初等中等理科教育では,呼吸や燃焼・光合成などの学習において,酸素の増減を調べる実験が多くみられ,酸素センサによる酸素濃度の定量性の導入は,生徒達の創造性や独創性を育成する大切なツールの一つとして考えている。
今回,初等中等理科教育での活用を目的として,空気電池を利用したコンパクトサイズの空気電池式酸素センサキットを開発した。この酸素センサに使用する空気電池は,補聴器の電源としても一般的に使われており入手も簡単である。また,取り扱いが簡単で安全性の面でも優れている。実験でのランニングコストも安いため,一人ひとりの生徒が自由に扱うことができるのが特長である。
東京工業高等専門学校物質工学科教授 高橋三男