テーマ | 新しい外国語教育について |
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主催者(学校/団体名) | JACET教育問題研究会 |
開催日 | 2020年03月08日(日) |
学校区分 | 高等学校 その他 |
教科など | 英語 ICT活用 学習評価 言語活動 |
開催地(都道府県) | 東京都 |
会場 | 早稲田大学早稲田キャンパス11号館4階 |
主な内容 (時程・講師など) |
※新型ウィルスの対応のため、中止※ 言語教育エキスポ2020 日時:2020年3月8日(日) 場所:早稲田大学早稲田キャンパス 11号館4階 参加無料、ただし以下に事前の申し込みが必要 参加申し込み先 takane46@gmail.com 以下は主に高校の先生向け発表概要 (全体は次のサイト参照) http://www.waseda.jp/assoc-jacetenedu/ アトリエ(90分枠) A02 招待講演 Getting on the Same Page: Tools for teachers to cope with linguistically diverse classrooms Peter Broader (Tilburg大学) Students’ lack of school success often lies in the differences between the language used at home and the ‘school language’ they are required to use at school. Literacy in terms of reading and understanding texts is essential for school success. Stylistic choices are evaluated for their effects on the persuasiveness of a text. These effects are studied in relation with characteristics of receiver (involvement), content (relevance), source (reputation), situation (depth of processing) and context (medium). In this project a framework is drawn up in which five domains are distinguished where specific problems might be located: language-internal aspects (mastery of vocabulary, grammar, etc.), literacy (reading and writing skills), interaction (interpersonal communication skills), learning (content-related organizational and studying skills), and presentation (explanatory skills). To test the (practical) viability of this framework several studies are carried out (European policy experts and secondary-school teachers). New opportunities for teacher training are addressed. A07洋楽の授業活用―導入への可能性と実践例 中田ひとみ(獨協大学),藤本淳史(拓殖大学),湯舟英一(東洋大学) 英語音の特徴理解やリスニングスキルの向上には楽曲の採用という選択肢がありますが,今回は異なったアプローチによる具体的なタスク例を紹介します。まず特定の洋楽をどのように授業に採り入れていけるかという可能性への考察とその実践例を紹介(藤本),さらに言語音の特徴を考慮した選曲と歌唱活動の報告(中田),そして最後にカタカナの援用による流暢歌唱への誘導の工夫やカラオケ利用とその効果(湯舟)について報告します。 A10♪英語DEドラマ「Aladdin」 小口真澄(英語芸術学校,マーブルズ),マーブルズスタッフ 演劇には多くの人たちに力を与えることができる可能性があります。