この脇本陣は、江戸時代の絵図をもとに各務原市が復元し、平成20年より2年かけて工事が行われ、平成22年から一般に公開されている。脇本陣は本陣の補助的な役割をする施設である。この脇本陣は、幕末に東町の野口家に移るまで、西町の坂井家が務めていた。屋根に「うだつ」があがっているが、鵜沼宿脇本陣に「うだつ」があったかどうかは定かではない。現存している中山道太田宿脇本陣を参考にして造られた。「うだつ」は、隣家からの火事が燃え移るのを防ぐために造られた防火壁である。江戸時代中期になると、装飾に重きを置くようになり、財力を誇示する立派なうだつがあがるようになった。
岐阜県各務原市 宮脇實也