徒もいると思う。たとえば自然数 n以下の中に素数はどのように分布しているのかとか,2つ違いの素数の組とかなどに興味を持つ生徒が出て来るであろう。また,素数の出現の仕方について,つまり指定された個数の連続する自然数を任意に選ぶとその中に必ず素数はあるかということに思いを巡らせることもあるであろう。折角整数の性質を学ぶのであれば,素数について考察する機会があってよいのではないかと思う。本稿では,階乗を利用して,素数出現のランダムさ,つまり,任意の個数の連続する自然数の中には素数が全くないことがあることを考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら→https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/login/newenter.php?wurl=/detail/40776/
山口県立高森高等学校 西元教善
教科書で,最大公約数は素因数指数の小さいほうの累乗の積,最小公倍数は大きいほうの累乗の積であると説明がある。指数がすべて異なれば問題ないが,指数が1つでも等しい場合,大きいほう・小さいほうという表現では等しい場合が欠落する。本稿では,max(a,b),min(a,b)を用いて,2つの自然数の最大公約数と最小公倍数を素因数分解表示し,その活用例についても考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら
山口県立光高等学校 西元教善
次期教育課程において,数学Aでは「整数の性質」が新設内容として取り扱われるようになるが,その中に,「ユークリッドの互除法」がある。指導要領の中に「整数の除法の性質に基づいて,ユークリッドの互除法の仕組みを理解し・・・」とあるから,当然その証明が出てくるはずである。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/downloadfr1/htm/cms68851.htm
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
整数にはさまざまな性質があるが,その中に「互いに素である自然数 に対して, となる整数 が存在する」という整数の重要な性質がある。2つの自然数が互いに素であるということはその最大公約数が1ということであるが,その1は の右辺の1であること,また,それはユークリッドの互除法で計算したときに出てくる1であることを生徒に知らせておくこともユークリッドの互除法の意義を深めるために役立つと思う。 本稿では,ユークリッドの互除法を活用し,「互いに素である自然数 に対して, である自然数 が存在することを考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
ユークリッドの互除法を用いて2つの自然数の最大公約数を求めるとき,簡便な計算法があることについて,拙稿『互除法と行列~新規内容と削除内容のコラボ~』で紹介した。この計算法については指導書でも扱っていないようである。ただし,ニューアクションα数学Ⅰ+Aでは,筆算で求める方法が紹介されているが,拙稿で紹介した方法とは異なる方法である。 本稿では,この方法と一般に教科書で説明してある方法,ニューアクションα数学Ⅰ+Aのp.331で紹介してある方法との比較を中心にして,生徒にとって扱いやすい方法はどれであるかについて考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
龍谷高校の教育の基本は、5プラス1 「キャリア教育 ・ ライフスキル教育 ・ 学力向上 ・ グローバル人財育成・ICT教育+心の教育」を通し卒業までの3年間で、 社会で必要となる 「人間力」 を培っています。本稿では、本校での実践を紹介します。
龍谷中学校・高等学校 教育イノベーションセンター 中島一明
「(高校数学Ⅰ・A)課題学習指導実践記録集(2014年度版)」東京書籍2014年8月より。「数学A 整数の性質」の1つの項として「倍数の判別」がある。教科書では「2,5,4,3,9の順に倍数の判別の学習を行うが,生徒からは当然,「他の倍数の判別方法は?」と質問がある。6の倍数については大半の生徒は「2かつ3の倍数」と理解できる。また,8の倍数については4の倍数の判別法を応用して下3桁が8の倍数(または百の位が偶数の場合は下2桁,奇数の場合は100+下2桁が8の倍数)ということも簡単な説明で理解できる。しかし,7以上の素数の倍数は簡単に判別できない。そこで,証明方法の学習も兼ねて倍数の判別方法の発見と,その検証を考えさせる試みを行った。
栃木県立足利高等学校 大河原啓守
ユークリッド互除法の学習にあたり、生徒がよく知っている分数の通分や約分から導入し、様々な数学的活動をさせて「整数」について指導した、中学校での出前出張の実践指導例を紹介している。
東京都立戸山高等学校教諭 荻野大吾
確率の問題,あるいは場合の数の問題でもそうであるが,事象として硬貨,さいころ,トランプなどを使った例が多い。何か他に目新しいものはないかと考えて,オセロの駒を思いついた。オセロの駒は表裏が白黒になっていて,裏返してその変化を表すことができる。本来,ゲームとしては相手の駒を自分の色の駒で挟むとそれらを裏返して自分の駒の色に変え,最終的に枚数の多い方が勝ちになるわけであるが,これを何か他のものの変化に連動して裏返して,白の駒数,黒の駒数を考えれば,確率の問題とすることができる。 本稿では,このようにオセロの駒の枚数に関わる確率の問題を考えてみたい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
数学Aの「場合の数」の中で「階乗」を扱う。自明のことだが,10! は10以下のすべての素数 2,3,5,7の冪(べき)の積として表される。すると,一般に n! を素因数分解すると,n以下のすべての素数の冪として表されるが,それぞれの指数はどのように表されるか,ひいては n! の素因数分解はどのように表されるかという問題が生起する。本稿では,場合の数と整数の性質のコラボとして,n! の素因数分解について考察する。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。会員向け無償ダウンロードはこちら
山口県立光高等学校 西元教善
拙稿「素因数分解の一意性について ~ 一意性をもっと前面に出そう ~ 」で整数の性質を指導する際に「素因数分解の一意性」をもっと前面に出したらどうであろうかという提案をした。というのは,これは整数の重要な性質であるからである。教科書に載っている証明問題を「素因数分解の一意性」を用いるとどのようにできるのか,前稿では触れなかった問題に焦点を当ててみたい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立高森高等学校教諭 西元教善
最近高校に入学してくる生徒は,あまり図(形)をかくことをしない傾向がある。しかし,いろいろな問題を視覚化して捉えれば分かりやすい。生徒の反応が表われやすく,理解の後押しをすることのできる教材を模索している。ここでは,高校入学後学習する計算分野の視覚化が可能で,少しは興味がわくような教材を取り上げる。
長野県立伊那北高等学校 橋爪正男
「高等学校数学実践事例集」より。(1) 多項式の既約性,(2) 共通因数の見つけ方,(3) 互除法から判別式,(4) 判別式。この資料は,高校数学の教科書で取り扱う内容に関して,いろいろな角度から解説をしたものです。それらは,導入例や,参考になる先生方へのコメント,中学校の復習,発展的内容,教科書で扱っている内容の背景などを集めたものです。各内容は1ページにまとまっています。
稲永善数