今回のワークショップではみなさんと一緒に作品創りをします。その作品創りを通じて演劇教育の大きな可能性を共有しましょう。一つの作品を探求し, 短いけれども濃い時間を楽しみましょう。言語の大切な役割,「人に思いを伝える」 ことに関し,演劇的教育手法が一番効果的だと考えます。 コロッケ(60分枠) C03 ミュージアムと連携した外国語学習―小学校におけるプロジェクト型学習の事例の活用 Georgette Wilson,阿部志乃(横須賀学院小学校),清田洋一(明星大学) 美術館や博物館のリソースを活用した英語学習がテーマである。横須賀学院小学校では,本プロジェクトを「導入」「理解」「創造」の3段階に分けて行った。アート作品を活用したプロジェクトは,生徒の自己理解と創造的な活動を含む意欲的な学びとなり,それぞれの興味・関心に沿った言語学習となった。当日はワークショップ形式で,いくつかの中心的な活動について実際に取り組んでもらい,その内容の紹介と意見交換を行う。 C04 夜間中学校を描いた映画『こんばんはⅡ』を見て,語り合おう 酒井志延(千葉商科大学),根岸恒雄(群馬県立女子大学) 動機づけの研究が盛んだ。学びから逃げ出そうとする学習者をどうしたら,学びにつなぎとめておき,うまく行けば積極的に学びに向かうように仕向けたいと願う教員が多いからであろう。この映画にはそのような学習者は出てこない。それとは逆に,学びを奪われた人たちが登場する。奪われた原因は,貧しさ,いじめ,両親に教育が無かった,カンボジアに生まれた等様々である。本当に学びを求める人の声を聴いて,学びについて語り合いたい。 C05 Soft CLILのSDGsテーマ学習で進めるグローバル・シチズンの育成 山本孝次(刈谷北高等学校),柳田綾(桜花学園大学) 新学習指導要領の前文にある「持続可能な社会の創り手」をどのように育成していったらよいか。この疑問に一つの答えを提示するのがこの発表です。SDGs(持続可能な開発目標)に関するトピックは教科書にもよく登場しますが,その内容理解をするだけで終わっていませんか。単なる英文読解を超え,グローバル・シチズンの育成につながる方法について一緒に考えてみましょう。 ピン(30分枠) P04 コーパスによる『考える学習』の勧め / 冠詞a/theの理論と実際 田淵龍二(ミント音声教育研究所) 英語学習者の苦手の一つが冠詞である。原因には,複雑多岐なルールや慣習,地域的差異がある。そこでまず冠詞選択の法則を総体的に理解する集合論的捉え方(思考法)を基底に据え,次に冠詞の運用を習得するウェブコーパス学習法(操作法)を紹介する。映画コーパスによる映像と筋書きを通したaとtheの使い分けを体験する検索法を学ぶ。参加者自身のスマホやタブレット,ノートパソコンなどを使って即戦力となることを目指す。 P06 動画ベースの言語文化交流:初中級学習者向けリスニング・スピーキング実践 山内真理(千葉商科大学) 初中級言語学習者にとって,学んだ言語知識をスキルとして伸ばしていくには目標言語を用いたやりとりの経験が欠かせない。しかし未熟な言語でのリアルなやりとりは往々にして心理的なハードルが高い。この動画ベースの交流は,そのハードルを下げつつ,リアルな相手との「リアル」な交流の中で目標言語を使う場として有効である。発表では,実践概要と参加者へのインパクトを報告し,柔軟な運用可能性にも触れる。 P08 オーラル・コミュニケーションにおける情意要因と発話の音響分析 中村弘子(鳥取環境大学)野村和宏(神戸市外国語大学),佐伯林規江(同志社女子大学) 研究では,オーラル・コミュニケーションの場でのコミュニケーション不安や,英語学習不安の影響を検証するために,日本人大学生のオーラル・プレゼンテーションにおける発話を録音し,次の二つの音響学的分析および比較を行った。1.リハーサルと本番における発話の音響学的特徴の差異 2. 日本語と英語での発表で,それぞれ同じ固有名詞を発話する際の音響学的な差異。上記の分析およびアンケート調査の結果,不安感と緊張の度合いを示すパラメータである基本周波数との相関が認められた。 P09 ライティングのAccuracy評価に関する考察 蔦田和美(関西外国語大学短期大学部) ライティングのAccuracy(正確さ)は社会における英語使用の中でも軽視できない要因であり,大学英語教育においても注視することが望ましいと考える。しかしその一方でその評価は査定指標によって異なる傾向にある。英語母語話者によるGlobal accuracyとLocal accuracyの評価,および日本人講師による分析的指標に基づく評価を比較して,Accuracyの適切な評価指標について考察する。 