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小説「とんかつ」は,女将の視点から終始描かれている。したがって,中心人物とする少年の内面は直接に語られることはない。抑えた表現ゆえにかえって情愛の深さを感じさせる母の内面も,同じく直接に描かれてはいない。しかし,語られる言葉によって生じる読みのベクトルに,与那覇恵子の言う,語りが「彼らの内面と接触させようと意図している」ことを見出すことは難しいことではない。そのような意図による語りを通して,少年は中心人物として描き出されているのである。
高知大学教育研究部教授 渡邊春美
A4判たて,3枚
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