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新課程の数学Aに作図問題が加わった。中学で学んだ作図と何が違うのか。実は数Aの作図問題の背景には数の拡大や方程式の解など代数学に繋がる内容がある。ここでは生徒から予想される質問に代数学の知識を踏まえて回答していく。
埼玉県立浦和東高校 石橋信夫
数学Aで作図を扱うようになった。これは新規の分野である。本県では公立高校入試(学力検査)には作図問題が必ず出題されているが,作図が高校で継続されて指導されることはこれまではなかった。作図という行為はセンター試験ではありえないが,2次試験で出題する大学はあるのか,そうであるのであればコンパス持参のことという山口県公立高校入試と同じ指示が必要であるが,そのような指示を出せば出題する可能性が高いことになり,特化した対策をするようになるのでそれもあるまい。しかし,新規内容は出題される可能性は高いであろうから,作図行為そのものは現実的でないことを考えると,作図手順を問う問題などが出されるのであろう。数学Aの範囲に留まらず他分野とのコラボ問題として出題されることも考えられる。そこで,本稿ではベクトルと作図という異色のコラボ問題を考察してみたい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立岩国高等学校教諭 西元教善
長さ1が与えられたときの √n(nは自然数)の作図方法から始めて,2次方程式x2±ax-b=0(a,bは自然数)の正の解の作図法,1辺の長さが1の正五角形の作図法について教科書で扱われている作図法とは異なった方法で作図してみた。作図指導の一助になれば幸いである。長さ1が与えられたときの √n(nは自然数)の作図方法から始めて,2次方程式x2±ax-b=0(a,bは自然数)の正の解の作図法,1辺の長さが1の正五角形の作図法について教科書で扱われている作図法とは異なった方法で作図してみた。作図指導の一助になれば幸いである。
山口県立高森高等学校教諭 西元教善
座標平面上の点でx座標,y座標がともに整数である点を格子点というが,格子点に関連した整数の問題に「3頂点が格子点となる正三角形は存在しない」ことを証明するものがある。正四角形つまり正方形であれば4頂点が格子点になるものは存在する。では「5頂点が格子点となる正五角形は存在しない」ことはどのように証明すればよいのであろうか。 格子点を頂点とする多角形の面積を求めるには格子多角形の内部にある格子点の個数(p)と辺上の格子点の個数(q)を用いて,格子多角形の面積SがS=p+q/2-1で求められるというPickの定理を活用してみたい。※文中の数式は,「Tosho数式エディタ」で作成されています。ワード文書で数式を正しく表示するためには,「Tosho数式エディタ」が導入されていることが必要です。無償ダウンロードはこちら→無償ダウンロードのご案内
山口県立高森高等学校教諭 西元教善
ニューサポート高校「数学」vol.27(2017年春号)より。数学Aの「図形の性質」に「作図」が導入され,コンパスと定規で作図可能な図形について考察することが重視されているが,さらに「折り紙によって作図可能な図形は何か?」ということまで考えてみれば,より作図に対する考察が深まると考えた。
金沢大学附属高等学校 外山 康平
「作図」が平成24年度から先行実施されている学習指導要領数学A「図形の性質」に入った。また,「解析・作図・証明・吟味」で構成される,いわゆる「作図題の完全解」については,学習指導要領にはそれに関する記述があるが,教科書での扱いは限定的である。本稿では「作図題の完全解」を「発展」と捉えながら,その中の「解析」に焦点を当て,その歴史,現状,機能について調査し,指導上留意が望まれる点を整理したい。
竜ヶ崎第一高等学校教諭 小林徹也