P11 協同学習の進め方と効果の高め方,英語の歌の導入法の紹介 根岸恒雄(群馬県立女子大学)小中高で,いじめ,不登校,自殺者数とも過去最高と報道されている中(NHK,2019年),子どもたちが支え合って学べるように,英語授業での協同学習の進め方と効果の高め方を考えます。またここでは,私がずっと採用している英語の歌の導入法を紹介します。この方法を取り入れることで,導入での失敗はなくなりました。中学校から大学まで通用するお勧めの方法です。 P12 統語論による英語学習者指導~finite, non-finiteの考え方を用いた理解促進 中野雅也(東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校)近年の中等教育で使用されている英語教科書では,「定形」「不定形」という概念を直接教えることがない。そのためか,述語動詞と述語動詞になれない準動詞という対立構造が,構造理解にとってかなり高い障害となっていると感じている。本発表では,「極小主義理論 (Minimalist Approach)」に基づく考え方が,高校段階であっても応用可能な部分がある可能性を探る。 P19 小学校教育におけるアルファベット指導に関する研究の考察 土屋佳雅里(早稲田大学) 小学校教育では,アルファベットを用いる指導が国語科と外国語活動・外国語科と2つの学習で行われており,混乱や誤解が多い。原因は,国語としてのローマ字指導が国語科の範疇であることを認識しておらず,英語教育でのアルファベット指導と混同することとみられる。本発表では,小学校教育におけるアルファベットに関する研究をレビューして概観することにより,混乱や誤解について考察する。 P20 ひとり1台タブレット時代の生徒ファーストの授業実践報告 橋詰龍(立命館守山中学校・高等学校)本校では,中高6学年の全生徒がタブレットを持ち,英語科授業内外で「やりとり」を含むすべての技能を身につけるための言語活動場面で利活用してきた。同時に英語科校内外研修を充実させ,その使い方ではなく,本校の目指す英語教育のあり方について議論を重ね,チーム力を高めてきた。タブレット導入後6年が経過した今,生徒の表現・発信の幅も広がり,主体的で深い読みも進んできたが,それらを生徒作品や活動の様子を紹介しながら,本校英語科の取組も含め報告する。 P21 多様な英語を中学校英語教育で扱うことについて 若生深雪(仙台市立上杉山中学校),松浦浩子(福島大学),千波玲子(亜細亜大学)本研究では,多様な英語の中学校英語教育での導入について,教職課程学生67名と現役中学校教員48名への質問紙の結果から,それぞれの意見,考え方,信念の傾向を明らかにすることを目的とした。分析の結果,導入について,学生も教員も概ね賛成しているが,個々人の具体的イメージは異なっていた。発表では被験者に影響を与えたと思われる要因について議論する。さらに,ELFやWEを意識した教職課程カリキュラムについて紹介する。 P23 「なぜ」を活かした教え方 朝尾幸次郎(元立命館大学)英語を学ぶと「なぜ」という疑問に出会います。それは英文法という金脈の先が地面から顔をのぞかせ,きらりと光ったものです。その小さな光の下には英語理解という大金脈が隠れています。しかし,残念なことに私たちはじきにその小さな輝きを忘れ,金脈を掘り起こす機会を逃してしまいます。「きらりと光った場所をもう一度見つけ出し,金脈を掘り起こしてみよう」『英文法の「なぜ」』はこのようにして生まれました。 P24 英語スピーキング・コミュニケーション能力向上のための指導研究 瀧澤典子(東京藝術大学音楽部附属音楽高等学校)本発表は,2017年夏にイギリスの語学学校において実施した,英語学習者のスピーキング・コミュニケーション能力向上のための指導研究に基づく。文法や語彙など基礎知識が確立されていない日本人大学生が大半のクラスにおいて,現地教師らはどのような点に留意し指導を行っているのか,また生徒らはそれをどう感じているのかを分析することで,学習者等のニーズに適した,より効果的指導を行うための手がかりについて考察する。 P26 赤点を取らせない・満点も取らせない定期テストのあり方 齋藤理一郎(太田フレックス高等学校) 高等学校英語(コミュニケーション英語Ⅰ)における定期考査問題のあり方を考える。定期考査は,生徒がそれまでに学習した内容の定着度を確認する目的のほかに,得た知識を活用する意欲を育てたり,その後の学習に取り組む姿勢の自律性を促進する役割も担いうる。