指導直前情報「かけはし」2004年11・12月号より。日本語には,漢字という中国由来の表記手段が現在まで受け継がれてきています。そのため日本人は漢詩になじみやすく,その表現や形式性を視覚的に,そして幾分は聴覚的にも感じ取ることができるという幸運にめぐまれています。教科書に作品が掲載されている「詩仙」李白と「詩聖」杜甫は唐代を代表する二大詩人ですが,とりわけ李白は絶句を,杜甫は律詩を得意としたことから,「李絶杜律(りぜつとりつ)」とも言われます。ここでは,李白・杜甫の作品について理解を深め,さらには漢詩全般へと関心を広げてゆくためのテキストとなりうる新書本のなかから,いくつかの話題をご紹介します。
東京書籍(株) 国語編集部