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1人1台端末やクラウド環境といったデジタル学習基盤を活かした学習者主体の学びへ向けた授業改善は重要なテーマであり、各地でさまざまな実践が試みられている。しかしながら、現在報告されている実践の多くは、どのような実践を行ったのかという結果の報告がほとんどであり、どのような過程を経てきたのか、教師はどのような足場かけを行ってきたのか、というプロセスまで詳細に分析されているものは多くはない。これらのプロセスが可視化されることはデジタル学習基盤を活かして学習者主体の学びを実現したいと考える教師にとって参考になると考えられる。 本研究の取りかかりとして、学習者主体の学びとはどのような学びなのかという目線を合わせるために、「課題(めあて)の設定」など6項目からなる「学習者主体のスケール」を開発した。また、児童生徒の学びの自走へ向けてどんな足場を用意すればよいのか、その足場はいつ外すのかといったことを捉えるために、「認知的徒弟制モデル」を用いた。そして、どの時期に、どのような支援を行ってきたのか、その際の留意点は何かについて各研究員の実践で具体的に検証した。(東研研究報告 No.371)
東京教育研究所
令和5年度は学習指導要領に基づく2度目の小学校用教科書の採択が行われ、本年度から使用が始まった。令和6年度は、中学校用教科書も同じく2度目となる採択が行われた。新たな教科書では、学習指導要領の趣旨を踏まえ、児童生徒の学習意欲が高まり理解が深められるよう改善され、数多くのデジタルコンテンツが用意されている。 本研究委員会では、令和5年度の研究報告で、新たな小学校用教科書内デジタルコンテンツの効果的な指導のあり方について実践、考察し報告書にまとめた。令和6年度は、令和7年度使用の中学校用教科書内のデジタルコンテンツの活用とそれに関連する小学校の教材やデジタルコンテンツの活用についても実践、考察しまとめることにした。(東研研究報告 No.370)
東京教育研究所
外国人児童は乳幼児期から日本語母語話者と比較し、母語も第二言語である日本語も習得に不利な状況にある。しかし、言語能力はあらゆる学習の基礎であり、人格形成にも大きな影響を及ぼすことが指摘されている。特に話し言葉から書き言葉、生活言語から学習言語への移行期は母語話者においても難しさがあるが、外国人児童においては特につまずきやすい。 そこで本研究では,乳児期の語彙獲得や言語感覚、幼児期の集団の中での話し言葉、小学校での学習言語への移行、中学校でのより抽象的な概念の理解と将来への見通しといった保幼小中それぞれの時期の言葉の育ちの特徴と、その言葉の力を伸ばす外国人児童のための連続性ある日本語指導の在り方について事例を通して検討する。(東研研究報告 No.368)
東京教育研究所
この「算数 うでだめシート」は、学習指導要領の趣旨を実現することを目指して問題を構成しております。単元学習後のふり返り用のワークシートとして作成しており、テスト用に作成したものではないため、配点や所要時間などについては特に設定しておりません。各単元の大切にすべきポイントをおさえて、数学的な見方・考え方を働かせながら活用するワークシートになっています。 なお、各単元のページ構成は、問題のページ+解答例のページになっています。※単元配列については令和6年度版東京書籍「新編 新しい算数」に合わせて変更していますが、内容は令和2年度版を踏襲しておりますのでご容赦賜りますようお願い申しあげます。
東京書籍数学編集部(2024年9月)
今年度は現行学習指導要領に基づく2度目の小学校教科書の採択が行われ、来年度、令和6年度から新しい教科書の使用が始まる。新たな教科書では、現行の教科書に比べ、学習指導要領の趣旨を踏まえ、児童の学習意欲が高まり理解が深められるよう改善されたデジタルコンテンツ(以下、Dマーク)が用意されている。このDマークにより、児童生徒自身が端末上で数学的活動や基礎基本の定着のための練習等をすることができる。いわば「主体的な学び」を可能とするはずだが、学校での活用はいまだに十分とは言えないようである。このような状況から、本研究委員会では、令和3年度の東研研究報告No.343で、教科書内Dマークの効果的な指導の在り方について実践、考察し報告書にまとめたが、来年度使用の新しい教科書に用意されているDマークの活用について改めて実践しまとめる必要があると考え、本報告書にまとめた。 (東研研究報告 No.364) 2024~2027(令和6~9)年度用教科書に準拠。
東京教育研究所
改訂された令和6年度小学校算数教科書「新編 新しい算数」の特長を動画で紹介いたします。2ページ目以降は市川啓先生(宮城教育大学大学院)、佐藤寿仁先生(岩手大学)に以下の構成でご紹介いただきます。 ①学力向上や豊かな授業づくりについてのご提案資料 ②テーマを設けた、お二人による対談動画
東京書籍(株) 東北支社
子どもが、これまでの算数をもとにして、自分たちで新しい位、万の位、を創り出すこと、自分たちで算数を創ることにこだわって、単元や授業を構想した。本時の授業では、何枚あるかわからない紙の山の実物を提示することで、子どもが問題を数学的に表現し、焦点化し、解決を探り、振り返ってよりよい解決を見いだしたり、ものの見方・考え方を明らかにしたりして、子どもが数学的に問題発見・解決する動きにつなげようと意図した。授業動画や授業解説、学習指導案で詳しく内容を構成しました。
福島県白河市立白河第二小学校
本時で大切にしたかったのは、前時終末時の子どもたちの問題意識です。前時の「2:3、4:6、6:9の比は、使われている数は違うけど、小さじの数量を変え見方を変えることで同じ割合であることがわかった」で学習を終わらせず、「もっと簡単に同じ割合だと表せる方法はないか」という問題意識をもたせるようにしています。終末の振り返りでは「もっと簡単に割合を表したい」という発言があったため、その問いを本時の導入に再度紹介する展開にしました。授業動画や授業解説、学習指導案で詳しく内容を構成しました。
岩手県盛岡市立仁王小学校
複式学級とは、2つ以上の学年の児童・生徒を 1つに編成した学級のことです。本稿では、筆者が複式学級を数年にわたり担当した実践を踏まえ、複式学級の授業づくりについての基本的な考え方や今すぐ使っていただける授業づくりのポイントをご紹介します。 また、筆者が実践した複式授業の指導案も公開させていただきます。本稿でご紹介する複式授業のポイントは、通常の授業(単式授業)にもあてはまる、非常に重要なものばかりです。「複式学級を担当することになったが、どうやって授業をすればよいかわからない。」「複式学級の指導案ってどうやって書くのだろう?」などと悩まれている先生方はもちろんのこと、「もっと子どもが生き生きと学べる授業がしたい。」と思われている先生方も、是非一度ご覧ください。(2024年3月更新)
前 高知大学教育学部附属小学校 松山起也