本発表では,単なる暗記で済ませない,生徒が「解答で,自分が持っている力を評価してもらおう」と思えるような,授業内容とテストを関連させた実践を報告する。 P29 Reading Taskのデザインと学習者の受け止め方 臼田悦之(函館工業高等専門学校) Task-freeなテキスト,あるいは検定教科書を使ってTask-likeな活動を作るには,本文の内容に関連づけSpeakingなどのProductiveな活動をMain-taskにすえることが多いが,ReadingやListeningといったReceptiveな活動を持ってくることも可能である。その際にもTaskの必要条件である1) meaning, 2) some kind of gap,3) own resources,4) a clearly defined outcome (Ellis, 2003) をできるだけ満たすようにすればよい。本発表では,Reading taskを作る時の考え方を報告し,Reading taskと一般的なReading(読解活動)において,学習者の受け止め方はどう違うかの考察を加える。 P31 パフォーマンス評価を取り入れた初修外国語授業の試み 池谷尚美(横浜市立みなと総合高等学校),温悠(横浜市立みなと総合高等学校 講師) 発表者は「グローバル化に対応した外国語教育推進事業」の枠内で,新学習指導要領が目指す「資質・能力の3つの柱」育成を重視し,逆向き設計論に基づくパフォーマン評価を取り入れた年間指導計画を策定・実践してきた。本発表では,ドイツ語クラスと中国語クラスでの取組みについて紹介し,その成果と今後の課題について検討すると共に,初修外国語における汎用性を確保した指導・評価方法についての一つの方向性を示す。 P32 パラスポーツを事例とした体育CLILの実践研究 二五義博(海上保安大学校),伊藤耕作(宇部工業高等専門学校) 本研究では,高専1年生5クラスを対象として,英語を使用したボイスパスゴールのCLIL授業(90分×2回)を実践した。実践後に,学習者の反応をアンケート調査した結果,CLILの4C(内容,言語,思考,協学)において一定の効果が見られた。とりわけ,聴覚情報のみを頼りとする本パラスポーツでは,それに合う独創的なゲームプランを皆で考える必要があり,試合中の英語コミュニケーションも不可欠なことから,協力の場面が増えてチームワークが向上することが分かった。 P34 英語発音学習のWhy?How?の疑問を解決する3DCGモデルのe-learningシステムのご紹介~英語の発音に必要な発声発語器官の筋肉の動きを理論的に考えた~ 直井雅一(合同会社プロンエイド),富田大輔,和田牧子(Discovering Sounds) 英語の発音に必要となる発声発語器官の筋肉のトレーニングを取り入れた新しい英語発音学習法を紹介させて頂きます。今回開発した、e-learningシステムでは、音声記号差分化表示や、透明化させた3DCGモデルにより、学習者は、自らの発音の誤りを明確に認識でき、適切な発声器官の状態を直感的に分かりやすく学ぶことが可能です。日本語母国語者が、スムーズに、自然な英語の発音を習得できる理論的方法をご説明したいと思います。 P33 ブック・トーク 『「教師の自己評価」で英語授業は変わる―J-POSTLを利用した授業実践』 (大修館書店) 神保尚武監修 久村研,浅岡千利世,清田洋一,髙木亜希子,栗原文子,醍醐路子編著 髙木亜希子(青山学院大学),浅岡千利世(獨協大学),栗原文子(中央大学) 気鋭の現職中・高英語教員13人による,J-POSTLを活用した英語授業改善の実践事例集である。困難校から進学校まで様々な文脈の例を扱っており,読解中心から技能統合型授業への転換,自立学習を目指し学習目標と宿題を生徒自身が決定したりプロジェクト型学習やポートフォリオを取り入れたりする教育方法の改善,評価方法の見直しや協同学習・相互評価を取り入れた生徒主体の授業への取り組み,茶道部の活動を異文化・国際理解教育の次元まで引き上げた教育実践,教員の協同的な校内自主研修,J-POSTLの自己評価記述文を利用した授業観察ルーブリックの作成,等々の実践事例を紹介し,その教育的示唆を提供している。 |
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JACET教育問題研究会 言語教育エキスポ事務局 URL:http://www.waseda.jp/assoc-jacetenedu/ Eメール:takane46@gmail.com |